記事
n-3系とω-3系脂肪酸の違いは?
公開. 更新. 投稿者:脂質異常症.この記事は約1分5秒で読めます.
8,253 ビュー. カテゴリ:n-3系とω-3系脂肪酸
エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)のことをn-3系とかω-3系多価不飽和脂肪酸とか言いますが、n-3とかω-3ってどういう意味か。
不飽和脂肪酸ってのは、不飽和結合(二重結合とか三重結合)があるということ。
ω-3(またはn-3)は、炭素鎖のメチル末端から数えて3番目の炭素-炭素結合に初めて二重結合が現れるという意味である。
メチル基の炭素はカルボキシル基炭素から数えて最後の炭素であり、ギリシャ文字の最後のωを用いて、最後の炭素から何番目に最初の二重結合が存在するか、という意味でωを使っています。
ωは古い表示で、最近はnと示すのが通常になっているとのこと。
エヌマイナスサンケイ?
先に出てきたn-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、どういう読み方をするかご存知でしょうか?
日清オイリオ ヘルシースクエア – リノール酸
n-3系を例にとると「n-3系」を「エヌ・サン・ケイ」と読まれた方が多いかと存じます。
でも、実際は「n-3系」を「エヌ・マイナス・サン・ケイ」と読むのが正解です。
計算式ではないので、「-」を「マイナス」と読むのには少し抵抗ある方もいらっしゃるかもしれませんね。
また、「n-3系」と同じ意味で異なる表現として「ω3」という表現を使う場合がありますが、この場合は、そのまま「ω3=オメガ・サン」でよいのだそうです。少しややこしいですね?!
知らなかった。
ありがとう日清。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
2 件のコメント
エヌマイナスサンケイ?
「先に出てきたn-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、どういう読み方をするかご存知でしょうか?
n-3系を例にとると「n-3系」を「エヌ・サン・ケイ」と読まれた方が多いかと存じます。
でも、実際は「n-3系」を「エヌ・マイナス・サン・ケイ」と読むのが正解です。
計算式ではないので、「-」を「マイナス」と読むのには少し抵抗ある方もいらっしゃるかもしれませんね。」
この説明に異論があります。実はn-3は計算式なのです。
C22のDHAはn-3系ですので、n(炭素数)=22、n-3=22-3=19、つまり19番目の炭素に二重結合がある(C19とC20の間が二重結合)ことを意味します。(-CH=CH-CH2-)が二重結合の数だけ繰り返しつながっていますので、次の二重結合の位置は19-3=16、その次は16-3=13、その次は13-3=10、その次は10-3=7、最後の6個目が7-3=4、つまり、DHAとは、4,7,10,13,16,19-ドコサ・ヘキサ・エン酸(ヘキサは6という数値、エンeneとは二重結合の意味、ドコサは22という数値のギリシャ語、炭素数が22個で二重結合が6個の脂肪酸・カルボン酸という意味)です。ω-3は
オメガ3と読みますが、ωとはギリシャ語のzなのです。ですから、先端のCH3-をω炭素(ω-1、C22)、その次をω-2(C21)、ω-3(C20)と読んでいるのです。ですから、ω-3は20番目の炭素を意味します。先端から3つ目の炭素(と4つ目の炭素の間、つまりC20とC19の間)に二重結合があるという意味です。従って、n-3はC19に二重結合があるという意味、ω-3は先端から3つ目、C20に二重結合があるという意味です。二重結合の位置は実質同じですが、n-3とω-3で指している炭素は隣同士の違った炭素なのです。ですから、ω-3はオメガ3と読む必要がありますし、n-3はエヌ3ではなく、エヌマイナス3なのです。
(必要なら、拙著「生命科学・食品学・栄養学を学ぶための 有機化学基礎の基礎」、p.145(丸善出版)を御覧下さい。
ありがとうございます。年齢も相応ですが・・高脂血症の指摘があり、n-6系、n-3系脂肪酸をちょっと調べたくなりました。「ωとはギリシャ語のzなのです。ですから、先端のCH3-をω炭素(ω-1、C22)」がわからないのですが、n-3の表現はわかりました。今まで、自身は登録販売者やNRサプリメントアドバイザーどまりの資格なので、仕事は今は医薬品から遠ざかってますが、ばるとろまいの薬んおコラムを当時はよく見ていました。今回、yakuzaic先生のHP初めて知りました。なかなか良い情報がありますね。今後ともよろしくお願いいたします。