2025年1月12日更新.2,487記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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去痰薬の一覧

去痰薬の一覧

分類分類商品名一般名剤形・規格
喀痰産生抑制薬分泌細胞正常化薬クリアナール/スペリアフドステイン錠(200㎎)、内用液(8%)
喀痰排除促進薬気道粘液修復薬ムコダインL-カルボシステイン錠(250㎎、500㎎)、シロップ(5%)、DS(50%)
気道粘液溶解薬チスタニンL-エチルシステイン塩酸塩糖衣錠(100㎎)
気道粘膜潤滑薬ムコソルバンアンブロキソール塩酸塩錠(15㎎)、L錠(45㎎)、内用液(0.75%)
気道分泌促進薬ビソルボンブロムヘキシン塩酸塩吸入液(0.2%)

去痰薬の分類

痰の元になる気道分泌物は上皮細胞の線毛運動によって喉頭側へ運ばれ、気道を清浄化する。
正常な状態では気道分泌物は無意識に嚥下されるため喀痰はみられないが、気道に炎症が生じると、上皮層の胚細胞が増加し、粘液量の増加や性状の変化などにより嚥下しきれなくなり、痰として排出される。

去痰は薬は主に、喀痰の産生抑制薬と、排除促進薬に分類される。
痰が作られにくくする薬と、痰を出しやすくする薬です。

痰の産生抑制作用を有するのは、胚細胞過形成を抑制するマクロライド系抗菌薬、気道分泌細胞正常化薬、副交感神経を抑制する抗コリン薬、化学伝達物質を制御するICS、抗アレルギー薬などがある。

痰の排除を促進するのは、喀痰の粘稠度を低下させる気道粘液溶解薬、粘液成分を正常化する気道粘液修復薬、サーファクタント分泌を促進する気道潤滑薬、線毛運動賦活薬(β₂刺激薬)、水分分泌を抑制するマクロライド系抗菌薬、咳嗽を誘発するACE阻害薬などがある。

去痰薬の働き薬効分類
分泌物の性質を正常化する気道粘液修復薬
分泌物を減らす分泌細胞正常化薬
分泌物を分解する気道粘液溶解薬
分泌物を増やす気道分泌促進薬、気道粘膜潤滑薬

細かな分類はあるが、大きく分けて痰が作られにくくする薬と、痰を出しやすくする薬にわけられる。
気道粘液修復薬や気道分泌細胞正常化薬、気道粘液溶解薬は、痰が作られにくくする薬。
気道分泌促進薬や気道潤滑薬は、痰を出しやすくする薬。

気道粘液修復薬・気道粘液溶解薬・気道分泌細胞正常化薬

カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、フドステインなど・・・
ステインと付いているので同じ仲間のようだが、働き方に違いがある。

構造式も似ている。

エチルシステイン(チスタニン)の構造式

カルボシステイン(ムコダイン)の構造式

フドステイン(クリアナール)の構造式

アセチルシステインやエチルシステイン(チスタニン)は気道粘液溶解薬と呼ばれ、喀痰成分のムチンのジスルフィド(S-S)結合を開裂することで、痰を低分子化して粘度を下げ、排出しやすくします。
システイン系とも呼ばれますが、カルボシステインは一般的にシステイン系には含まれません。

カルボシステイン(ムコダイン)は気道粘液修復薬と呼ばれ、喀痰中のシアル酸(シアロムチン)とフコース(フコムチン)の構成比、シアル酸/フコース比を正常化することで、気道分泌液をネバネバからサラサラの状態にします。

フドステイン(クリアナール)はカルボシステインと同じ気道粘液修復薬としても働きますが、気道分泌細胞正常化薬と呼ばれ、気道の胚細胞の過形成を抑制することで粘液の分泌量を減らします。

気道粘膜潤滑薬

アンブロキソールはブロムヘキシンの活性代謝物の一つであり、共通の作用を有する。

気道のすべりをよくする肺胞表面活性物質(サーファクタント)の分泌を増加させて気道粘膜を潤滑化し、痰と気道粘膜の粘着性を低下させ去痰作用を発揮します。

ブロムヘキシンは気道分泌促進薬という分類に分けられることもあります。
また、ブロムヘキシンは気道分泌細胞からリソソーム酵素の遊離を促進し、ムチンを低分子化する働きもあるため、気道粘液溶解薬に分類されることもある。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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