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ツイミーグとメトホルミンは併用しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分1秒で読めます.
13,054 ビュー. カテゴリ:ツイミーグの作用機序
ツイミーグとメトホルミンは似ている?
新規糖尿病用薬として、ツイミーグ(イメグリミン塩酸塩)という薬が発売された。
ツイミーグの添付文書の重要な基本的注意に、「本剤とビグアナイド系薬剤は作用機序の一部が共通している可能性があること、また、両剤を併用した場合、他の糖尿病用薬との併用療法と比較して消化器症状が多く認められたことから、併用薬剤の選択の際には留意すること。」と記載されており、併用禁忌ではないが、併用に注意する必要がある。
ツイミーグの構造式
メトホルミンの構造式
とても似ている。
ツイミーグの作用機序は、
イメグリミンは、グルコース濃度依存的インスリン分泌促進作用及びインスリン抵抗性改善作用により、血糖降下作用を発揮する薬剤であり、その作用機序はミトコンドリアへの作用を介するものと想定される。
ツイミーグは、NAMPT(NAD+合成系酵素)遺伝子、ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰへの作用を介して、膵β細胞におけるグルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取り込み能改善)という2つのメカニズムで血糖降下を示します。
これらの作用にはミトコンドリアを介した各種作用が関係していると推定されます。
メトホルミンの作用機序もよくわかっていないところが多いですが、ミトコンドリアを介しているとも言われています。
メトホルミンはミトコンドリア呼吸鎖の複合体Iの活性を阻害してATP合成を抑制することによってAMP/ATP比を増加させ、その結果細胞の代謝ストレスセンサーであるAMPK(AMP依存性プロテインキナーゼ)を活性化する。
活性化AMPKは細胞内シグナル伝達系を介してATP合成を促進し、ATP消費を抑制するようにさまざまな代謝系を制御し、また、肝臓での糖新生を抑制したり、脂質代謝を調節したり、糖代謝を改善すると考えられている。
作用機序からみれば、メトホルミンに近く、低血糖のリスクも同程度とみられる。
そういう意味では使いやすいのかと思われる。ただ、直径約17.6mmと、エクメットHD錠の直径約17.1mmよりも大きく、飲み込みにくい。大きいうえに1回2錠。
ツイミーグ錠500mg 4錠
1日2回朝夕食後 14日分
ツイミーグと妊婦
メトグルコは妊婦に禁忌である。
ツイミーグは妊婦に禁忌とはなっていない。
しかし、妊婦に対しては、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が認められている。」と記載があり、原則的には妊婦に使ってはいけないような文言である。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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