2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

フォルテオやバイエッタは空打ちしなくていい?

注射と空打ち

注射剤において「空打ち」はほぼ必須と考えているが、「初回のみ空打ち」が必要な注射というのもある。

一般的なインスリン製剤では毎回空打ちを行うため、一般的な注射指導では、「毎回空打ちを行うこと」と説明されることもある。

初回のみ空打ちが必要で毎回の空打ちが不要な注射剤としては、骨粗鬆症に使われる「フォルテオ皮下注」、糖尿病に使われる「バイエッタ皮下注」「オゼンピック2㎎(オゼンピックSDは空打ち不要)」、不妊治療に使われる「ゴナールエフ皮下注」「アポカイン皮下注」がある。

「初回のみ空打ちしてください」

これらの薬に関しては「初回のみ空打ちしてください」と説明する。

「使い始めの1回だけ空打ちしてください」

これを違う意味に捉える患者もいるので要注意です。

つまり、これからバイエッタを使い始める最初の1回だけみ空打ちを行 って、その後はペンを交換しても空打ちを行っていないというケース。

患者は予想外の行動をとる場合もあるので要注意です。

新しいペンの使い始めだけ空打ちを行い、毎回の注射では空打ちをしない。
しっかり伝えたいです。

フォルテオは初回のみ空打ちが必要

フォルテオ皮下注キットのポイントとしては、
①初回だけ空打ちが必要(2回目以降は不要)
②注入ボタンを「赤い線」が見えるまで引っ張る
③注入後、5秒以上待つ
④使用後はまた冷蔵庫で保管

①空打ち
インスリン注射の場合、毎回空打ちを行うがフォルテオは初回のみ。
インスリンの場合は1単位ずつ細かい用量調整が必要なため、針内部の空気抜きを行う空打ちが必要だが、フォルテオは安全・有効領域が広いため、厳格な用量調節の必要がないので空打ちが不要とのこと。

②注入後の待ち時間
注入後の待ち時間は、注射剤によって異なる。

④冷所保管
インスリン注射の場合、使用開始後は室温保存でよいが、フォルテオは使用前も使用後も冷所保管。冷たいまま使うので痛みがある。
痛みを感じる場合は、室温で15分程放置し、薬液の温度を室温に近づけてから注射することもできる。

その他確認すべき事項としては、インスリン製剤でも同じだが、
⑤注射針の廃棄方法 薬局か病院か
⑥次回受診日 フォルテオは1本で28日分なので、足りるかどうか。
ちなみにフォルテオは1本600μgで、1回あたり20μgなので、理屈では30回分使える。これに空打ち1回分プラスしても29回分。なので、もう1回分は使えるのだが、押す強さで1回量が若干変わるとのことで、28回分しか保証されないそうだ。
このような理由から、28日分で計算すると足りなくなる?と思いきや、足りてしまう患者もいる。

これに加えて
⑦投与期間 添付文書上「本剤の投与は24ヵ月間までとすること。」と記載されており、使用開始からどのくらいの期間経過しているか、記録しておく必要がある。

バイエッタは空打ちしなくていい?

ビクトーザでは毎回空打ちが必要ですが、バイエッタでは初回のみ空打ちしますが、2回目以降は不要とのこと。

バイエッタ(エキセナチド)では、初回使用時に空打ちを1回行えば、2回目以降は空打ちを行わなくてもよい。

5μg投与用のバイエッタペンでは、1本に56回分の薬液が含まれているが、不必要に空打ちを続けると56回使用できなくなるので注意が必要である。

空打ちは、カートリッジ内の空気を抜き、ピストン棒とゴム栓を密着させて薬液がきちんと出ることを確認するために行う。

インスリン注射では毎回、使用前に空打ちをしなくてはならない。

一方、バイエッタペンは、適切に保管し初回使用時に空打ちを正しく行えば、2回目以降は投与量の精度が保たれる。

ただし、バイエッタでも、カートリッジに非常に大きな気泡が入ってしまった場合は、2回目以降であっても気泡を取り除くために空打ちをする。

バイエッタペンに注射針を付けたまま保管すると、気泡が入ることがある。

注射針は使用の都度使い捨てにし、保管時には針を付けたままにしないようにする。


薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

コメント


カテゴリ

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
著書: 薬局ですぐに役立つ薬剤一覧ポケットブック
ツイッター:
プライバシーポリシー

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

最新の記事


人気の記事

検索