2024年12月2日更新.2,476記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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インスリンは使う前によく振る?

インスリンは使う前によく振って混ぜなきゃダメ?

薬剤師

使う前によく振る必要のあるインスリンってどれ?

インスリン製剤のうち、沈殿してくるタイプのインスリン製剤では、よく混和することが必要になります。よく混ぜてインスリンの濃度(濃さ)を均一にするためです。
インスリンの濃度が均一でないと、インスリンの効果がきちんと発揮されず、血糖コントロールが乱れることがあります。

インスリンカートリッジの中にはガラス球が入っています。
このガラス球を動かすようにきちんと振りましょう。
インスリンの種類によって使い始めの混ぜ方が違うので確認しましょう。

現在、使用前に「よく振る」必要のあるインスリン製剤は以下のもの。

医薬品名添付文書の記載
ノボラピッド50ミックス注 フレックスペン本剤は懸濁製剤であるので、次の手順で十分に混和し均一にした後、使用すること。
・新しいフレックスペンを使用する場合は、フレックスペンを室温に戻し、図1のようにフレックスペンを手のひらにはさんで往復10回以上水平に転がす。次に図2のようにインスリンカートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように、往復10回以上振ること。液が均一に白く濁るまで、上記の懸濁操作を繰り返し行うこと。
・2回目以降は、投与前ごとに図2のように、インスリンカートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように、往復10回以上液が均一に白く濁るまで振ること。上記操作で不十分な場合は、図1と図2の懸濁操作を繰り返し行うこと。
ノボラピッド30ミックス注 フレックスペン本剤は懸濁製剤であるので、次の手順で十分に混和し均一にした後、使用すること。
・新しいフレックスペンを使用する場合は、フレックスペンを室温に戻し、図1のようにフレックスペンを手のひらにはさんで往復10回以上水平に転がす。次に図2のようにインスリンカートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように、往復10回以上振ること。液が均一に白く濁るまで、上記の懸濁操作を繰り返し行うこと。
・2回目以降は、投与前ごとに図2のように、インスリンカートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように、往復10回以上液が均一に白く濁るまで振ること。上記操作で不十分な場合は、図1と図2の懸濁操作を繰り返し行うこと。
ノボラピッド30ミックス注 ペンフィル本剤は懸濁製剤であるので、次の手順で十分に混和し均一にした後、使用すること。
・新しいインスリンカートリッジを使用する場合は、専用のインスリンペン型注入器に取り付ける前に、カートリッジを室温に戻し、図1のようにカートリッジを手のひらにはさんで往復10回以上水平に転がす。次に図2のようにカートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように、往復10回以上振ること。液が均一に白く濁るまで、上記の懸濁操作を繰り返し行うこと。
・2回目以降は、カートリッジを取り付けた専用のインスリンペン型注入器を、投与前ごとに図2のように、カートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように、往復10回以上液が均一に白く濁るまで振ること。上記操作で不十分な場合は、図1と図2の懸濁操作を繰り返し行うこと。
ヒューマログミックス25注カート/ヒューマログミックス25注ミリオペン本剤は懸濁製剤であるので、十分混和し均一にした後使用すること。混和後、沈殿物と液相が分離している場合や、液中に塊が見られた場合は使用しないこと。
ヒューマログミックス50注カート/ヒューマログミックス50注ミリオペン本剤は懸濁製剤であるので、十分混和し均一にした後使用すること。混和後、沈殿物と液相が分離している場合や、液中に塊が見られた場合は使用しないこと。
ノボリンN注フレックスペン本剤は懸濁製剤であるので、十分混和し均一にした後、使用すること。
ノボリン30R注フレックスペン/イノレット30R注本剤は懸濁製剤であるので、十分混和し均一にした後、使用すること。
ヒューマリン3/7注100単位/mL本剤は懸濁製剤であるので、気泡を生じないように注意しながら十分混和し均一にした後、使用すること。
ヒューマリン3/7注カート/ヒューマリン3/7注ミリオペン本剤は懸濁製剤であるので、気泡を生じないように注意しながら十分混和し均一にした後、使用すること。
ヒューマリンN注100単位/mL本剤は懸濁製剤であるので、気泡を生じないように注意しながら十分混和し均一にした後、使用すること。
ヒューマリンN注カート/ヒューマリンN注ミリオペン本剤は懸濁製剤であるので、気泡を生じないように注意しながら十分混和し均一にした後、使用すること。

ノボラピッドの図1、図2

ライゾデグ配合注は混ぜなくてもいい?

ライゾデグ配合注フレックスタッチは、インスリン デグルデク(トレシーバ):インスリン アスパルト(ノボラピッド)=7:3で配合された注射剤である。
そのため、使用前に攪拌が必要じゃね?と思われがちであるが、攪拌の必要はない。

インスリンの混和

インスリン製剤のうち、「中間型」「混合型」「持続型」では、製剤は白色の懸濁液になっています(ちなみに、「超速効型」「速効型」は無色透明)。

このタイプの製剤は、注射する前にバイアルを上下にゆっくり動かして液を均一に白濁させる必要があります。

それを怠るとインスリンの作用が不均一になり、思ったような効果が得られないことがあります。

懸濁インスリンを十分混和せずに注射すると、注射されたインスリン液の濃度が変わるばかりか、そのようなことを繰り返すうちに、インスリンカートリッジ内に残ったインスリン液の濃度も変わってしまいます。

カートリッジ内のインスリン製剤の濃度が変われば、作用にも影響が出る。

多くの患者が懸濁製剤の混和を忘れることが多い。

二相性インスリン製剤と中間型インスリン製剤の混ぜ方の違い

二相性インスリンアナログ製剤では、新しいものを使用する場合、室温に戻してからインスリンカートリッジを手のひらにはさんで、往復10回以上水平に転がし ます。次にインスリンカートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように往復10回以上降ります。2回目以降はインスリンカートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように往復10回以上振ってください。
中間型ヒトインスリン製剤では、二相性インスリンアナログ製剤で行う初回の作業は必要なく、インスリンカートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように往復10回以上振るだけです。

懸濁インスリン製剤の混和

患者さんが、懸濁インスリン製剤の混和を注射直前に行うことを忘れているか、行っていても簡単に済ませていることがあります。
そのような場合、インスリン濃度が一定にならないため、インスリン液量は正確でも正確なインスリン量が注射されないことがあります。

インスリンカートリッジ内には原則として空気が入っていないため、中のインスリンが動くことで結晶が撹拌されることは多くありません。
したがって、懸濁インスリン製剤のインスリンカートリッジ内に入っているガラス球を激しく動かし、中の結晶を拡散させるようにしなければなりません。

混和の仕方は、①手のひらで転がしながらガラス面に付着している結晶をはがす(ローリング)、②上下に振りながら浮遊している結晶の固まりを拡散させる、③光を通して撹拌状態を観察する、という3段階を行います。

インスリン製剤の種類によって解説書記載の混和法が異なりますが、この3段階は全ての懸濁インスリン製剤に共通して実施できます。

正しい混ぜ方

新しいカートリッジを使用する際は、手のひらにはさんで10往復程度水平に転がします。

その後、カートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように、ひじを支点に上下に往復10回以上、液が均一に白く濁るまで振ります。

2回目以降の注射では、カートリッジを注入器に取り付けたまま、上下に振る操作を行うだけでいいです。

インスリンの結晶をカートリッジのガラス面からはがして拡散させるために重要な操作です。

10回振ったから大丈夫、ではなく、十分に混和されたかを確認し、不十分であれば何回でも行う。

せっかく混和しても、約2.5分で再沈殿してくるとの報告もあるので、混和後はすみやかに注射するか、注射の直前に十分に混和されているか再度確認する。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

1 件のコメント

  • 三好 のコメント
         

    混合製剤は全て混和後の再沈殿時間は同じでしょうか

コメント


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出身大学:ケツメイシと同じ
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