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残薬調整で逆に金額が高くなった?
公開. 更新. 投稿者:調剤報酬/レセプト.この記事は約2分45秒で読めます.
5,662 ビュー. カテゴリ:残薬調整
残薬はありませんか?
処方されている薬の数が減れば、支払う金額は減るはず、と普通は思います。
しかし、薬局で残薬調整をすると、必ずしも負担金が減るわけではない。
その理由としてまず「重複投薬・相互作用等防止加算」が挙げられる。
残薬調整に係るものの場合30点の点数が加算される。3割の負担金の場合90円の負担増となる。
また、別な要因として、薬剤料のカラクリがある。
薬剤料の計算は、15円以下の場合は1点、15円を超える場合は10円又はその端数を増すごとに1点となっています。これを五捨五超入という。
ミヤBM錠や酸化マグネシウムなどの薬価は1錠5.7円なので、1日3回の用法で90日分処方された場合、
5.7円×3=17.1円 これを点数に直して2点 2点×90日分=180点となる。
もしもミヤBMと酸化マグネシウムが同じ用法で出ていた場合、5.7円×3=17.1円 17.1円×2=34.2円で、点数に直すと3点 3点×90日分=270点となる。
そして、酸化マグネシウムは便通に応じて減量していて、残薬が30日分あり、「今回は酸化マグネシウムを30日分減らしてほしい」と申し出た場合どうなるか。
酸化マグネシウム2点×60日分=120点と、ミヤBM2点×90日分=180点を合算する形になるので、120点+180点=300点となり、残薬調整したにも関わらず、270点から300点に点数アップ、負担金増となってしまっている。
また別な要因として、医師が残薬調整をする際に、「昼の飲み残しが多く残っているようだから、酸化マグネシウムを1日3回ではなく、1日2回にしよう」という調整をした場合、調剤料のカラクリが起こります。
酸化マグネシウム 5.7円×2=11.4円で1日1点。1点×90日分=90点
ミヤBM 5.7円×3=17.1円で1日2点。2点×90日分=180点
合計270点となり、残薬調整する前の点数と同じ。これに2種類が同じ用法であれば、調剤料は1剤で86点でしたが、用法が異なるため2剤となり86点×2=172点になります。
つまり、86点分点数アップとなってしまう。
残薬調整した結果、医療費増なんてシャレになりませんね。
だったら安い薬は残薬調整なんてしないほうがマシ。残薬調整するなら、処方が無くなるくらい溜まってから残薬調整したほうがよい。中途半端な残薬調整は逆効果。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
3 件のコメント
はじめまして。事務暦5年のまるみと申します。
ずっと隠れファンでしたが、
今回是非コメント残させてください。
残薬調整加算、、
調整して患者負担金が減り患者さんにも
喜んでもらえる場合はいいのですが、
今回の様なパターンが我が薬局では多いです
(逆に負担金が上がる)
なんだか、加算を算定するのが
後ろめたい気分になってしまいます。
最近入社した薬剤師は、前の薬局では
その場合は、加算は算定しなかったという
意見がでてきて、今会社ではザワザワしております
事務長and薬局長が検討するとのことでした
おまりにもタイムリーな内容だったので、
隠れファンを脱しました。
コメントありがとうございます。
また、隠れファンカミングアウトもついでにありがとうございますw
残薬調整加算については、薬局によっては調剤基本料にも影響してくる可能性があり、また薬局によっては人件費1人分くらいにも相当する影響も考えられることから、薬局長クラスになると胃が痛い問題ではあります。
個人的な考えでは、実際に残薬調整したのであれば算定すべきと考え、負担金の矛盾については現場レベルで考えることではなく、国で調剤報酬改定時に正すべきことだろうと思います。もし残薬調整をしたのに加算を算定しないというケースが多いと、「薬剤師は仕事をしていない」と国からみなされてしまいます。
薬剤師が正当な評価を下されるためにも算定要件を満たした場合は算定すべきというのが私の意見です。
お世話になります
的確なご意見ありがとうございます。
「薬剤師は、仕事をしていない」と、国から〜
この一言ですよね。
今度の改定時にその辺も見直して欲しいですが、、
当局では結局
金額が上がっても算定することになりました。
が、先日薬剤師が、間違って調整前と後の領収証を
患者さんに渡してしまい、、、
クレームです(笑)
日々色々ありますが、この仕事が好きなので
勉強していきたいと思います。
ありがとうございました。