2019年11月20日更新.3,359記事.6,226,545文字.

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COPDにモルヒネ?

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呼吸困難とモルヒネ

末期の癌患者の呼吸困難感にモルヒネが使われることがある。
癌患者のみならず、CODPによる呼吸困難感にもモルヒネが使われることがあるそうだ。

しかし、モルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」の禁忌には、
・重篤な呼吸抑制のある患者〔呼吸抑制を増強する。〕
・慢性肺疾患に続発する心不全の患者〔呼吸抑制や循環不全を増強する。〕
とあり、COPD患者は間違いなく禁忌に当たるだろう。保険適応外となる。

モルヒネ塩酸塩水和物は、COPDの重症例における呼吸困難に対するエビデンスが海外を中心に蓄積されている。

海外のメタアナリシスではCOPDを中心とした慢性呼吸器疾患に対して、経口あるいは経腸でオピオイドを投与した群で呼吸困難感、運動耐容能が有意に改善した一方、吸入療法のみを行った群では改善が認められなかった。

米国胸部学会(ATS)の呼吸器疾患の緩和治療に関するガイドラインでは、呼吸困難に対して、オピオイドは抗不安薬とともに薬物療法の主体であると位置づけている。

日本呼吸器学会が2018年に発効したCOPDのガイドラインでは、「進行したCOPD患者に対してモルヒネはその効果が確認されており、投与量を適切にコントロールすれば呼吸抑制の問題はほとんど発生しないとされる」と記載されている。

オピオイドが呼吸困難を改善するメカニズムの詳細は明らかではないが、中枢神経系における呼吸困難の近く抑制、分時換気量の減少、安静時と労作時の酸素消費量の減少、抗不安効果、肺血管抵抗低下による心負荷の軽減などが考えられている。

海外では、モルヒネの用法用量については、初期量として2.5mgを4時間ごとに使用し、症状緩和の程度に応じて増量するとの報告がある。COPD患者に対して20mg/日を投与し、プラセボ群と比較して有意に呼吸困難感を減少させ、睡眠の質を向上させたとの報告もある。こうした用量では、酸素飽和度(EtCO2)の上昇、呼吸抑制は来さないとされる。

COPDと呼吸困難

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気道で発生した慢性の炎症によって、気道の狭窄、肺胞壁の破壊、喀痰の増加を来し、気流制限を呈する疾患である。

吸い込んだ息が十分排出されないため、肺に空気がたまり、肺胞壁がより破壊されていく。このため肺は過膨張し、横隔膜が下へ進展されて動きが制限され、吸い込みが浅く大きな呼吸ができなくなる。

さらに労作時の1回換気量は制限され、呼吸困難感を感じ始める。肺胞壁が破壊されると、肺胞内で空気が喚起されていても、酸素の血液中への取り込みおよび二酸化炭素の排泄ができないガス交換障害を来す。

参考書籍:日経DI2019.10

薬剤師向けクイズ

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薬剤師

下記の経口抗凝固剤のうち、腎排泄率が最も高いものはどれか。
A. ダビガトラン
B. リバーロキサバン
C. アピキサバン
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