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向精神薬服用中にお酒を飲んでもいいか?
公開. 更新. 投稿者:統合失調症.この記事は約2分6秒で読めます.
3,994 ビュー. カテゴリ:向精神薬服用中にお酒を飲んでも大丈夫か
飲酒は統合失調症の病態を悪化させたり、アルコールと向精神薬との間に相互作用が生じることから、十分な注意が必要です。
また、アルコールで薬を服用することは絶対に避けるべきです。
アルコールも薬物であり、肝臓で代謝されます。
したがって、アルコールで薬を服用した場合、それぞれの代謝が肝臓で拮抗するため薬剤の効果が強く現れるようになります。
アルコールと向精神薬の薬物動態的相互作用において、アルコールは薬物の胃内容排出を遅延させ、薬物の吸収速度を低下させます。
その結果、肝での初回通過効果は亢進して、薬物の生体内利用率は低下します。
また、少量のアルコールは肝血流を増加させ、薬物のクリアランスを上昇させます。
このようなことから向精神薬はアルコールと相乗作用を起こすため、注意が必要です。
アルコールとベンゾジアゼピン系薬
大量のベンゾジアゼピン系薬剤をアルコールで服用し、呼吸麻痺で死亡した例も報告されています。
アルコールはその摂取量、摂取期間、肝障害の有無などにより、薬物代謝にさまざまな影響を及ぼします。
少量では薬物吸収を促進し、大量では遅延させます。
急性飲酒では肝臓での代謝酵素が抑制され、ベンゾジアゼピン系薬剤の血中濃度は上昇し、慢性飲酒では逆に血中濃度は低下するといわれています。
アルコールと抗精神病薬
抗精神病薬に関してはアルコールとの相互作用の報告は多くありませんが、ハロペリドール服用群ではアルコールの血中濃度が上昇したが、クロルプロマジン服用群ではそのような結果は得られなかったという報告があります。
一方で、クロルプロマジンはin vitroにおいてアルコール脱水素酵素(ADH)を阻害し、アルコールの代謝を阻害したとの報告もあります。
また、クロルプロマジンとアルコールとの併用では運動機能の大きな障害を認めますが、チオリダジンやスルピリドでは認められないことも報告されています。
抗精神病薬を服用し安定していた患者が、アルコールを摂取しアカシジアやジストニア反応がみられたという報告もあります。
アルコールと抗うつ薬
アルコールの急性摂取はアミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、トラゾドン、ミアンセリンの鎮静作用を増強し、ふらつきや抗コリン活性の上昇によると考えられる記銘力障害も増強されたという報告があります。
フルボキサミンはアルコールの作用を増強させるとの報告もあります。
また、慢性摂取ではCYPの酵素誘導をもたらし、多くの向精神薬の代謝を促進し、薬理作用を減弱させると考えられます。
抗てんかん薬とアルコール
カルバマゼピンの血中濃度は長期アルコール摂取者では代謝の減弱により上昇しますが、健常者の単回投与では上昇しません。
また、慢性的なアルコール摂取者では抗てんかん薬の代謝が亢進しているため、アルコールの中断に際しては血中濃度のモニターが必要となります。
参考書籍:向精神薬の新世紀
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1 件のコメント
ありがとうございます。
参考書籍が誤変換では。