記事
鉄剤で歯が黒くなる?
公開. 更新. 投稿者:血液/貧血/白血病.この記事は約1分23秒で読めます.
6,240 ビュー. カテゴリ:鉄をお茶で飲んじゃダメ?
以前から、鉄剤を服用している患者には、お茶を飲んではいけないという指導が行われており、一般にも広く知られている。
これは、お茶に含有されるタンニンと鉄イオンが難溶性のキレートを形成し、消化管からの鉄の吸収が低下するからである。
鉄剤の添付文書でも、「タンニン酸を含有する食品等」が併用注意になっている。
しかし実際には、鉄の吸収効率を考えて「お茶で飲まないように」という指導をするよりも、服薬を継続させることの方が重要だという意見も多くなっている。
実際、現在使用されている鉄剤は鉄含有量が多いため、お茶の影響で鉄剤の吸収が多少低下しても、治療効果には影響がないと考えられている。
このような考えから、お茶の服用を禁じないだけでなく、あえて「お茶と一緒でも構わない」と話し、食後の服用を習慣づけるという指導も行われている。
歯が着色する薬
鉄剤をお茶で服用すると、歯が黒褐色に着色する。
テトラサイクリン系の薬でも歯牙着色という副作用があるが、これは歯そのものの着色であるが、鉄剤による着色は洗い流すことができる。
以前フェロミアの添付文書には、「歯が一時的に着色(茶褐色)することがある。その場合には、重曹等で歯磨きを行う。」という記載があったが、今は「歯又は舌が一時的に着色(茶褐色等)することがある。その場合には、重曹等で除去する。」となっている。
歯牙着色の機序は不明な部分もあるが、鉄とタンニンが反応して生成されるタンニン酸第三鉄は、いわゆる「おはぐろ」に使われる黒い色素と同じ成分であることから、鉄剤とタンニンを含む緑茶などを同時に服用することで、タンニン酸第三鉄が歯の表面に付着するものと推測される。
重曹歯磨き粉も売っているが、普通の歯磨き粉よりも高めなので普段から使っている人は少ないだろう。
鉄剤で歯が黒くなったという人には勧めてみよう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。