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男性がなりやすい病気、女性がなりやすい病気
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約6分0秒で読めます.
3,990 ビュー. カテゴリ:男性と女性は体の構造が違うので、男性がなりやすい病気、女性がなりやすい病気というものがある。
痛風は男性の病気?
痛風は圧倒的に男性に多い病気です。
1992年の東京女子医大の調査では男性が98.5%で女性はわずか1.5%でした。
女性ホルモンに腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあるからだと言われています。
女性ホルモンと尿酸
高尿酸血症・痛風は成人男性に多い疾患とされるが、その理由の1つは女性ホルモン(エストロゲン)に尿酸排泄作用があるためである。
したがって女性の場合、閉経後に女性ホルモンの減少に伴って尿酸値が高くなるケースがある。
偽痛風
痛風患者の99%は男性です。
女性の痛風患者というのは見たことがありません。
が、痛風と似た症状を呈する病気の偽痛風は女性に多い傾向があります。
痛風の原因は尿酸ですが、偽痛風の原因はピロリン酸カルシウムです。
パーキンソン病は女性に多い?
性差のある病気として、
男性に多い病気:痛風、アルコール性肝炎、膀胱がん、心筋梗塞、肝臓がん、尿路結石、慢性閉塞性肺疾患、胃がん、呼吸器がん
女性に多い病気:骨粗鬆症、甲状腺炎、膀胱炎、全身性エリテマトーデス、鉄欠乏性貧血、自律神経の障害、シェーグレン症候群、関節リウマチ
ホルモンの影響、社会的環境の違いによる影響、などが考えられる。
膀胱炎は尿道の短い女性に多い。
貧血は月経のある女性に多い。
もちろん前立腺は男性、乳房や子宮、膣など女性にしかない部位の病気は異性がかかることはない。
男性に多い病気は生活習慣病的なものが多いと言われているが、男女平等により女性の生活習慣も男性に近づいてきており、女性の生活習慣病も増えている。
パーキンソン病に性差はあるのか?
発症年齢のピークは、50歳台後半から60歳台にあります。
従って比較的高齢の方に多いといえます。しかし、例外的に20歳台から発症する方や、
80歳を越えてから発症される方もあります。男女比は、日本では女性の方が長生きされるので、
女性の方が少し多いですが、発症頻度は男女同数です。 パーキンソン病 (PD)
パーキンソン病 (PD)
女性のほうが長生きするから、多く見えるだけ。
加齢とともに発症率が上がる病気は全て女性のほうが多いと言えるのかもしれない。
100歳超えたらみんなパーキンソン病?
パーキンソン病は、神経伝達物質の1つであるドパミンの産生が減少することで発症します。
ドパミンの原料はチロシンで、チロシンはチロシン水酸化酵素(TH)の働きでドーパに、ドーパはドーパ脱炭酸酵素(DCC)によってドパミンになります。
パーキンソン病では、何らかの原因でTHの活性が低下して、ドパミンの産生が急激に低下していくのです。
脳内のドパミンは20歳頃がピークで、加齢とともに減少します。
そのため、50歳前後になると20歳頃の俊敏さは失われ、80歳前後になると50歳頃よりさらに動きが緩慢になります。
一般に、ドパミンがピーク時の20%以下になると、パーキンソン症状が出現するといわれていますので、健常者でも100歳を超えるとパーキンソン症状がみられることになります。
水虫が多いのは男性?女性?
男性の病気というイメージの強い水虫ですが、実は患者の約半数は女性。
特に爪水虫は、足の水虫と併せて発症する女性が増えているといわれています。
爪水虫になると、爪が白く濁ったり、白い筋ができたりします。
初期段階はほとんど自覚症状がないため、知らないうちに病気が進行。
爪全体が黄白色に変わり、厚ぼったくなって欠けていき、ボロボロになってしまいます。
爪水虫が女性に増加中のわけ
原因1:ハイヒール
つま先が靴に圧迫され、傷ついた皮膚から菌が入りやすくなる。
原因2:マニキュア&ペディキュア
爪を傷めやすく、爪水虫を引き起こしたり、悪化させる原因に。
原因3:ストッキング
通気性が悪く、水虫菌が繁殖しやすい。
爪がボロボロの原因は水虫?
小指の爪が白く変形して濁っているということで皮膚科を訪れる方がいます。
それは靴などの外力によって起こっている場合が多く、あまり治療対象になりません。
水虫が中指や人指し指だけにあって、足の親指にないというは珍しいです。
一番圧迫を受けたり変形する親指に白癬菌は入りやすいのです。
水虫には5本指ソックスをはくと良い?
水虫の場合、5本指ソックスをはくと良いと言われます。
逆に蒸れそうな気もしますが、個々の指の接触も防げるし、周りに白癬菌をばらまきにくいし、末端を温めて血行促進すれば皮膚の再生促進にもつながる、ような気もする。
それ以上に効果的なのは、1日複数回靴下を交換することです。
男性よりも女性のほうが心臓病になりやすい?
Framingham StudyによるとCVD(心血管疾患)の発症頻度は、50歳以前では男性が女性の3~4倍高率であるのに対し、それ以降、女性の頻度が急激に増加し、70歳代後半でほとんど男女差がなくなるこっとが示されています。
我が国の心疾患による死亡率の男女比でも50歳以前では男性が高率で推移しますが、以後女性が急増し、最終的には男性の死亡率に追いつきます。
50歳は女性の平均閉経年齢であるので、エストロゲン濃度の低下がCVDの大きなリスクになると考えられています。
女性は痔になりやすい?
痔は生活習慣病で、日常生活の影響が反映される病気です。
予防としては、肛門部への過度の負担とストレスに注意するとともに、長時間の座位は避けて、軽い運動を心がけ、刺激性のある食べ物は避けるように注意します。
女性は男性に比べ、女性ホルモンの関係から便秘しやすいことが痔の大きな原因の一つとされています。
女性に切れ痔が多いのも、便秘が多いからと考えられています。
特に妊婦の場合は、大きくなった子宮が直腸を圧迫し、肛門近辺の血行が悪くなったりするため、肛門に大きなダメージを与え、内痔核や外痔核などの、いわゆるいぼ痔の大きな原因となります。
女性は便秘になりやすい?
便秘に悩む女性は多い。
女性は男性に比べて、腹筋が弱いので便秘になりやすい、ということはよく言われます。
それだけでなく、女性ホルモンも影響しているのです。
女性ホルモンのひとつ、黄体ホルモン(プロゲステロン)が、大腸の働きを抑制することが便秘の原因の一つといわれている。
プロゲステロンには大腸平滑筋を弛緩させ、腸管運動を抑制する作用があるために便秘が生じやすくなります。
女性には、ダイエットや偏食が原因の便秘が比較的多い。
これは、食事量が減ると腸への刺激が弱くなり、内容物が腸にたまりがちになるためだ。
特に食物繊維の摂取量が減ると、便の量が少なくなる。
また、排便時に必要な腹筋が弱い人も便秘になりやすい。
このほか月経に伴う便秘に悩む人も少なくない。
さらに、女性特有の疾患である子宮内膜症や帝王切開術後などにより、子宮や卵巣、腸、膀胱などの臓器同士が癒着することで消化管の蠕動運動が低下したり、子宮筋腫や骨盤臓器脱などによって腸管が圧迫されることが、便秘を引き起こす一因になることもあります。
妊婦は便秘になりやすい?
妊娠することによって黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌は亢進します。その結果、黄体ホルモンによる腸管の平滑筋弛緩作用、蠕動運動抑制作用によって腸管の運動は不良になり、便秘になりやすくなります。
男性と便秘
男性の場合は、精神的ストレスから腸管が過緊張になり、スムーズに排便できないというケースが多い。
小児と便秘
小児では、朝食をしっかり食べないことで腸の反射が低下し、腸の蠕動運動が始まらず便秘になることが多い。
このほか、学校で排便することへの恥ずかしさのため便意を我慢してしまい、慢性的に便意を感じなくなることがある。
高齢者と便秘
高齢者には、加齢による消化管機能の低下が見られる。
排便回数は少ないほうが安全?
便秘というのは困りますが、哺乳類にとって排便というのはリスクを伴う行為です。
高体温で多量の食物を必要とする哺乳類は、便臭も強く食肉獣の犠牲になる危険性が大でした。
残渣を減らして約1日分を貯留できる大腸の発達により弱点を克服したのです。
参考書籍:調剤と情報2012.8、日経DI2012.4
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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1 件のコメント
男性でも、ごくまれに乳癌になりますよ。