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パーキンソン病患者にアリセプト使っちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:認知症.この記事は約1分19秒で読めます.
3,734 ビュー. カテゴリ:パーキンソン病とアルツハイマーとアセチルコリン
アリセプト(ドネペジル)はパーキンソン病に慎重投与となっている。
錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者
〔線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を誘発又は増悪する可能性がある。〕
アルツハイマー病では脳内のアセチルコリンが減少しており、そのためアセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)を阻害するアリセプトなどが使われる。
パーキンソン病では脳内のドーパミンが減少し、相対的にアセチルコリンが増加している状態で、抗コリン薬が治療に使われる。
つまり逆の治療が行われる。
レビー小体型認知症とアリセプト
アリセプトはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症に対して適応を持ちます。
レビー小体型認知症ではパーキンソン症状もみられる。
パーキンソン症状は、手足の震えや筋肉のこわばり、動きの鈍化などの症状を指し、線条体におけるドパミンの減少により引き起こされると考えられている。線条体においてドパミンは、黒質緻密部から伸びたドパミン作動性神経から放出され、ドパミンD2受容体を介してアセチルコリン作動性神経の活性を抑制する。
一方で、線条体におけるアセチルコリンはGABA作動性神経を活性化することで淡蒼球におけるGABA作動性神経を抑制する。淡蒼球内節のGABA神経は視床のグルタミン酸神経を抑制することで運動野を不活性化し、運動機能を負に調節してしまう。したがって、アリセプトにより線条体におけるアセチルコリンの量が増加すると運動機能がより抑制され、パーキンソン症状が悪化すると考えられる。
レビー小体型認知症患者においてパーキンソン症状がみられた場合、症状の進行なのか、薬剤性によるものなのかを判断しなければいけない。
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