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アセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼの違いは?
公開. 更新. 投稿者:認知症.この記事は約2分60秒で読めます.
6,438 ビュー. カテゴリ:ブチリルコリンエステラーゼ
アセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼって何が違うの?
リバスチグミン(イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ)の作用機序には、「リバスチグミンは、アセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼの両者を選択的に阻害することにより、アセチルコリン濃度を高めコリン作動性神経伝達を促進する。」と記載されており、アセチルコリンエステラーゼだけでなくブチリルコリンエステラーゼにも働くのが特徴である。
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)は神経組織、赤血球などに存在し、コリン作動性神経(副交感神経、運動神経、交感神経の中枢~神経節)の神経伝達物質アセチルコリンを酢酸とコリンに分解する。
ブチリルコリンエステラーゼ(BuChE)は肝臓、血清などに存在し、AChを含む様々なコリンエステル類を分解する。健康診断などで検査されるChEは、こちらの方である。高値の場合はネフローゼ症候群、脂肪肝など、低値の場合は肝硬変、肝炎、有機リン系薬物中毒(有機リン系の農薬中毒、サリンなどの神経ガス中毒)などが疑われる。
中枢神経のブチリルコリンエステラーゼは、アルツハイマー型認知症との関係が注目されており、この酵素がAβタンパクの沈着過程に関与し、病態の進行に伴ってその影響が大きくなることが指摘されています。
リバスチグミンは、アセチルコリンエステラーゼとともにブチリルコリンエステラーゼ阻害作用を併せ持つ薬剤であり、神経変性に対する作用も期待できる。
リバスチグミンの特徴
リバスチグミンはフェニルカルバメート系のAChE阻害薬で、AChE阻害作用だけでなくブチルコリンエステラーゼ(BuChE)阻害作用も有しているといわれています。
非ADの脳ではChE活性の大部分はAChE活性が低下し、グリア細胞の増生のためにBuChE活性の上昇が見られることが知られています。
つまり、減少したAChがBuChEの分解作用でさらに減少するのではないかと考えられており、その意味でBuChE阻害作用を併せ持つ同剤の臨床的有効性が期待されているのです。
また、同剤はパッチ剤(貼付剤)のため、介護者が直接貼付できることからコンプライアンスの向上も期待されています。
ドネペジルとサリンは仲間?
認知症治療薬のドネペジルはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬という薬効分類の薬であり、これは地下鉄サリン事件で使われたサリンと同じ分類の薬である。
しかし、サリンがアセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼを不可逆的に阻害するのに対し、ドネペジルはアセチルコリンエステラーゼを可逆的に阻害する。つまり、アリセプトの方が効果が低いため、副作用がサリンよりも少ないと考えられる。
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