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リバスタッチが食欲不振に効く?
公開. 更新. 投稿者:認知症.この記事は約1分29秒で読めます.
9,562 ビュー. カテゴリ:リバスチグミンが食欲不振に効く?
食欲には、食欲抑制ホルモンであるレプチンと、食欲増進ホルモンのグレリンが関係している。
グレリンは、シナプス密度の増加や、信号伝達が持続的に向上する長期増強(Long Term Potentiation:LTP)、記憶の増強の作用を持つことが報告されている。
実際、アルツハイマー型認知症の患者の脳内では、グレリンが減少していることも指摘されている。
リバスチグミンは、ブチリルコリンエステラーゼを阻害することで、グレリンの分解を抑制し、食欲を改善させる可能性があることが示唆されている。
食欲増進作用が報告されている薬剤はほかにもあるが、その機序は様々である。
多くの抗精神病薬には体重増加の報告があるが、例えば、オランザピン(ジプレキサ)は、セロトニン5-HT2C受容体やヒスタミンH1受容体の遮断作用が、グレリンの分泌を促進して、食欲を増進させると考えられている。
六君子湯は構成生薬であるチンピ、ニンジン、ショウキョウに含まれるフラボノイド、クマリンおよびフェノール類が、セロトニン5-HT2Bおよび5-HT2C受容体に拮抗することで、グレリン分泌促進作用を示すことが明らかになっている。
メトクロプラミド(プリンペラン)やドンペリドン(ナウゼリン)のように、抗ドパミン作用により消化管運動を促進させて食欲を増進させる薬剤もある。
シプロヘプタジン塩酸塩水和物(ペリアクチン)も、ヒスタミンH1受容体やセロトニン受容体の遮断作用により食欲増進を惹起するとされ、かつて「食欲不振・体重減少の改善」に対する適応があった。
だが、「有効性を示す根拠がない」として、1996年に効能・効果から削除された。
リバスタッチ/イクセロン
リバスチグミンは、脳内のアセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼの両酵素を阻害することにより、脳内のアセチルコリンの分解を抑制する。
その結果、アセチルコリンによる神経伝達を賦活化し、認知機能の進行を抑制する。
参考書籍:日経DI2019.2
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