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てんかんの点鼻薬?スピジア点鼻液
公開. 更新. 投稿者:てんかん.この記事は約1分25秒で読めます.
73 ビュー. カテゴリ:スピジア点鼻液

スピジア点鼻液という、てんかん発作時に使う点鼻液というのが2025年6月に製造販売承認された。しかし2025年10月現在、まだ薬価収載はされていないようだ。
スピジア点鼻液の成分はジアゼパム。
発作時に使用するダイアップ坐剤のようなものだ。デバイスの形状としてはイミグラン点鼻液と同じような形である。
てんかん発作時にはもちろん自分で使うことはできないので、家族や介助者が投与することになる。お尻から坐薬として投与するより、点鼻薬のほうが簡便でよい。
ダイアップ坐剤の適応は「小児に対して次の目的に用いる:熱性けいれん及びてんかんのけいれん発作の改善」となっており、小児の熱性痙攣にも使えるが、スピジア点鼻液の適応症は「てんかん重積状態」なので、熱性痙攣には使えない。
ダイアップ坐剤は小児用であるが、スピジア点鼻液には5㎎・7.5㎎・10㎎と3規格あり、大人でも10㎎を2回使うことで成人適応もある。
2噴霧使用する場合「両方の鼻腔1回ずつ」となっており、同じ鼻腔には使わない点に注意する必要がある。

点鼻時の姿勢についてはどのような体勢でも良いようです。普通の点鼻薬だと上体を起こして点鼻しますが、てんかん発作時には無理に起こすことはせず寝たままの姿勢で点鼻液を使えます。
小児のてんかん患者にダイアップ坐剤の処方はよく見かけられましたが、それに代わって処方されてくるのでしょうか。
ダイアップ坐剤が50個入りの包装なので、よく期限切れを起こしていますが、スピジア点鼻液は1本入りの包装なのでその点は有難い。でも3規格の在庫をそろえておくのは負担。まあ、すぐに使うわけではないので、処方が出てから発注する形でも間に合うだろう。
現場のニーズも高そうなので、ジアゼパムといった昔から存在する薬をデバイスを工夫して提供するという形も良いですね。アンメット・メディカル・ニーズ=いまだ満たされていない医療ニーズというらしい。