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インスリン1単位はどのくらい血糖値を下げるか?
公開. 投稿者:糖尿病.この記事は約4分12秒で読めます.
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インスリン1単位でどのくらい血糖値が下がるか?
健康な人の血糖値は空腹時で80~100mg/dL程度。
空腹時血糖が126mg/dlを超えると糖尿病。
空腹時に限らず(随時血糖値)200mg/dLを超えれば糖尿病。食後2時間経過しても血糖値が140mg/dL以上なら境界型。
血糖値が60~70mg/dl以下になると低血糖症状が出てくる。
血糖値が500mg/dlを超えてくると、高血糖による意識障害など出てくることあり。
例えばインスリン1単位が10mg/dlくらい血糖値を下げる、とかの目安があれば、インスリンの使用量が決めやすいのになあ、と思いますが、インスリン1単位がどの程度血糖値を下げるかについては個人差が大きいため、実際にインスリン注射後に血糖値を測定して確認するしかありません。
インスリンの量はどのくらいから始める?
インスリン量の決め方は、患者の状態によって異なりますが、通常は患者の体重を参考に、1日の全量を決定します。
目安として、普通、体重1kgに対して、0.8~1.0単位が必要です。体重50kgの人であれば、1日のインスリン量は40~50単位となります。このうちの40%を基礎インスリン分として、残り60%を3回に分けて食前に打ちます。これが基本的なインスリン量と打ち方です。
しかし、糖尿病診療ガイドライン2016には、2型糖尿病のインスリン療法開始時の1日のインスリン投与量の目安について、1日0.1~0.2単位/体重(kg)程度であると記載されています。
本人の膵臓からのインスリン分泌量がどの程度残っているかわからないので、少ない量から始めて徐々に調整していきます。
インスリンの使用単位数の上限は?
速効型のインスリン製剤と持続型のインスリン製剤を併用している患者さんで、トータルの使用単位数が100近い患者さんもみかける。
インスリン製剤の使用単位数の上限とはどのくらいなのだろうか?
健常者で1日に分泌されるインスリン量は24~37単位(平均31単位)で、超肥満の非糖尿病では114単位の例もあったという。
このような健常者の成績をもとに、インスリンがほとんど分泌されていないと思われる糖尿病の人には1日体重kg当たり0.5~0.7単位を注射すると言われている
健常者でも30単位くらいの分泌ということは、それ以上インスリンを補充する必要があるのか疑問に思う。
しかし、肥満があるとインスリン抵抗性があって、インスリンを補充しても効きにくいという状況がある。
各インスリン製剤の用量をみると、
アピドラ:中間型又は持効型溶解インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4~100単位である。
ノボラピッド:持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日4~100単位である。
ランタス:その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
レベミル:他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
トレシーバ:他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
ノボラピッド30ミックス:投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。
上限は80単位だったり、100単位だったり様々。
インスリンの使用単位数で保険請求上の指摘を受けたことはない。
インスリンの1単位は何ミリグラム?
インスリンの量は「単位」で示されます。
普通、薬の量はグラム、重量で示されますが、インスリンの場合は単位。
この「単位」は、医薬品の生物学的活性の強さを示しています。
つまり、どのくらい効くか、というスケール。
なぜ重量じゃないのか。
ホルモンは微量だから、重量を量りにくい。
しかも製造技術や精製技術によって、製品ごとのバラつきが大きい。
今現在は技術も進歩して、だいたい1mg=26単位、1単位=0.0353mgらしいです。
で、1単位を決めるインスリンの強さとは
「24時間絶食した約2kgのウサギの血糖を3時間以内に低血糖痙攣レベル0.045%(45mg/dL)にまで下げる量のインスリン」
ウサギの血糖値が45mg/dl以下になると、ほぼ低血糖けいれんを起こすらしい。
Q: インスリンの1単位は何mgか?
A: インスリン国際標準品は,ヒトインスリン26単位/mg,ウシインスリン25.7単位/mgと定義されている。日本薬局方ではインスリン乾燥物に対し1mg当たり26単位以上を含み,乾燥減量は1%以上と規定されている。乾燥減量を8%と仮定すると,1mgは28.3単位となるので,1単位は0.0353mgとなる。
スライディングスケール
スライディングスケールという測定した血糖値によりその時点で注射するインスリン量を変える方法もあります。
血糖値(mg/dL) | 速効型または超速効型インスリンの皮下注射量 |
---|---|
<80 | 0単位。さらにブドウ糖10gを経口摂取 |
80〜139 | 0単位 |
140〜200 | 2単位 |
201〜250 | 4単位 |
251〜300 | 6単位 |
>301 | 8単位 |
このスライディングスケールを用いて追加インスリンを決めるのも、問題があります。血糖が低いとインスリンが少なくなり、その後血糖上昇を来し、血糖が高いとインスリン量が多くなり、その後血糖低下を来す。そのため却って血糖コントロールが不安定になります。
シックデイとインスリン投与量の決定
患者さんは、いつも自分自身の事について観察、記録していることが大切です。
シックデイでは、インスリンの投与量は通常よりも多くなります。
具体的には、自己血糖測定をしている方は、各食前および就寝前に測定しましょう。
その結果、血糖が150~200mgdL、または尿糖が±であれば通常のインスリンに加えて2単位の速効型インスリンを追加注射し、血糖が200mg/dL以上、又は尿糖が+~++以上であれば、4~6単位のインスリンを追加します。
具体的なことは、患者さん一人一人によって異なりますので、外来で医師に詳しくお聞きください。
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