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キネダック食後投与はダメ?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分19秒で読めます.
4,170 ビュー. カテゴリ:キネダックの用法は食前?
キネダック錠(エパルレスタット)はグルコースをソルビトールへ変換するアルドース還元酵素阻害薬で、ソルビトールの神経内細胞蓄積を抑制し、糖尿病性末梢神経障害に伴うしびれ感、疼痛等を改善します。
健常成人男子10例に本剤50mgを食前30分、食後30分に単回投与した時、食前投与に比べ、食後投与では、Tmaxの遅延(1.05時間→1.45時間)、Cmaxの約30%低下(3,896ng/mL→2,714ng/mL)、AUCの低下(6435ng・hr/mL→5893ng・hr/mL)が認められました。
食後投与ではエパルレスタットが有効血中濃度に到達する前にすでに血糖値が上昇してしまい、アルドース還元酵素阻害作用が十分に発揮されないと考えられます。
しかし、飲み忘れるより効果が弱くても飲んだほうがいいだろう、ということで、あえて食後で処方してくる医師もいます。
しびれの原因はソルビトール?
ブドウ糖(グルコース)のアルデヒド基が還元されて、ソルビトールになる。
アルデヒド基をもつ単糖類の総称をアルドースと言い、グルコースもアルドース。
アルドースを還元する酵素がアルドース還元酵素。
アルドース還元酵素を阻害する薬がキネダック。
糖尿病によっておこりやすい網膜障害、腎臓障害、末梢神経障害は三大合併症といわれていますが、これらの眼、腎臓、末梢神経の細胞は、インスリンがなくても細胞内にブドウ糖を取り込むため、血糖値が上がるとブドウ糖がどんどん細胞内に入ってきてしまいます。そこで、余分なブドウ糖が増えると、アルドース還元酵素という酵素を活性化し、ブドウ糖をソルビトールに変えていきます。
ソルビトールとはブドウ糖の還元によってできる糖アルコールの一種で、血糖値が正常な時は果糖へと変換されますが、血糖値が高いと果糖へと変換できなくなり、神経細胞の中に蓄積されていきます。ソルビトールが増えると細胞内に大量の水が呼び込まれて、いわば砂糖水漬けとなり、最終的には細胞が壊死してしまいます。糖尿病の合併症にも効果的、サラシア驚きのパワー|富士フイルム ヘルスケア未来研究所
ソルビトールは末梢神経障害のみならず、網膜症、腎障害にも影響を及ぼすのかな。
まあ、いずれにせよ、キネダックの処方頻度は少ないので、その効果はあまり期待されていないようだ。
アルドース還元酵素阻害薬
アルドース還元酵素を特異的に阻害し、神経内ソルビトールの蓄積を抑制することにより、糖尿病性末梢神経障害における自覚症状及び神経機能異常を改善する。
高血糖によって生ずる細胞内ソルビトール蓄積を減少させる作用があり、現在エパルレスタット(キネダック)が糖尿病合併症としての疼痛、しびれなどに使用されている。
排泄代謝物は尿を赤色に着色するので患者に説明する必要がある。
本剤が有効であるためには標的細胞に不可逆的変化が生じていないことが大切である。
キネダックの特徴は?
エパルレスタットは、アルドース還元酵素を特異的に阻害することで、神経内ソルビトールの蓄積を抑制し、末梢神経障害の症状を改善する。
この作用は血糖値が高い時に強く発揮されることが試験で報告されており、本剤は食前投与とされている。
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