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飲酒運転したら薬剤師免許剥奪?
公開. 更新. 投稿者:薬局業務/薬事関連法規.この記事は約2分28秒で読めます.
6,496 ビュー. カテゴリ:欠格事由
薬剤師免許の欠格事由については、薬剤師法に以下のように記載されている。
(絶対的欠格事由)
第四条 未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許を与えない。(相対的欠格事由)
第五条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者
「絶対的欠格事由」は「免許を与えない」ということで、絶対ダメ。
「相対的欠格事由」は「免許を与えないことがある」とのことで、場合によってはOK。
行政処分
欠格事由に該当し、処分を受ける場合に、相対的欠格事由に該当する場合であれば、「免許取り消し」以外にも「業務停止」「戒告」といった処分が下されることがある。
業務停止はわかりますが、「戒告」とはなんぞや?仕事できるのかな?
戒告とは?:口頭か文書で、警告としてくだされる処分
ということなので、注意されるという程度。仕事は続けられる。
ニュースで薬剤師の「免許取り消し」や「業務停止」という言葉をみかけることがある。基本的に、薬事に関する犯罪や不正に絡んだ処分しかあまり目にしないが、業務外の違法行為でも薬剤師免許剥奪という処分が下される可能性があるので注意が必要だ。
免許取り消し
・窃盗
・準強制わいせつ
・監禁
・覚せい剤取締法違反
・大麻取締法違反
・麻薬及び向精神薬取締法違反
・銃刀法違反
・危険運転致死傷
・医療用医薬品を不正に販売した上、調剤報酬の不正請求を行った薬剤師
・自身が経営する薬局で、覚せい剤と麻薬を含む錠剤50錠を不法に譲り受け、4回に渡り知人2人に6錠を販売した薬剤師
業務停止
・調剤報酬の不正請求
・要指示薬の不正販売
・処方箋なしの不正販売を行った管理薬剤師(1年間)
・他薬局から譲渡されたC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品を患者に調剤した薬剤師(3か月)
・薬事法で禁止されている医療用医薬品のインターネット販売の中止を求める業務改善命令書を受領したにもかかわらず、販売を継続した薬剤師(3か月)
・調剤報酬の不正請求、薬剤師不在時の無資格者による調剤黙認に加え、大量の向精神薬を疑義照会しないまま調剤した薬剤師(3年間)
・医療機器として厚労相の承認を受けていない商品「バイオラバー」を「癌治療・予防」の効能をうたって販売していた3人の薬剤師(1~3か月)
飲酒運転やスピード違反をしたくらいで薬剤師免許が取り消しになることは考えにくいが、それによって事故を起こし人を殺めてしまったりしたら、なんらかの処分が下されるだろう。
処分の重軽については、薬剤師法第一条を読むとなんとなくわかる。
「第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」
「国民の健康な生活を確保する」のが薬剤師なのである。
それが逆に国民から健康を奪うような行為は、薬剤師の信頼を失墜させる裏切り行為なのである。
「薬剤師免許が取り消される」という状況はなってみないと実感しないかも知れないが、「業務停止3か月」であろうと3か月間薬剤師として働けないという状況は、生活の糧を奪われることになるわけなので、深く後悔するであろうということは想像できる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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