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インスリン1単位はどのくらい血糖値を下げるか?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約8分8秒で読めます.
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インスリン1単位でどのくらい血糖値が下がるか?
健康な人の血糖値は空腹時で80~100mg/dL程度。
空腹時血糖が126mg/dlを超えると糖尿病。
空腹時に限らず(随時血糖値)200mg/dLを超えれば糖尿病。食後2時間経過しても血糖値が140mg/dL以上なら境界型。
血糖値が60~70mg/dl以下になると低血糖症状が出てくる。
血糖値が500mg/dlを超えてくると、高血糖による意識障害など出てくることあり。
例えばインスリン1単位が10mg/dlくらい血糖値を下げる、とかの目安があれば、インスリンの使用量が決めやすいのになあ、と思いますが、インスリン1単位がどの程度血糖値を下げるかについては個人差が大きいため、実際にインスリン注射後に血糖値を測定して確認するしかありません。
インスリンの量はどのくらいから始める?
インスリン量の決め方は、患者の状態によって異なりますが、通常は患者の体重を参考に、1日の全量を決定します。
目安として、普通、体重1kgに対して、0.8~1.0単位が必要です。体重50kgの人であれば、1日のインスリン量は40~50単位となります。このうちの40%を基礎インスリン分として、残り60%を3回に分けて食前に打ちます。これが基本的なインスリン量と打ち方です。
しかし、糖尿病診療ガイドライン2016には、2型糖尿病のインスリン療法開始時の1日のインスリン投与量の目安について、1日0.1~0.2単位/体重(kg)程度であると記載されています。
本人の膵臓からのインスリン分泌量がどの程度残っているかわからないので、少ない量から始めて徐々に調整していきます。
インスリンの使用単位数の上限は?
速効型のインスリン製剤と持続型のインスリン製剤を併用している患者さんで、トータルの使用単位数が100近い患者さんもみかける。
インスリン製剤の使用単位数の上限とはどのくらいなのだろうか?
健常者で1日に分泌されるインスリン量は24~37単位(平均31単位)で、超肥満の非糖尿病では114単位の例もあったという。
このような健常者の成績をもとに、インスリンがほとんど分泌されていないと思われる糖尿病の人には1日体重kg当たり0.5~0.7単位を注射すると言われている
健常者でも30単位くらいの分泌ということは、それ以上インスリンを補充する必要があるのか疑問に思う。
しかし、肥満があるとインスリン抵抗性があって、インスリンを補充しても効きにくいという状況がある。
各インスリン製剤の用量をみると、
アピドラ:中間型又は持効型溶解インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4~100単位である。
ノボラピッド:持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日4~100単位である。
ランタス:その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
レベミル:他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
トレシーバ:他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
ノボラピッド30ミックス:投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。
上限は80単位だったり、100単位だったり様々。
インスリンの使用単位数で保険請求上の指摘を受けたことはない。
インスリンの1単位は何ミリグラム?
インスリンの量は「単位」で示されます。
普通、薬の量はグラム、重量で示されますが、インスリンの場合は単位。
この「単位」は、医薬品の生物学的活性の強さを示しています。
つまり、どのくらい効くか、というスケール。
なぜ重量じゃないのか。
ホルモンは微量だから、重量を量りにくい。
しかも製造技術や精製技術によって、製品ごとのバラつきが大きい。
今現在は技術も進歩して、だいたい1mg=26単位、1単位=0.0353mgらしいです。
で、1単位を決めるインスリンの強さとは
「24時間絶食した約2kgのウサギの血糖を3時間以内に低血糖痙攣レベル0.045%(45mg/dL)にまで下げる量のインスリン」
ウサギの血糖値が45mg/dl以下になると、ほぼ低血糖けいれんを起こすらしい。
Q: インスリンの1単位は何mgか?
A: インスリン国際標準品は,ヒトインスリン26単位/mg,ウシインスリン25.7単位/mgと定義されている。日本薬局方ではインスリン乾燥物に対し1mg当たり26単位以上を含み,乾燥減量は1%以上と規定されている。乾燥減量を8%と仮定すると,1mgは28.3単位となるので,1単位は0.0353mgとなる。
スライディングスケール
スライディングスケールという測定した血糖値によりその時点で注射するインスリン量を変える方法もあります。
血糖値(mg/dL) | 速効型または超速効型インスリンの皮下注射量 |
---|---|
<80 | 0単位。さらにブドウ糖10gを経口摂取 |
80〜139 | 0単位 |
140〜200 | 2単位 |
201〜250 | 4単位 |
251〜300 | 6単位 |
>301 | 8単位 |
このスライディングスケールを用いて追加インスリンを決めるのも、問題があります。血糖が低いとインスリンが少なくなり、その後血糖上昇を来し、血糖が高いとインスリン量が多くなり、その後血糖低下を来す。そのため却って血糖コントロールが不安定になります。
シックデイとインスリン投与量の決定
患者さんは、いつも自分自身の事について観察、記録していることが大切です。
シックデイでは、インスリンの投与量は通常よりも多くなります。
具体的には、自己血糖測定をしている方は、各食前および就寝前に測定しましょう。
その結果、血糖が150~200mgdL、または尿糖が±であれば通常のインスリンに加えて2単位の速効型インスリンを追加注射し、血糖が200mg/dL以上、又は尿糖が+~++以上であれば、4~6単位のインスリンを追加します。
具体的なことは、患者さん一人一人によって異なりますので、外来で医師に詳しくお聞きください。
糖尿病食の1単位とは?
糖尿病の患者さんに対する投薬中に、食事の話になると、「ご飯は何単位にしてる」とか具体的な話をされる場合がある。
「私は栄養士では無いので…」と心の中では思いながら、薬剤師の職能拡大のためには栄養指導も出来るようにならないとなあ、とも思う。
世間には「糖尿病」の為の食事として、色々な本が出版されています。その中でも「食品交換表」といって、一日に摂取する食物エネルギーを6つの食品群に分類し、1単位を80kcalとして1日のカロリー計算をし食事をするという方法があります。
食品交換表
1単位=80kcal
人によって、ご飯を盛る量に違いはあるかと思いますが、私が通常食べる「ご飯1杯分」は大体150g。
ご飯の1単位は50gなので、1杯が3単位=240kcal摂っていることになる。
最近はおかわりすることもほとんどないので、毎食3単位としたら、ご飯だけで720kcalだ。
日本糖尿病学会は糖尿病の患者さんの食事療法において、食事に占める炭水化物の割合として50~60%を推奨している。
50%をご飯、それ以外をおかずと単純にしたら、あと720kcalをおかずにして、1日の総摂取カロリーは1440kcalだな。
少ないな。自分の場合は意外と食べていない。
しかし、ご飯だけの計算なら簡単ですが、おかずのそれぞれの品目ごとに食品交換表を見ながら計算するのはハードです。
食品交換表には写真もついているので、慣れてくれば大体のカロリー計算はできるのかもな。
そういえば、写真を撮ればカロリー計算してくれるアプリとかあった。ダイエット向けのアプリだったかと思いますが、精度次第では糖尿病にも使えそう。
食事に合わせてインスリンの量を調節する?
処方せんでインスリンが処方されるときには、朝○単位、昼○単位、夕○単位と指示されている。
患者さんから、「自己判断で、食事に合わせてインスリンの投与量を調節している」とか言われたことがありましたが、「医師の指示通りに使用しましょう」と言ったあと、食事量にあわせてインスリンの投与量を調節するというのは、理にかなった方法なんじゃないかとも思いました。
食事量を把握するために、カーボカウント法というやり方がある。
カーボは炭水化物、カウントは数える。
食事中の炭水化物を数えるやり方。
そのため、高くなった血糖に対症的に追加インスリンを患者が行なっても看護師が行なっても、スライディングスケールを使用することで血糖変動が大きくなって、かえって血糖コントロールが不十分になることが多かったのです。乱高下する血糖値に対応してもうまくいく訳がありません。乱高下しないようにするのです。すなわち、インスリンは高血糖を下げる薬と思わないことです。インスリンは血糖の上昇を防ぎ、一定の範囲に保つ薬なのです。体の中のインスリンはそのように働いています。体は食物のブドウ糖やアミノ酸を小腸で感知すると、素早くインクレチンを放出してインスリンを一次的に強く分泌して血糖上昇に備えます。更に血糖値が100mg/dlを超えればベータ細胞がインスリンを継続的に分泌します。血糖が上がってからの対応ではなく、常に前もって備えるから食後でも140mg/dlを超えることがありません。血糖値が上昇してからのインスリンの後打ちはもともと効果が不確実なのです。食前高血糖への対策は、食事を遅らせる、食事の炭水化物を減らす、食後のエクササイズなどがあり、補正インスリンだけではありません。旧スライディングスケールの難点はそれを無視して一律に追加インスリンを定めたことにありました。
インスリン治療のスライディングスケールとは? [糖尿病] All About
不正確な方法で血糖値を乱高下させても、あまり意味のあるやり方ではないと。
強化インスリン療法の1,800ルールと500ルール [糖尿病] All About
1800ルールとか500ルールとかあるようですが、どのくらいの食事量でどのくらい血糖値が上がるのか、それを下げるための追加インスリン量はどのくらいなのか、患者が把握して使う必要があり、一朝一夕に求められるものではなく、医師との話し合いの中で数値を求める必要がある。
やはり患者の自己判断でインスリン投与量を食事量に合わせて変えるというのは、難しそうだ。
スライディングスケール法とアルゴリズム法
インスリン療法には、主にスライディングスケール法と固定打ちがある。
スライディングスケールは、血糖値を測定し、例えば200㎎/dL以上で2単位や300㎎/dL以上で4単位の投与などのように一定値以上の場合にあらかじめ決められた単位を打つ方法である。主に入院時の急性期治療時や血糖コントロール不良時に一時的に用いられる。
固定打ちは、ある時間ごとに決められた単位を投与する方法で、主に外来治療で行われる。
この場合の投与量調節をアルゴリズム法と呼び、ある時点の血糖値に最も影響を及ぼすインスリンを基に、投与量を調節することから、責任インスリン法とも呼ばれる。
一般に、標的となる血糖値の1つ前に投与したインスリンが責任インスリンとなり、例えば、夕食前に測定した血糖値は昼のインスリンが責任インスリンとなるため、夕食前血糖値を下げたい場合は昼のインスリン量を検討する。夕食時の投与量は、数時間後または就寝前の血糖値により検討する。
持効型インスリンでは、食事に影響を及ぼしにくい時間帯である翌日の早朝時あるいは朝食前により投与量を検討する。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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