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サレドとレブラミドの違いは?
公開. 更新. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約3分44秒で読めます.
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サレドとレブラミドは何が違う?
サレドもレブラミドも院内処方限定なので、院外の調剤薬局でその処方をみることはありませんが、院内でレブラミドをもらっているという患者には遭遇したことがある。
第二世代の免疫調整薬 (immunomodulatory drugs (IMiDs))とされるレナリドミドは、サリドマイドの有効性の向上と有害事象の軽減を目的に開発が進められたサリドマイドの誘導体である。
サリドマイドと同様の基本骨格を有しているが、その薬理作用は大きく異なる。
レナリドミドは強力な抗腫瘍作用、抗炎症作用、サイトカイン産生調節作用および血管新生阻害作用などを介し、抗腫瘍効果を示す。さらに、制御性T細胞の制御、ADCC(抗体依存性細胞障害)活性の増強効果などサリドマイドにはみられなかった効果も確認されている。
レブラミドの催奇形性
レナリドミドは、動物実験で催奇形性が報告されており、ヒトに対しても催奇形性を示す可能性がある。
そのため、サリドマイドと同様に胎児の被害を防ぐための安全管理手順「レブメイト」のもとで使用することが義務づけられている。そのため、その処方はすべて、レブメイトセンターへ登録が完了した病院内で調剤を行う「院内処方限定」となる。
レナリドミドはサリドマイドと構造は類似しているが、その有害事象のプロファイルは大きく異なっている。サリドマイドに比べて、眠気、末梢神経障害などは少ないが、骨髄抑制、特に好中球減少を高頻度に発現する。デキサメタゾンとの併用では臨床効果は向上するが、血栓症や感染症のリスクは高くなる。
サレドの長期処方
サレド(サリドマイド)の処方は1回12週(3か月)分までとなっている。
添付文書に「本剤の安全管理を確実に実施するため、1回の最大処方量は12週間分を超えないものとすること。」と記載がある。
それとは別に、
「再発又は難治性の多発性骨髄腫に対して本剤を16週間を超えて投与した場合の有効性・安全性についてのデータは限られている。16週間を超えて本剤の投与を継続する場合には、投与を継続することのリスク・ベネフィットを考慮して、慎重に判断すること。」
という記載もみられる。
1回の処方量は3か月まで。
そして投与期間が4か月を超えたら、また継続の必要性を医師に確認する必要がある。
サリドマイドと性交渉
サレドやレブラミドはその催奇形性のため、避妊についても厳重に注意されている。
サレドやレブラミドの警告には以下のように書かれている。
妊娠する可能性のある婦人に投与する際は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認したうえで投与を開始すること。また、投与開始予定4週間前から投与終了4週間後まで、性交渉を行う場合はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させ、避妊を遵守していることを十分に確認するとともに定期的に妊娠検査を行うこと。
本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。本剤は精液中へ移行することから、男性患者に投与する際は、投与開始から投与終了4週間後まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させ、避妊を遵守していることを十分に確認すること。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと。
男性の性交渉においても、避妊を確実に行わなければならない。
投与開始と終了後にも4週間の間隔を設けている。
妊娠がわかる前に投与しちゃったらエライこっちゃだし、服薬終了後に妊娠したケースでも確実に薬の影響が無いこと、奇形児が生まれたとしても製薬企業の責任が無いことを証明する必要があるので4週間はあける。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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1 件のコメント
主人が多発性骨髄腫と昨年の4月に診断され、昨年11月に自家移植したが奏功せず、現在レブラミド2錠レナデックス5錠を服用しているが、レナデックスの離脱の日になると必ず発熱。なのでサレドに変えるかも?と主治医に言われ、違いがわからず検索したところ、このブログに辿り着きました。とてもわかりやすく書いてあって有難いです。
これからも色々教えてください。
カテゴリを見ただけで頼もしいです。