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SSRIとベンゾジアゼピン併用の目的は?
公開. 更新. 投稿者:うつ病.この記事は約5分53秒で読めます.
4,236 ビュー. カテゴリ:SSRIとベンゾジアゼピン
抗うつ薬にベンゾジアゼピン系抗不安薬(不安の適応を取得していないクロナゼパムも含む)を併用することは、三環系抗うつ薬の時代には当たり前のように行われていた。
SSRIは、抗うつ効果以外にも優れた抗不安効果を有しており、種々の不安障害の治療薬としても用いられている。
SSRIの抗不安効果はベンゾジアゼピン系薬剤のそれとは異なり、慢性の不安に対して有効であるが、速効性に欠ける。
したがって、不安障害に対してSSRIを用いる場合は、SSRIの抗不安効果が発現するまでの間、補助薬として頓服薬の形でベンゾジアゼピン系薬剤を用いることが推奨されている。
しかし実際には、SSRI投与開始とともに十分量のベンゾジアゼピン系薬剤を定期的に服用させる形の処方が多く見受けられる。
これは、わが国特有の慣例的な使用法の名残と思われるが、SSRIを中心とした抗うつ薬による中枢刺激症状、特に投与初期や増量時にみられやすいアクティベーション・シンドロームの予防を意識した場合もある。
実際にベンゾジアゼピン系薬剤によりアクティベーション・シンドロームが改善されることもあるが、アクティベーション・シンドロームの最大の予防法は、抗うつ薬の低用量からの開始と急速増量を避けることにある。
また、アクティベーション・シンドローム出現時の対処法の原則は、原因薬剤の減量あるいは中止である。
ベンゾジアゼピン系薬剤はその依存形成の問題から、海外では処方に対する厳しい制約が設けられており、漫然とした長期投与が許されている国は日本以外では珍しい。
ベンゾジアゼピン系薬剤の使用は、やはり可能な限り最低限にとどめるべきであると考える。
やむを得ずSSRIにベンゾジアゼピン系薬剤を十分量併用する場合は、チトクロムP450代謝において相互作用のないロラゼパム(ワイパックス)などの併用が好ましいであろう。
抗うつ薬と抗不安薬
うつ状態、うつ病では抗うつ薬以外の薬剤も多く使用されます。
抗うつ薬の効果の発現には2~3週間かかることから、その間の不眠や不安、焦燥感の緩和に抗不安薬を併用します。
また、気分安定薬や抗精神病薬を併用することもあります。
抗うつ効果をもつ抗不安薬もありますが、単独ではうつ病に対する効果はないといわれています。
アクチベーションシンドローム
SSRIは従来の三環・四環系抗うつ剤に比べて副作用が少ないとされていますが、投与開始や増量の後に不眠やイライラ感などの中枢刺激様症状が出現するという報告があります。
このような抗うつ剤による中枢刺激様症状は、賦活症候群(アクチベーションシンドローム)と呼ばれています。
SSRI投与などによる急激なセロトニン濃度の変化によって、セロトニン受容体への刺激が強まり、さらに二次的にドパミン系神経やノルアドレナリン系神経の異常活動を招くことで発現すると考えられています。
FDA(アメリカ食品医薬品局)は、不安、焦燥、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、衝動性、アカシジア、軽躁、躁状態を、賦活症候群の症状として定義しています。
賦活症候群の発現頻度は不明ですが、不眠や不安、焦燥感など軽症の中枢刺激様症状は、SSRI服用者の10~20%に出現するとの報告があります。
シャンビリ
SSRIの断薬症状を「シャンビリ」と表現するのをみかける。
離脱症状は、一般に1か月以上服用後、中止または減量したときに表れやすく、頭痛やめまい、吐き気、情緒不安定、電撃感などの症状を来す。
中でもめまいは、「頭がしゃんしゃんする」「頭がぴりぴりする」といった特有の感覚がある。
過敏な人だと1回飲み忘れただけで症状が出現し、服用間隔が長いほど投与量が多いほど強い症状が出る。
再度の服薬ですぐ治まるのが特徴だ。
パキシルを止めたら耳鳴りがする?
パキシルなどのSSRIは急に服薬を中止すると、離脱症状が起きます。
特に多いのが耳鳴りで、一日中シャンシャンという音とともに耳が圧迫されるような感じらしいです。
離脱症状の原因
SSRIを長期間服用すると、5-HT2受容体が高濃度のセロトニンにさらされ、受容体の感受性が低下していく。
この状態で急にSSRIの投与を中止すると、セロトニン欠乏状態になり、さまざまな離脱症状を引き起こすと考えられている。
パキシルの中止後発現症状
SSRIのなかでもパロキセチン(パキシル) は他の抗うつ薬と比較して中止後発現症状が多く報告されている。
中止後発現症状を未然に防ぐ最大の対策は、時間をかけた漸減 (徐々に減らしていくこと)です。
製薬会社は2010年9月より、最小用量を10mg錠から5mg錠へと変更した。
抗うつ薬は精神科に限らず、その他の科でも広く処方されている。
すべての科の医師がこの5mg錠が発売された意義を理解し、中止後発現症状が出ないよう上手に抗うつ薬を処方してもらいたい。
新しい抗うつ薬であるSSRI、SNRIは、ともに高い選択性を特徴にもちます。
副作用の発現を抑えた点で評価は高いのですが、この選択性が生んだ問題もあります。
それは、抗うつ薬を中止するときに起きます。
従来の抗うつ薬でも、服用を急に中止したときに何らかの症状が起こることはありますが、多くの神経伝達物質に関連した部位に影響を及ぼしているため、薬物を中止しても全体にホメオスターシス(恒常性)を保ちながら薬物の影響がなくなっていくので、際立って自覚されることは少ないのです。
これに対し、選択性の高いSSRI、SNRIは限られた一部の神経伝達物質だけが変化するため、服用を中止するとホメオスターシスが急激に崩れることで、 症状が派手に出現します。
その症状・症候を「中止後発現症状」といいます。
症状として、めまい、悪心、ふらつき、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢、鼻汁、運動失調、振戦、異常感覚、かすみ目、複視などが出現します。
ことにSSRIはその症状が著明であることから近年注目されるように なりました。
書物によっては「離脱症候群」と記されているものもありますが、この表記は正しいとはいえません。
なぜなら定義に照らし合わせると、「離脱症状」とは「依存性物質に対し身体および精神依存が形成された状態から、その依存性物質を中止ないし減量する際に出現する症状」だからです。
現在の依存性物質とされるもののなかにセロトニンやノルアドレナリンは含まれていないので、現時点では中止後発現症状とするべきです。
この症状は4週間以上の継続投与後、急に減量ないし中止すると、多くはその後2日以内に発現します (5日目以後に発現することは非常に稀といわれています)。
これは身体、特に脳内のセロトニン系のそれまでの恒常性が変化することによって起こると推定されています。 現在のところ、中止後発現症状が発現するメカニズムは複雑で、明快に解明できてはいません。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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