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抗コリン薬で認知症?
公開. 更新. 投稿者:認知症.この記事は約3分40秒で読めます.
5,251 ビュー. カテゴリ:アセチルコリンと認知症の関係は?
アルツハイマー型認知症治療薬にアリセプトという薬がありますが、この薬はコリンエステラーゼ阻害薬です。
体の中でアセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼを阻害する作用があるので、アセチルコリンを増やします。
つまり、抗コリン薬を使えばアルツハイマー様の記憶障害、認知機能障害が引き起こされることが予想できます。
認知症ではない高齢者で、抗コリン作用薬を1年以上使用しているグループと、使用していないグループの認知機能を比較し、使用群に広範な認知機能の衰えがあることを発見した。軽度認知障害と判断された人の割合は、対照群では35%だったが、使用群では80%と非常に高かった。
“ありふれた薬”に意外なリスク抗コリン剤を継続使用の高齢者、8割に軽度認知障害:MedWave Back Number
という話。
ただし、その後8年間追跡したが、両群の認知症発症率は、使用群16%、対照群14%で差は認められなかった。
ともある。
長期的にボケる心配は無さそうですが、抗コリン薬使用中の車の運転などには注意したほうがいいかも知れません。
抗コリン作用を持つ薬剤は鎮痙薬以外にも数多く、特に高齢者では多剤併用のケースが多いことからも看過できない。
米国の老人ホームを対象にした報告では、抗コリン薬を2種類以上使用している高齢者が30%以上もいるという。
抗コリン薬は、脳内で記憶を司る海馬の活動を低下させることが知られている。
認知症を発症させるというよりも、加齢に伴う認知機能低下によく似た症状をもたらすようだ。
認知機能の低下がみられた場合には、抗コリン作用を持つ薬剤を中止するのも一つの方法です。
抗コリン薬とアリセプトの併用はダメ?
アリセプトの相互作用に、
中枢性抗コリン剤
トリヘキシフェニジル塩酸塩
ピロヘプチン塩酸塩
マザチコール塩酸塩水和物
メチキセン塩酸塩
ビペリデン塩酸塩等
アトロピン系抗コリン剤
ブチルスコポラミン臭化物
アトロピン硫酸塩水和物等臨床症状・措置方法本剤と抗コリン剤は互いに干渉し、それぞれの効果を減弱させる可能性がある。
機序・危険因子本剤と抗コリン剤の作用が、相互に拮抗する。
との記載がある。
抗コリン薬にはここに記載されている以外にも多種あり、過活動膀胱に使われるバップフォーなども。
バップフォーは中枢への移行性は低いものの、臨床量の100倍程度の高用量(50mg/kg以上)では中枢性の抗コリン作用が認められているとのこと。
ものによっては注意したほうがいい。
ちなみに過活動膀胱に使われる抗コリン薬の添付文書の記載をみると、
ベシケアやウリトス/ステーブラ、デトルシトール、ポラキスの慎重投与に、「認知症又は認知機能障害のある患者[抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。]」との記載がみられる。バップフォーには記載されていなかった。
抗コリン薬は認知機能へ影響
2018年5月29日、厚生労働省から「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)について」の通知が出された。
その指針の中で、抗コリン作用を有する薬剤は、口喝、便秘のほか、中枢神経系への有害事象として認知機能低下やせん妄などを引き起こすことがあるので注意を要する旨が記載された。
特に抗コリン作用については、単独の薬剤の使用ではなく、服用薬剤の総コリン負荷が重要とされ、有害事象のリスクを示す指標として、1日の平均抗コリン作動性リスクスケール(ARS)などが示された。
同指針において、抗コリン作用を有し、中止・減量を考慮することが望ましい医薬品として、OAB治療薬のオキシブチニン、プロピベリン塩酸塩(バップフォー)、ソリフェナシンなどが挙げられている。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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