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キサラタンでまつ毛がのびる?
公開. 更新. 投稿者:皮膚外用薬/皮膚病.この記事は約6分17秒で読めます.
9,358 ビュー. カテゴリ:緑内障治療薬でまつ毛がのびる?
緑内障の治療薬で、プロスタグランジン系の薬にはまつ毛が伸びるという副作用があります。
まつ毛異常が起こる作用機序は不明ですが、まつ毛のヘアサイクルを延長させて長くし,毛包を刺激してまつ毛の厚みや太さを増加させ,メラニンを活性化して色を濃くすると考えられています。
この副作用を応用して、アメリカでは美容目的で使用されているそうです。
まつ毛異常が起こる作用機序は不明だが、まつ毛のヘアサイクルを延長させて長くし、毛包を刺激してまつ毛の厚みや太さを増加させ、メラニンを活性化して色を濃くすると考えられている。
アメリカでは緑内障治療薬 Lumigan™(アラガン社)の主成分 Bimatoprostが,2008年12月にまつ毛の Hypotrichosis(貧毛症,乏毛症)の処方薬としてFDAにより承認され,2009年1月にまつ毛育毛剤 Latisse(Bimatoprost 0.03%溶液)が発売された。
用法は,毎晩1日1回,片眼ごとに1滴,上まぶたのまつ毛の付け根にラインを引くように塗布する(下まぶたには使用不可)。
緑内障治療薬は夜使う?
PG(プロスタグランジン)系点眼薬には、レスキュラ、キサラタン、タプロス、トラバタンズなどがあります。
いつ点眼しても1日中安定した作用があるとされているので、1日1回のみの用法で、特に使用時点についての注意はありません。
しかし、夜使ったほうが良い。
その理由の一つに、点眼後の充血が挙げられます。
この副作用を患者に意識させないように、夜や寝る前の点眼を指示することがあります。
もう一点、夜お風呂に入る前に使ったほうがいい。
その理由は、色素沈着です。
点眼後にはよく拭きとるか洗ったほうがいいので、お風呂に入る前に使用する習慣をつければ眼の周りもついでに洗うことができます。
色素沈着や睫毛異常は、点眼時にあふれた薬液によるものなので、点眼後によく拭き取ることが予防のポイントとなる。ただし、ティッシュ で拭き取る程度では不十分になりやすく、ウエットティッシュや濡れタオルで拭くか、点眼後に軽く洗顔するよう勧めることが望ましい。
こうした指導により、既に生じた色素沈着や睫毛異常が減少することも明らかになっている。
緑内障治療薬で眼の周りが黒くなる?
プロスタグランジ系の緑内障治療薬では、継続的に使用した場合に、まぶたが黒くなり目にくまができたようになる「眼瞼色素沈着」、睫毛が濃く、太く、長くなる「睫毛の変化」、まぶたの産毛が濃く、太く、長くなる「眼瞼部多毛」、虹彩(眼球の黒目の部分)に顆粒状の色素増加が起きる「虹彩色素沈着」といった副作用がみられます。
発現メカニズムの詳細は不明だが、メラニン生成細胞や毛根細胞に作用するためと考えられている。PGF2αはメラノサイトにおけるチロシンキナーゼの発現を亢進させることが報告されている。メラノサイトは皮膚や眼に分布し、メラニンという色素を産生する細胞である。チロシンキナーゼはメラニンの生合成を触媒する律速酵素であるため、PGF2α誘導体による色素沈着は、メラニン産生の亢進によるものと考えられている。
これらの副作用は点眼液が眼瞼などに付着することによって起きると考えられており、使用後にまぶたにあふれた薬剤をティッシュペーパーでよく拭き取ったり、洗顔することで予防する。
点眼時点について医師からの指示がない場合には、入浴前に点眼し、入浴中に洗顔するようにアドバイスするのが効果的である。
ちなみに、同薬による虹彩色素沈着は、使用を中止しても回復しない場合が多い。点眼後の洗顔などでも回避できず、海外ではしばしば問題になる。
しかし多くの日本人の虹彩は単一茶色であるため、顕微鏡的には虹彩着色が認められても臨床上問題になることはほとんどない。ただし、片眼だけに点眼している患者では、左右の虹彩の色の違いから、患者自身が着色を自覚する場合もある。
虹彩色素沈着はメラニンの増加によるもので、使用の継続により徐々に増加してくることが多い。
虹彩の色が緑色や薄茶色の場合に起こりやすいが、青色や日本人に多い茶色な ら、片眼だけの点眼でなければ、さほど心配ないとされている。しかし、使用を中止すれば色素沈着の増加は止まるが、消失はしないため、あらかじめ患者に十分説明しておくことが必要である。
睫毛貧毛症の薬?
前から言われていましたが、プロスタグランジン系の緑内障点眼薬には睫毛を伸ばす作用があります。
▽グラッシュビスタ外用液剤0.03%3ml、同外用液剤0.03%5ml:(ビマトプロスト、アラガン・ジャパン):「睫毛貧毛症」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。この効能・効果で23の国または地域で承認済み。
同成分・製品名ルミガンで09年から緑内障、高眼圧症の点眼剤として販売されている。その治験の有害事象として睫毛の成長が多く認められたことから、この適応症での開発が行われた。専用のアプリケータに滴下して就寝前に睫毛基部に塗布する。薬食審・第一部会 新薬など11成分を審議、承認了承 SGLT2阻害薬も2成分 薬食審・薬価収載 国内ニュース ニュース ミクスOnline
ルミガンもグラッシュビスタも0.03%で同じ濃度です。
睫毛貧毛症で医療上とくに問題になることは無い。
逆さまつげの人とかは、治療で睫毛抜いてる。
医療じゃなくて、美容ということで、自由診療の自費での処方。
ルミガンと同じ薬価になるのかどうかわかんないけど、ルミガン自費で処方したほうが安かったらどうなんだろう。
薬価収載はされず自由診療での処方になるようです。
ルミガンの薬価が1mLで959.7円で1本2.5mLで2339.25円。
グラッシュビスタは1本5mLで1万円以上の価格になるらしい。
ルミガン1本2.5mLを50滴として計算した場合、両目に使ったら、約25日もつという計算です。
点眼薬は1か月が使用期限の目安なので、2.5mLという規格。
これに対しグラッシュビスタは外用塗布剤なので恐らく1本5mLで1か月以上もつ。
包装をみると、「5.0mL×1(アプリケータ140本同梱)」と書かれていますが、1本100滴と計算すると両目に使って50日もつ計算。
アプリケーターが140本付属している理由はよくわかりませんが、失敗したときのため?
グラッシュビスタは下瞼には使えない?
睫毛貧毛症治療薬グラッシュビスタ外用液剤0.03%5mL(ビマプロスト)は、緑内障・高眼圧症の適応で2009年10月に発売されたルミガン点眼液0.03%と同じ有効成分です。
ルミガンの副作用であるまつ毛の成長促進作用を効能効果として開発されたのがグラッシュビスタです。
グラッシュビスタは、まつ毛が不足している、または不十分な状態にある睫毛貧毛症の治療薬です。
加齢などにより生じる特発性の貧毛に加え、円形脱毛症などの基礎疾患に由来する脱毛症や、抗癌剤などの投与による薬物誘発性の脱毛症の患者が治療の対象になります。
自由診療で用いられる薬であるため、保険薬局で見かけることはほぼありません。
価格は、1本(5mL)、約70日分を2万円前後で提供する医療機関が多いようです。
1日1回、就寝前に上まぶたのまつ毛の付け根に塗布します。
国内で行われた臨床試験の結果では、投与開始2か月後から改善を自覚する被験者が有意に増加し、4か月後には、8割弱でまつ毛の長さ・濃さが改善していました。
他人が見てはっきりとまつ毛の伸びが分かるまでには、一般に4~6ヶ月程度継続して使用する必要があります。
使用を中止しても2か月ほどはまつ毛が長い状態が続き、それを過ぎると次第に元の状態に戻っていきます。
この薬が、どのような機序でまつ毛の成長を促進しているのか、詳細は不明ですが、まつ毛の毛周期における成長期を延長することで成長を促進すると考えられています。
また、休止期から成長期への移行を促進している可能性もあります。
グラッシュビスタは08年に米国で初めて承認されました。
海外で行われた臨床試験において、副作用の発現率は約25%でした。
主な副作用は、結膜充血、眼瞼掻痒、眼瞼紅斑、点状角膜炎などですが、特に気を付けたい副作用は、眼瞼縁の色素沈着です。
これを防ぐため、薬剤を上まぶたのまつ毛の付け根だけに塗布する専用の使い捨てブラシ(アプリケータ)が添付されています。
色素沈着が目立つ下まぶたの貧毛治療には使用できません。
注目される適応は、癌化学療法後の睫毛貧毛症です。
癌化学療法による脱毛では、治療が終われば再び毛が生えてきますが、まつ毛の場合、治療前の状態に戻るまでに1~1年半ほどかかります。
グラッシュビスタを使うと、治療開始前の状態のまつ毛に戻るのを半年以上早めることができ、癌患者のQOL向上に役立つと期待されます。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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