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坐薬のほうが早く効くわけじゃない?
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約1分27秒で読めます.
5,680 ビュー. カテゴリ:坐薬の効果発現時間

飲み薬より坐薬のほうが速く効きそうだけど?
「飲み薬より坐薬のほうが早く効くんでしょ?」
と、よく言われます。
飲み薬は、消化管から吸収された後、肝臓で代謝を受け、血流で全身に行き渡ります。
坐薬は、直腸粘膜下の血管から吸収されて全身に行き渡るので、肝臓を経由しない分、坐薬の方が早く効くという認識が一般的です。
医薬品名 | Tmax | 医薬品名 | Tmax |
---|---|---|---|
ボルタレンサポ25㎎ | 0.81±0.28時間 | ボルタレン錠 | 2.72±0.55時間 |
アンヒバ坐剤 | 1.60±0.16時間 | カロナール錠200㎎ | 0.46±0.19時間 |
ダイアップ坐剤 | 1.5時間 | セルシン錠2㎎ | 0.89±0.14時間 |
ナウゼリン坐剤 | 2時間 | ナウゼリン錠 | 0.5時間 |
最高血中濃度到達時間(Tmax)が効果発現時間と必ずしも相関しているわけではないですが、パラメータ的には、一概に坐薬の方が速く効くとは言えない。
ボルタレンは坐薬のほうがTmaxが速いが、アンヒバ、ナウゼリン、ダイアップは内服の方がTmaxが速い。
早く効かせたいから坐薬を使うというよりも、経口での摂取が困難な小児や高齢者、嘔吐や痙攣時などに使用できるという点でのメリットのほうが大きい。
入れた坐薬が出てきたら
坐薬の挿入時によくあるトラブルの一つが、「入れた坐薬が出てしまう」ことである。
坐薬を入れた後にウンチをしてしまい、坐薬が出てきてしまったらどうしましょう?乳幼児ではよくあることです。
薬によって対応も異なるかとは思いますが、問題はどれくらい吸収されているか、です。
原型をとどめていれば、ほとんど吸収されていないでしょう。そのまま挿入できるようなら再挿入します。抵抗があれば新しいものを再挿入するのでも構いません。
一方、体内で坐薬が溶け始め、形が崩れて出てきたような場合は、既に薬の吸収が始まっていると考えられます。過量投与を避けるため、しばらく様子を見て、症状が治まらなければ再度挿入する。
アンヒバは効果発現も速やか、投与後30分以内に体温低下が観察されます。解熱目的であれば、30分程度様子を見て、必要なら再挿入します。
ダイアップは有効血中濃度(>150-350ng/ml)に達するのには15~30分なので、入れてから30分経過していたら再挿入の必要は無い。


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なぜナウゼリン坐薬よりナウゼリン錠内服のほうが早く効くのでしょうか?