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リジュセアミニ点眼液で近視の進行は防げるか?
公開. 更新. 投稿者:眼/目薬/メガネ.この記事は約3分4秒で読めます.
5,082 ビュー. カテゴリ:リジュセアミニ点眼液
「リジュセアミニ点眼液0.025%」という近視進行抑制点眼剤が4月21日に発売される。

保険外医薬品らしい。処方箋医薬品だけど、自費で処方される。
バイアグラみたいな勃起不全治療薬や、プロペシアみたいな脱毛症治療薬、マーベロンみたいな避妊目的の低用量ピルと同じようなもの。禁煙治療薬は今は保険適応なってる。
眼科の門前だと、置いておく形になるのだろうか。
詳しくは参天のサイトで
リジュセアミニ点眼液0.025% | Santen Medical Channel – Santen
参天製薬が示している参考価格は30日分で4,380円とのこと。1本にすると146円。
うちのチェーンではもうちょっと休めの価格で1本単位で示している。
1袋30本入りのアルミピローで、「アルミピロー包装開封後は、添付の遮光用投薬袋に入れて室温で保存し、3ヵ月以内に使用すること。」となっているので、30本以外の本数で処方されたら疑義照会したいですが。
仮性近視にミドリンMとか処方されていましたが、そういう類のものではなさそう。
現在、自費診療で、マイオピン(低濃度アトロピン点眼薬)というのが使われている。
眼軸長の伸長を抑えることで、近視の進行を平均50~60%程度遅らせることができるというChatgptの話。
眼軸長はその名のとおり、目の長さで角膜の頂点から網膜までの距離です。
眼軸長は、身長が伸びるときに手足が伸びるのと同じように、体の成長とともに長くなります。眼軸長が長くなると近視が進むため、身長が伸びる学童期~青年期には近視が進んで視力が低下することが多くなります。
アトロピン点眼液は、眼軸長を伸展させる働きのあるムスカリン受容体をブロックする効果があり、近視の進行抑制が期待できるという。
うちの子供たちも近視が進行しているので、興味津々である。
リジュセアミニ点眼液の対象年齢や投与期間は添付文書上は明確に記載されていないが、軽度から中等度程度の近視で5歳~18歳を対象にしており、3年以上の継続を推奨しているとのこと。
1ヵ月4380円を3年(36カ月)で、157680円。
コンタクトレンズを一生使うことを考えると安いかも知れないけれど、リジュセアミニ使ったからといって視力が良くなるわけではないし、コスパを考えるとレーシック手術とかのほうが良いかもしれない。
子供に金をかける親は多いから、それなりに売れそうではある。
眼軸長の伸長と近視進行の関係
近視は、網膜よりも前方で光が焦点を結んでしまう屈折異常です。その主な原因のひとつが眼軸長(眼球の前後の長さ)の過剰な伸長です。眼軸長は成長とともにある程度自然に延びますが、過剰に伸びることでピントがずれ、近視が進行します。
特に小児期は、眼軸長が柔軟に変化しやすく、遺伝的要因に加え、屋外活動の不足や長時間の近業作業(読書・タブレット・ゲームなど)が眼軸長の過伸展につながるとされ、近視進行のリスクが高くなります。
アトロピン点眼の作用機序と予防効果
近視進行を抑制する方法の一つが、低濃度アトロピン点眼薬の使用です。アトロピンは副交感神経遮断薬で、もともと散瞳や調節麻痺を目的として使われてきましたが、近年では眼軸長の伸長抑制効果が注目されています。
特に低濃度(0.01%)では散瞳や調節麻痺といった副作用が少なく、小児にも安全に長期使用しやすい点が利点です。
アトロピンの近視抑制メカニズムについては、完全には解明されていないものの、以下のような作用が関与していると考えられています。
・強膜の線維芽細胞に作用し、眼軸伸長を抑制する
・アセチルコリンの作用を遮断し、網膜・脈絡膜を介して眼球成長の調節に影響を与える
・網膜ドーパミンの増加を通じて成長シグナルを緩和する可能性
これにより、近視進行の根本的な因子である眼軸長の延長を軽減し、将来的な強度近視のリスクを下げることが期待されます。
近視人口は年々増加しており、特に若年層の近視進行をいかに抑制するかは社会的な課題となっています。薬剤師としては、アトロピン点眼薬の正しい使用法や副作用への注意点だけでなく、定期的な眼科受診の重要性や、屋外活動・生活習慣改善の啓発など、多角的なアプローチが求められます。


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