記事
冷所保存する目薬
公開. 更新. 投稿者:眼/目薬/メガネ.この記事は約5分42秒で読めます.
31,941 ビュー. カテゴリ:目薬は冷蔵庫に保管するもの?
目薬とか、シロップとかの液剤の使いかけは冷蔵庫で保管したほうが変質が少ないんじゃないかと思っていますが、実際どうなんでしょう?
大部分の点眼薬は、開封前は室温保存です。
開封後もしっかり蓋をし、添付の保存袋に入れ汚染されないようにすれば、室温で問題無いものがほとんどです。
しかし、実際には点眼容器の先端を睫毛や目につけるなどして細菌汚染を受ける場合が少なくありません。
そのため、使用後は冷蔵庫に保存することが勧められる。
冷蔵庫に保管しないといけない冷所保存の目薬は、緑内障に使う「キサラタン」など。
逆に冷蔵庫に保管してはいけない目薬というのもあります。
「リザベン点眼液」は添付文書の取り扱い上の注意に「本剤を冷蔵庫等で保存すると,結晶が析出することがあるので避けること。」と書いてあります。
「ノフロ点眼液」も「長期間低温に保存しないこと。」となっています。
冷所保存の目薬一覧
キサラタン点眼液:2~8℃
ザラカム配合点眼液:2~8℃
タプロス点眼液:2~8℃保存
トラバタンズ点眼液:1~25℃
ジクロード点眼液:10℃以下保存
点眼・点鼻用リンデロンA液:冷所保存(使用の都度密栓すること。)
イソプロピルウノプロストンPF点眼液0.12%「日点」:冷所(1〜15℃)保存
イソプロピルウノプロストン点眼液0.12%「ニッテン」:冷所(1〜15℃)保存
エイベリス点眼液:2〜8℃保存
オフサロン点眼液:2〜8℃保存
オフロキサシンゲル化点眼液0.3%「わかもと」:10℃以下保存
キシロカイン点眼液:凍結を避けて15℃以下に保存
クロラムフェニコール点眼液0.5%「ニットー」:2〜8℃
リズモンTG点眼液:10℃以下保存
アジマイシン点眼液:2〜8℃に保存
目薬の保管方法
OTC点眼剤の冷蔵保存は基本的に不要(室温保存1~30℃)だが、冷蔵保存しても1℃を下回らなければ問題はない。
冷たさが刺激として感じられる場合は、室内で保管する。
ただし、直射日光を避けること。
使用期間は開封後最長で2~3ヶ月。
なお、人工涙液の「ソフトサンティア」は使用期間が10日と短いので注意する。
保管の温度 | 医薬品名 |
---|---|
開封前は冷蔵、開封後は室温保存も可能 | キサラタン、ザラカム、ジクロード |
冷蔵庫に保存 | リズモンTG、タプロスミニ、オフサロン、点眼・点鼻用リンデロンA液 |
溶解後冷所保存 | ベストロン、カタリンK、カタリン、タチオン |
冷所保存しないほうがよい | リザベン、ノフロ、バクシダール |
ジクロード点眼液のジェネリックは冷所保存しなくていい?
ジクロード点眼液は、冷蔵庫で保管することとされている。
これは、保存剤として同薬に添加されているクロロブタノールが、熱により分解しやすいためである。
室温で保存しても18カ月は品質が規格内に保たれるが、使用期限が3年あるため、10℃以下で保存するよう設定されているのである。
ジクロード点眼液の後発品のうち、ジクロスターPF点眼液には、このクロログタノールが含まれていない。
そのため、常温保存が可能である。
キサラタンは冷所保存?
キサラタンの貯法は添付文書に「2~8℃、遮光」と記載されているので、「冷蔵庫で保管してください」と伝えるのが一般的です。
しかし、添付文書に記載されている貯法及び使用期限は、メーカー出荷時から患者が開封するまでの品質を保証するための情報であり、必ずしも使用中の保存方法を示したものではありません。
メーカーが実施した安定性試験では、暗所、気温30℃、相対湿度70%の条件下で、「含量はわずかに低下したが、4週間までは未開封のものと比較して差はなかった」と報告されています。
開封後は室温(1~30℃)で保管しても問題ないです。
ザラカムも同様。
レスキュラは冷所保存しなくていい?
普段使わない薬の情報はなかなか入手しづらいもので。
レスキュラって冷所保存じゃなかったっけ?
と調べたところ、現在の貯法は、
「気密容器,遮光,室温保存」
とだけになっています。
2010年5月に添付文書改訂なってました。
以前は「遮光して冷所(1~15℃)に保存 凍結を避けて保存」
室温保存(1~30℃)で3年間の品質が確保できることが確認されました。
ちなみに、キサラタンの貯法はいまだ「2~8℃、遮光」となっています。
ザラカムは1日1回でいい?
緑内障の目薬、ザラカム配合点眼液。
用法は、「1回1滴、1日1回点眼する。」となっております。
このザラカムは、キサラタンとチモプトールの合剤であります。
キサラタンの用法は、「1回1滴、1日1回点眼する。」
チモプトールの用法は、「通常、0.25%製剤を1回1滴、1日2回点眼する。なお、十分な効果が得られない場合は0.5%製剤を用いて1回1滴、1日2回点眼する。」
チモプトールXEの用法は、「通常、0.25%製剤を1回1滴、1日1回点眼する。なお、十分な効果が得られない場合は0.5%製剤を用いて1回1滴、1日1回点眼する。」
ザラカムにはチモプトールXEが入ってるのか、と思いましたが、ゲル化しているわけでもなさそう。
とにかく1日1回の臨床試験で効果あったんだから、ザラカムは1日1回でいいそうです。
トラバタンズは冷所保存?
・トラバタンズは冷所保存、デュオトラバは室温保存である。
・トラバタンズも室温保存で問題ない。
トラバタンズとデュオトラバ
トラバタンズの貯法は「1~25℃」となっており、夏季に高温になる可能性のある室内には置いておけず、冷蔵庫に保管している。
対して、トラバタンズが配合されているデュオトラバの貯法は、「室温」となっており、こちらは引き出しに他の点眼薬といっしょに保管している。
どういうこっちゃ。
メーカーの話だと、トラバタンズも室温保存で問題ないらしい。
じゃあ添付文書を直せ、と言いたいが、それはそれで面倒らしく。
トラバタンズの包装には「貯法1~25℃」って書いてあるから、患者さんは冷蔵庫に保管しているかな。
てゆーか目薬全部冷蔵庫に保管してるかな。
まあ、稀にリザベン点眼液みたいな、冷所保存しちゃいけない目薬もありますが、雑菌を増やさないために開封後はもちろん、開封前も冷蔵庫に保管する習慣をつけておくのは悪くないと思います。
トラボプロスト点眼液0.004%「ニットー」
トラバタンズも室温保存で問題ない、ということで当然ながらトラバタンズのGEも室温保存で問題ない。
トラボプロスト点眼液0.004%「ニットー」は添付文書上も冷所保存の指示はなく、室温保存でOKとなっている。
キサラタンにしろトラバタンズにしろ、室温保存に変更したほうがGE対策になりますが、対応しないのでしょうか。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。