記事
ビルタサ懸濁用散は冷所保存?
公開. 更新. 投稿者:腎臓病/透析.この記事は約2分46秒で読めます.
346 ビュー. カテゴリ:ビルタサ懸濁用散
ビルタサ懸濁用散は冷蔵庫に保管するの?
ビルタサ懸濁用散という新規のカリウム吸着薬が2024年11月20日に薬価収載された。
カリウム吸着薬のラインナップは以下の通り。
医薬品名 | 一般名 | 剤形 | 用法用量 | 1包(1容器)の量 |
---|---|---|---|---|
カリメート | ポリスチレンスルホン酸カルシウム | 散、ドライシロップ、経口液 | 散:1日15~30gを2~3回に分け、その1回量を水30~50mLに懸濁して服用 ドライシロップ:1日16.2~32.4gを2~3回に分け、その1回量を水30~50mLに懸濁して服用 経口液:1日75~150gを2~3回に分けて服用 | 散:5g ドライシロップ:5.4g 経口液:25g |
ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー20%分包25g「三和」 | ポリスチレンスルホン酸カルシウム | 経口ゼリー | 1日75~150gを2~3回に分けて服用 | 25g |
ケイキサレート | ポリスチレンスルホン酸ナトリウム | 散、ドライシロップ | 散:1日量30gを2~3回に分け、その1回量を水50~150mLに懸濁して服用 ドライシロップ: | 散:5g ドライシロップ:3.27g |
ビルタサ | パチロマーソルビテクスカルシウム | 懸濁用散 | 開始用量8.4gを水で懸濁して1日1回服用(最高用量25.2g) | 8.4g |
ロケルマ | ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物 | 懸濁用散 | 開始用量1回10gを水で懸濁して1日3回、2日間(最長3日間)以後1回5g1日1回(最高用量15g) | 5g、10g |
カリウム吸着薬の選択としては、飲みやすさが重要になる。
カリメートやケイキサレートは食事にあわせて1日2~3回の服用が必要であったが、ロケルマやビルタサは1日1回の服用で済むのはメリットである。
また、1回の服用量が5gを超えるので飲みづらい。服用時そのまま口に入れると粉で窒息するので、水に混ぜる。ドライシロップや懸濁用散となっているほうが溶けやすい。
ゼリータイプや液体タイプは飲みやすいという利点がある。
各カリウム吸着薬の味は以下のような感じ。
商品名 | 味、服用方法など |
---|---|
カリメート散 | 味はなし。1回量を水30~50mLに懸濁 |
カリメートドライシロップ92.59% | わずかに甘い。懸濁時に沈殿しにくく、服用時のざらつき感が少ない。1回量を水30~50mLに懸濁 |
カリメート経口液20% | 味はオレンジ、アップル、ノンフレーバーの3種類あり、ドロッとした白く甘い液体。スティック包装で、そのまま服用可能 |
ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー20%分包25g「三和」 | 甘く、ざらつきがある。リンゴ味のフレーバーもある |
ポリスチレンスルホン酸Ca顆粒89.29%分包5.6g「三和」 | 甘く、ざらつきは少ない。1回量を水30~50mLで経口投与 |
ケイキサレート散 | 味はなし。1回量を水50~150mLに懸濁 |
ケイキサレートドライシロップ76% | リンゴ味。1回量を水50~150mLに懸濁 |
ロケルマ懸濁用散やビルタサ懸濁用散に味は無い。
ビルタサ懸濁用散の指導せんには、混ぜても良い飲み物として、「緑茶、麦茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ネクター(アプリコット、桃)、ジュース(オレンジ、リンゴ、クランベリー、ブドウ、パイナップル、洋ナシ)、牛乳、ヨーグルト、ゼリー、プリン(バニラ、チョコレート)、アップルソース、とろみ調整剤」が記載されている。
ジュース類はカリウム的にどうなんだろう?とも思うが、飲めないより良いって感じか。
ビルタサは冷所保存?
ビルタサ懸濁用散の貯法は「2〜8℃で保存」となっている。
冷蔵庫に保管することになる。
取り扱い上の注意には「本剤は原則冷蔵庫(2~8℃)で保管すること。患者が保管する場合は室温(1〜30℃)で保管することも可能であるが、その場合3ヵ月以内に使用するよう患者に指導すること。」という記載もある。
・・・
各薬局の冷蔵庫の状況を把握しているわけではありませんが、当店に関しては保管はかなり厳しい。
インスリン注射の出荷調整もあり、基本在庫多めにしているので、糖尿病用注射剤だけでもかなり占めている。骨粗鬆症系の注射もあるし。坐薬とかシロップとか軟膏の予製とかも入ってるし。フィブラストとかベピオゲルとか。
比較的大きめの冷蔵庫だと思うのですが、冷所保存の薬多くね?
ロケルマ懸濁用散くらいの箱の大きさだとして、2箱くらいは詰められるかな…
メーカーさん、あまり冷所保存の薬を増やさんでください。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。