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糖尿病治療薬の一覧
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糖尿病治療薬の一覧
【内服薬】
分類 | 分類 | 商品名 | 一般名 | 剤形・規格 |
---|---|---|---|---|
SU剤 | SU剤(第一世代) | デアメリンS | グリクロピラミド | 錠(250㎎) |
ジメリン | アセトヘキサミド | 錠(250㎎) | ||
SU剤(第二世代) | オイグルコン | グリベンクラミド | 錠(1.25㎎。2.5㎎) | |
グリミクロン | グリクラジド | 錠(40㎎)、HA錠(20㎎) | ||
SU剤(第三世代) | アマリール | グリメピリド | 錠(0.5㎎、1㎎、2㎎) | |
速効型インスリン分泌促進薬 | スターシス/ファスティック | ナテグリニド | 錠(30㎎、90㎎) | |
シュアポスト | レパグリニド | 錠(0.25㎎、0.5㎎) | ||
グルファスト | ミチグリニドカルシウム水和物 | 錠(5㎎、10㎎)、OD錠(5㎎、10㎎) | ||
ビグアナイド系 | グリコラン | メトホルミン塩酸塩 | 錠(250㎎) | |
ジベトス | ブホルミン塩酸塩 | 錠(50㎎) | ||
メトグルコ | メトホルミン塩酸塩 | 錠(250㎎、500㎎) | ||
ミトコンドリア機能改善薬 | ツイミーグ | イメグリミン | 錠(500㎎) | |
αグルコシダーゼ阻害薬 | グルコバイ | アカルボース | 錠(50㎎、100㎎)、OD錠(50㎎、100㎎) | |
ベイスン | ボグリボース | 錠(0.2㎎、0.3㎎)、OD錠(0.2㎎、0.3㎎) | ||
セイブル | ミグリトール | 錠(25㎎、50㎎、75㎎)、OD錠(25㎎、50㎎、75㎎) | ||
チアゾリジン誘導体 | アクトス | ピオグリタゾン塩酸塩 | 錠(15㎎、30㎎)、OD錠(15㎎、30㎎) | |
SGLT2阻害薬 | スーグラ | イプラグリフロジンL-プロリン | 錠(25㎎、50㎎) | |
フォシーガ | ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物 | 錠(5㎎、10㎎) | ||
ルセフィ | ルセオグリフロジン水和物 | 錠(2.5㎎、5㎎)、ODフィルム(2.5㎎) | ||
デベルザ | トホグリフロジン水和物 | 錠(20㎎) | ||
カナグル | カナグリフロジン水和物 | 錠(100㎎) | ||
ジャディアンス | エンパグリフロジン | 錠(10㎎、25㎎) | ||
インクレチン関連薬 | DPP4阻害薬 | グラクティブ/ジャヌビア | シタグリプチンリン酸塩水和物 | 錠(12.5㎎、25㎎、50㎎、100㎎) |
エクア | ビルダグリプチン | 錠(50㎎) | ||
ネシーナ | アログリプチン安息香酸塩 | 錠(6.25㎎、12.5㎎、25㎎) | ||
トラゼンタ | リナグリプチン | 錠(5㎎) | ||
テネリア | テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物 | 錠(20㎎、40㎎)、OD錠(20㎎、40㎎) | ||
スイニー | アナグリプチン | 錠(100㎎) | ||
オングリザ | サキサグリプチン水和物 | 錠(2.5㎎、5㎎) | ||
ザファテック | トレラグリプチンコハク酸塩 | 錠(25㎎、50㎎、100㎎) | ||
GLP-1受容体作動薬 | リベルサス | セマグルチド | 錠(3㎎、7㎎、14㎎) | |
マリゼブ | オマリグリプチン | 錠(12.5㎎、25㎎) | ||
チアゾリジン誘導体+ビグアナイド系 | メタクト | ピオグリタゾン塩酸塩+メトホルミン塩酸塩 | 配合錠LD(ピオグリタゾン15㎎、メトホルミン500㎎)、配合錠HD(ピオグリタゾン30㎎、メトホルミン500㎎) | |
チアゾリジン誘導体+SU剤 | ソニアス | ピオグリタゾン塩酸塩+グリメピリド | 配合錠LD(ピオグリタゾン15㎎、グリメピリド1㎎)、配合錠HD(ピオグリタゾン30㎎、グリメピリド3㎎) | |
チアゾリジン誘導体+DPP4阻害薬 | リオベル | ピオグリタゾン塩酸塩+アログリプチン安息香酸塩 | 配合錠LD(ピオグリタゾン15㎎、アログリプチン25㎎)、配合錠HD(ピオグリタゾン30㎎、アログリプチン25㎎) | |
速効型インスリン分泌促進薬+αGI | グルベス | ミチグリニドカルシウム水和物+ボグリボース | 配合錠(ミチグリニド10㎎、ボグリボース0.2㎎)、配合錠OD | |
DPP4阻害薬+ビグアナイド系 | エクメット | ビルダグリプチン+メトホルミン塩酸塩 | 配合錠LD(ビルダグリプチン50㎎、メトホルミン250㎎)、配合錠HD(ビルダグリプチン50㎎、メトホルミン500㎎) | |
イニシンク | アログリプチン安息香酸塩+メトホルミン塩酸塩 | 配合錠(アログリプチン25㎎、メトホルミン500㎎) | ||
メトアナ | アナグリプチン安息香酸塩+メトホルミン塩酸塩 | 配合錠LD(アナグリプチン100㎎、カナグリフロジン250㎎)、配合錠HD(アナグリプチン100㎎、カナグリフロジン250㎎) | ||
DPP4阻害薬+SGLT2阻害薬 | カナリア | テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物+カナグリフロジン水和物 | 配合錠(テネグリプチン50㎎、イプラグリフロジン50㎎) | |
スージャヌ | シタグリプチン+イプラグリフロジン | 配合錠(シタグリプチン50㎎、イプラグリフロジン50㎎) | ||
トラディアンス | エンパグリフロジン+リナグリプチン | 配合錠AP(エンパグリフロジン10㎎、リナグリプチン5㎎)、配合錠BP(エンパグリフロジン25㎎、リナグリプチン5㎎) |
【注射薬(インスリン製剤)】
分類 | 分類 | 一般名 | 商品名 | 作用発現時間 | 最大作用発現時間 | 作用持続時間 | 性状 |
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インスリンアナログ | 超速効型 | インスリンアスパルト | ノボラピッド | 10~20分 | 1~3時間 | 3~5時間 | 無色透明 |
インスリンリスプロ | ヒューマログ | 15分以内 | 0.5~1.5時間 | 3~5時間 | |||
インスリングルリジン | アピドラ | 15分以内 | 0.5~1.5時間 | 3~5時間 | |||
インスリンリスプロ | ルムジェブ | ヒューマログ注の作用発現時間より6分速い | 1~3時間 | 約4時間 | |||
インスリンアスパルト | フィアスプ | ノボラピッド注の作用発現時間より5分速い | 1~3時間 | 3~5時間 | |||
混合型(二相性製剤) | 二相性プロタミン結晶性インスリンアナログ水性懸濁 | ノボラピッド30ミックス | 10~20分 | 1~4時間 | 約24時間 | 白色懸濁 | |
ノボラピッド50ミックス | 10~20分 | 1~4時間 | 約24時間 | ||||
ノボラピッド70ミックス | 10~20分 | 1~4時間 | 約24時間 | ||||
混合型(混合製剤) | インスリンリスプロ混合製剤 | ヒューマログミックス25 | 15分以内 | 0.5~6時間 | 18~24時間 | ||
ヒューマログミックス50 | 15分以内 | 0.5~4時間 | 18~24時間 | ||||
配合型製剤 | インスリンアスパルト+インスリンデグルデク | ライゾデグ | 10~20分 | なし | >42時間 | 無色透明 | |
持効型 | インスリングラルギン | ランタス | 1~2時間 | 明らかなピークなし | 約24時間 | ||
ランタスXR | 1~2時間 | なし | >24時間 | ||||
インスリンデテミル | レベミル | 約1時間 | 3~14時間 | 約24時間 | |||
インスリンデグルデク | トレシーバ | 定常状態痔 | 明らかなピークなし | 42時間超 | |||
ヒトインスリン | 速効型 | ヒトインスリン | ヒューマリンR | 0.5~1時間 | 1~3時間 | 5~7時間 | |
生合成ヒト中性インスリン | ノボリンR | 約30分 | 1~3時間 | 約8時間 | |||
混合型 | ヒト二相性イソフェンインスリン | ヒューマリン3/7 | 0.5~1時間 | 2~12時間 | 18~24時間 | 白色懸濁 | |
ノボリン30R | 約30分 | 2~8時間 | 約24時間 | ||||
中間型(NPH) | ヒトイソフェンインスリン水性懸濁 | ヒューマリンN | 1~3時間 | 8~10時間 | 18~24時間 | ||
ノボリンN | 約1.5時間 | 4~12時間 | 約24時間 | ||||
インスリン+GLP-1アナログ | インスリングラルギン+リキシセナチド | ソリクア | ー | ー | ー | ||
インスリンデグルデク+リラグルチド | ゾルトファイ | ー | ー | ー |
【注射薬(GLP-1アナログ製剤)】
分類 | 分類 | 商品名 | 一般名 | 規格剤形 | 用法用量 | 空打ち |
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GLP-1アナログ | 短時間作用型 | バイエッタ | エキセナチド | 皮下注(5µgペン300、10µgペン300) | 1日2回朝夕食前60分以内 | 初回のみ |
リキスミア | リキシセナチド | 皮下注300μg | 1日1回朝食前60分以内 | 毎回 | ||
長時間作用型 | ビクトーザ | リラグルチド | 皮下注18mg | 1日1回朝または夕 可能な限り同じ時刻 | 毎回 | |
ビデュリオン | エキセナチド | 皮下注用2mgペン | 週1回 | 不要 | ||
トルリシティ | デュラグルチド | 皮下注0.75mgアテオス | 週1回 同一曜日 | 不要 | ||
オゼンピック | セマグルチド | 皮下注(0.25mgSD、0.5mgSD、1.0mgSD) | 週1回 同一曜日 | 不要 | ||
GIP/GLP-1アナログ | 長時間作用型 | マンジャロ | チルゼパチド | 皮下注アテオス(2.5㎎、5㎎、7.5㎎、10㎎、12.5㎎、15㎎) | 週1回 | 不要 |
糖尿病治療薬の分類
経口血糖降下薬の分類
①インスリン分泌を促進することなく血糖を改善するビグアナイド類(BG)、チアゾリジン誘導体、α‐グルコシダーゼ阻害薬(α‐GI)、SGLT2阻害薬
②血糖依存性のインスリン分泌を増幅するインクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP‐1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬)、イメグリミン
③血糖非依存性にインスリン分泌を促進するスルホニル尿素類(SU剤)、速効型インスリン分泌促進薬
スルホニル尿素系薬剤(SU剤)
SU(スルホニルウレア)剤とは、パラフェニル基、スルホニル基、ウレア結合からなるスルホニルウレア構造(S‐フェニルスルホニルウレア構造)を持つ化合物で糖尿病に使われる薬効群である。
現在、SU剤は第一~第三世代の薬剤があり、効力、作用時間、血糖低下作用などに違いがあります。第一世代の薬物は現在ほとんど使用されていません。
第二世代では、グリベンクラミドが強力でよく使用されています。グリクラジドは、抗酸化作用や血小板機能亢進を抑える作用があり、血管病変への効果が期待されています。
第三世代のグリメピリドは、今までのSU剤よりインスリン分泌促進作用は弱いですが、血糖降下作用はグリベンクラミドとほぼ同等で、インスリン抵抗性改善作用があると考えられています。
SU剤は膵臓のβ細胞のスルホニル尿素受容体(SU受容体)に結合して、アデノシン三リン酸(ATP)感受性K⁺チャネルを閉鎖して、β細胞膜の脱分極を来たし、電位依存性Caチャネルより細胞外Caが流入してインスリンの分泌を促します。したがってSU剤が使われるのは内因性インスリンの分泌能力が残っている2型糖尿病患者で、1型糖尿病や膵疾患に伴う糖尿病などではSU剤は無効です。
速効型インスリン分泌促進薬
速効型インスリン分泌促進薬は、SU構造を持たないが、SU剤同様、膵臓のβ細胞のSU受容体に結合し、インスリンの分泌を促進します。SU剤に比較して効果が非常に速く、持続時間が短いのが特徴です。
食直前に服用することで、食後の高血糖を抑えることができます。
ビグアナイド系薬剤
ビグアナイド系薬とは、グアニジン環を2つ結合させた化合物で、糖尿病に用いられる薬剤です。
ビグアナイド系薬剤は、肝臓でのブドウ糖の生成を抑制し、骨格筋や脂肪組織のブドウ糖取り込みを促進し、インスリンの抵抗性を改善します。また、小腸からの糖吸収を抑制することで血糖値を低下させます。
膵臓のβ細胞には作用しないので、インスリン分泌促進作用はありません。SU剤はインスリンの分泌を増やすことから、それまで使われずに血液中にあふれていたブドウ糖(血糖)が細胞内に取り込まれるようになったり、空腹感が強くなって食べすぎてしまうこともあるため、体重が増えやすくなります。太るとインスリンの効きが悪くなって、薬の効果が相殺されてしまいます。インスリン分泌促進作用のないビグアナイド系薬剤は体重増加せず、血糖値のコントロールが改善できるので肥満傾向の2型糖尿病に適した薬剤です。
ビグアナイド系薬剤は乳酸アシドーシスの副作用により死者が出たことから、1970年以降使われなくなっていましたが、近年ではメトホルミンのインスリン抵抗性改善作用が注目され使用されるようになりました。
α‐グルコシダーゼ阻害薬
腸管で、二糖類から単糖類に分解する酵素(α‐グルコシダーゼ)を阻害し、糖質の吸収を遅らせることで食後の過血糖状態を改善します。
小腸からの糖は二糖類では吸収できないので、血糖値が上昇しません。
作用は競合阻害なので、食事といっしょに服用することで効果を発揮します。
糖尿病では血糖上昇に比べて、インスリン分泌のタイミングが遅れているので、α‐GIにより糖質の分解・吸収が遅延すると、血糖上昇とインスリン分泌のタイミングが合うようになり食後過血糖が抑制される。
ボグリボースやアカルボースは消化管からほとんど吸収されず、糞便中に排泄されます。そのため腎機能障害のある患者にも用量調節が必要ありません。
ミグリトールは、小腸上部で大部分が吸収されます。そのため、小腸下部では糖質の吸収が起こり、大腸に到達する未消化の糖質が減るため、アカルボースやボグリボースに比べて腹部膨満感、放屁の副作用が軽減されます。
チアゾリジン誘導体
チアゾリジン誘導体はチアゾリジン環をもつ薬物で現在はピオグリタゾン(アクトス)のみである。以前は、トログリタゾン(ノスカール)という薬もありましたが、肝機能障害の副作用があり販売中止となりました。
インスリンの働きが悪いことをインスリン抵抗性といいますが、ピオグリタゾンは、インスリンを効率よく働かせる=インスリン抵抗性を改善させることで血糖値を低下させます。このような働きの薬をインスリン抵抗性改善薬といいます。
体内の脂肪細胞は肥大化するとインスリンの働きを悪くする物質(悪玉アディポカイン)を出すようになる。また脂肪細胞が肥大化するとブドウ糖が取り込めなくなる。
ピオグリタゾンは、肥大化した脂肪細胞に作用し小型の脂肪細胞にかえることで、インスリンへの抵抗を改善し、ブドウ糖を取り込みやすくすることで血糖値を下げる作用をあらわす。
また、肝臓での糖の利用を促進し、筋肉や脂肪組織のインスリン感受性を増大させます。
SGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬は、SGLT2という腎臓の近位尿細管で糖の再吸収を行うトランスポーターを阻害する薬です。
腎臓におけるブドウ糖再吸収の90%は近位尿細管に存在するSGLT2(ナトリウム‐グルコース共輸送体2)により、10%はSGLT1により行われている。SGLT1は小腸においてブドウ糖吸収を担っているが、SGLT2は小腸には存在しない。SGLT2に選択的な阻害薬は小腸におけるブドウ糖吸収に影響することなく、腎臓におけるブドウ糖吸収を抑制する。
尿細管で糖の再吸収が阻害されると浸透圧利尿作用により排泄される尿量も増加する。この作用により脱水がを起こすことがある。
この浸透圧利尿作用による心負荷軽減作用を期待され、心不全に使用されることもある。フォシーガ(ダパグリフロジン)とジャディアンス(エンパグリフロジン)には慢性心不全の適応がある。
インクレチン関連薬
血糖調節のしくみにインクレチンという消化管ホルモンが関与していることが判明しました。インクレチンとは、食事を摂取すると消化管から分泌されるホルモンの総称で、血糖値の上昇を抑制する働きがあります。インクレチンには2種類の消化管ホルモンがあります。上部消化管のK細胞から分泌されるGIP(gastric inhibitory polypeptide)と下部消化管L細胞から分泌されるGLP-1(glucagon-like peptide)です。
インクレチンは食事をとると小腸から分泌され、血糖を下げる「インスリン」ホルモンの分泌を促進し、血糖を上げる「グルカゴン」ホルモンの分泌を抑える働きをします。血糖値が高い時にしか働かないという特徴があり、インクレチン関連薬の単独投与では低血糖を起こすリスクは少ないです。
しかし、インクレチンをそのまま投与してもDPP-4という酵素によって分解され、半減期は3分と短いため効果は期待できない。そのため、DPP-4により分解されにくいGLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬が糖尿病治療薬として開発された。
GLP-1受容体作動薬
インクレチン(GLP-1)の作用には①インスリン分泌促進、②グルカゴン分泌抑制、③胃内容排出の遅延、④満腹感の促進と食事摂取量の抑制、などがある。
しかしもう1つのインクレチン(GIP)には、②のグルカゴン分泌は抑制せずむしろ増加させ血糖上昇に働く、脂肪細胞に脂肪を蓄積する働きがあり、体重増加につながる可能性があるというマイナスの側面を持つため、GLP-1のみに働く薬のほうがベターと思われていました。
チルゼパチド(マンジャロ)はGIP/GLP-1受容体作動薬で、GLP-1のみならずGIP受容体にも働きますが、体重減少効果、血糖低下効果が認められており、むしろ他のGLP-1受容体作動薬よりも高い効果が認められています。理由は不明です。
DPP-4阻害薬
インクレチンホルモンを分解する酵素DPP-4(ジペルチジルペプチダーゼ)を阻害することにより、活性型インクレチン血中濃度を上昇させ、インスリン分泌が促進されることで血糖をコントロールします。
インスリン製剤
インスリンは膵臓のランゲルハンス島から分泌される糖代謝にかかせないホルモンです。体内で不足しているインスリンを補充する目的で1型、2型糖尿病の方に投与されます。
以前は、牛や豚の膵臓を減量としていましたが、現在使用されているインスリンは遺伝子工学によって製造されたヒトインスリンとインスリンアナログ製剤です。
インスリンアナログ製剤はインスリンと同じ生理作用を持ちながら、体内におけるインスリンの作用持続時間などを調節したもので、超速効型や持効型などがある。
ヒトインスリン製剤は微生物によってヒト型のインスリンを産生させ精製などを行い製剤化したもので、速効型、中間型などがある。
超速効型インスリン
インスリンの追加分泌を補う製剤です。食後の血糖値の上昇を抑えて食後高血糖を改善します。
食事の直前に注射します。
従来の製剤より吸収速度をさらに速めた製剤(フィアスプ、ルムジェブ)が登場した。
フィアスプは、ノボラピッドより作用発現を早くするために添加剤としてニコチン酸アミドを加えた超速効型インスリン製剤です。
ルムジェブは、ヒューマログより作用発現を早くするために添加剤としてトレプロスチニル及びクエン酸を加えた超速効型インスリン製剤です。
これらは食事の直前(2分前)、もしくは食事開始後20分以内に注射します。
速効型インスリン
インスリンの追加分泌を補う製剤です。食後の血糖値の上昇を抑制して食後高血糖を改善します。
食事の約30分前に注射します。
中間型インスリン
速効型インスリンにプロタミンを添加して結晶化させ、作用時間を長くさせたインスリン製剤です。
インスリンの基礎分泌を補う製剤です。空腹時血糖の上昇を抑制します。
混合型インスリン
インスリンの基礎分泌、追加分泌を同時に補えるように作られた製剤です。超速効型や速効型といった短く作用するインスリンと、長く作用する中間型インスリンを、あらかじめ決まった割合で混合してあります。混合製剤の種類によって、短く作用するインスリンと長く作用するインスリンの配合割合が異なります。
指定された食事の前に注射します。混合されている追加分泌を補うインスリンの種類(超速効型または速効型)によって、食直前に注射するか、食事の30分前に注射するかが異なります。
持効型インスリン
インスリンの基礎分泌を補う製剤です。空腹時血糖の上昇を抑えて、1日の血糖値を全体的に下げる働きがあります。
作用持続時間は約24時間又はそれ以上で、継続使用時に明らかなピークが見られないため、中間型に比べてよりスムーズに基礎分泌を補いやすいメリットがある。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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