2018年8月21日更新.3,307記事.5,464,727文字.

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転移しない癌?

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転移しない癌

がんの性質の一つに「転移する」という性質があり、転移しない癌というものは無いと言われる。
どんな癌でも転移する。

しかし、癌の種類によって、転移しやすい癌と転移しにくい癌があると言われる。

転移しやすい癌とは、小さな癌でも臓器の深い部分に侵入しやすい癌ということになる。肺がん、前立腺がん、膵がん、胆道がん、乳がんなど。
転移しにくい癌とは、10cmもの大きさになっても転移が見つからないことが多いがん、がんの一部(葉状肉腫)や肝細胞癌、大腸がんなど。

しかし、別の考え方では、早期発見できる癌は転移しにくく、発見しにくい癌は転移しやすいともいえる。
膵がんや一部の肺がん(小細胞肺癌)は早期発見しにくいので、転移しやすいといえる。

表皮内がん

表皮内がんという、皮膚がんの仲間ですが、がん細胞が表皮内に留まっている疾患で、皮膚がん前駆症とも呼ばれます。
有棘細胞がん、基底細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんとは区別されています。
表皮内がんの代表的なものには、日光角化症、ボーエン病、パージェット病があります。

表皮内がんは上皮内新生物の一種で、一般的な悪性新生物とは区別される。
悪性新生物は転移する可能性があり、上皮内新生物は転移する可能性が無いと言える。
そのため、上皮内新生物の場合、がん保険が適用されず、保険によっては保険金が下りないこともある。

しかし、表皮内がんの段階で放置していると、有棘細胞がんなど、転移する皮膚がんへと進行することもある。

上皮内新生物の例として、上記皮膚表皮内がん以外に、大腸の粘膜内がん、乳腺の非浸潤性乳管がん、膀胱や尿管などの乳頭状非浸潤がん、子宮頚がん等の上皮内がん、子宮頚部高度異形成などがある。
がん保険の対象になるかどうか、アフラックでは以下のようになっている。

該当可否病名備考
悪性黒色腫皮膚がんの一種 ただし、「上皮内黒色腫」、「若年性黒色腫」は上皮内新生物に含まれるため、非該当
悪性脳腫瘍良性の脳腫瘍は非該当
悪性リンパ腫
×異形成(軽度~、中等度~、高度~)食道や子宮頚部にできるものが多い
移行上皮がんがんの病理名の一種 ただし、「上皮内移行上皮がん」は上皮内新生物に含まれるため、非該当
×下垂体腺腫
カポジ肉腫
基底細胞(上皮)腫皮膚がんの一種
×筋腫
×血管腫
骨髄腫
骨肉腫
×上皮内がん(上皮内新生物)
×子宮頸がん0期上皮内新生物に含まれるため、非該当(子宮頸がんⅠ期は該当)
×子宮内膜症
×脂肪腫
成人T細胞白血病
セミノーマ(精上皮腫)悪性の精巣腫瘍
×腺腫
×大腸粘膜内がん上皮内新生物に含まれるため、非該当
多発性骨髄腫
×肉芽腫
パジェット病(ページェット病)主に皮膚・乳房にできる
白血病
非ホジキン病
×ベーチェット病
×平滑筋腫
平滑筋肉腫
扁平上皮がんがんの病理名の一種 ただし、「上皮(表皮)内扁平上皮がん」は上皮内新生物に含まれるため、非該当
×ボーエン病上皮内新生物に含まれるため、非該当
ホジキン病
×ポリープ通常は良性
メラノーマ悪性黒色腫に含まれる
×卵巣嚢腫

がんの転移先

がんの発生場所によって、その後転移する先は決まっています。

部位転移する可能性がある主な部位
肺がん肺、肝臓、脳、骨、副腎
乳がん肺、肝臓、脳、骨
胃がん腹膜、肝臓、(横行結腸、すい臓、脾臓など)への浸潤
肝臓がん肺、肝臓、骨
大腸がん肺、肝臓、大腸、(膀胱、膣など)への浸潤
すい臓がん十二指腸、胆管、肝臓、血管、神経、腹膜
卵巣がん子宮、大腸、腹膜、横隔膜
スキルス胃がん腹膜
骨肉腫肺、肝臓、脳、骨

転移が起きやすい部位として、「肝臓、肺、脳、骨」があります。
肝臓へ転移するがんとして、肺がん、胃がん、大腸がん、がある。
肺へ転移するがんとして、乳がん、肝臓がん、脳腫瘍がある。
脳へ転移するがんとして、肺がん、乳がんがある。
骨へ転移するがんとして、肺がん、乳がんがある。

これらの癌は、転移しやすい癌といえる。

乳がんは転移したら治らない

乳がんは遠隔転移があると治癒を望むことは困難であり、再発後の10年生存率は5~10%、根治したと考えられる患者は全体のわずか2~3%程度です。

したがって、転移再発乳がんに対する治療の目的は、生存期間の延長と症状緩和によるQOLの改善になります。

転移再発乳がんは全身病の状態ですので、全身治療である薬物療法が原則となります。

疼痛を伴う骨転移や出血感染を伴う皮膚転移、また脳転移に対しては、放射線療法や外科的切除が第1選択となる場合があります。

ホルモン療法と化学療法

治療の基本的な概念として、Hortobagyiにより提唱された治療アルゴリズムがあります。

薬物療法をホルモン療法から開始しても、化学療法から開始しても生存期間は同等との報告をもとに、有害事象の少ないホルモン療法から開始して、後から化学療法を施行するという考えが基本になっています。

ただし、生命を脅かすような内臓転移すなわち呼吸困難を伴うような肺リンパ管症や広範な肝転移などを有する時は、ホルモン感受性があっても化学療法を先行します。

乳がん手術でリンパ全切除の有効性疑問

乳がん手術でリンパ全切除の有効性疑問 生存率変化なし 米国の臨床試験結果 – MSN産経ニュース

 早期の乳がん患者の外科手術で、転移を防ぐために脇の下のリンパ節全体を切除する「郭清」をしても、リンパ節の一部しか切除しなかった場合と生存率に変わりはないとする米国の多施設臨床試験の結果が、9日付米医学会誌に発表された。
 「郭清」はがんの再発を防ぐために広く行われているが、むくみが出るリンパ浮腫などの合併症が起きやすいとされる。研究グループは「(郭清をやめる)新手法を取り入れることによって、術後の生活を改善できる」と指摘している。
 100カ所以上の医療機関が参加。1999~2004年に、手術前に脇の下の「センチネルリンパ節」を検査して転移が見つかった早期がんの患者を対象に、リンパ節全体の郭清をした場合と、転移が見つかった一部だけを取り除いた場合の生存率を比較した。

リンパ節の全切除はやり過ぎということですね。

一部の切除でいいと。

センチネルリンパ節とは、がん細胞がリンパ流に乗って最初に到達するリンパ節のことらしい。

でも、医師も患者も再発のリスクを考えると、全部切り取ってしまったほうが良いと考えるでしょうか。

参考書籍:レシピVol8

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