更新日:2016年12月21日.全記事数:3,079件

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つわりにタチオン?


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つわりと妊娠悪阻の違い

つわりは、妊娠5~6週に出現し、12~16週で自然に治癒する一過性の悪心・嘔吐症状である。
妊婦の50~80%が経験すると言われる。

その原因はよくわかっていないが、絨毛性ゴナドトロピンの関与が疑われている。
これに、精神的要因などが刺激となって副交感神経の緊張状態が出現し、悪心や嘔吐などの消化管症状が惹起されるものと推測されている。

つわりは、早朝空腹時に悪心や嘔吐を訴えるほかに、嗜好の変化が認められる。
これが悪化すると食事や水分の摂取が不可能になり、頻回の嘔吐による脱水、電解質異常、栄養・代謝障害を来たす。
この状態を妊娠悪阻という。

妊娠悪阻の治療では輸液療法が中心となるが、経口投与が可能な患者には、胃腸機能調整剤、鎮静剤、抗ヒスタミン剤、緩下剤などが使用される。
また、小半夏加茯苓湯、二陳湯、半夏厚朴湯、六君子湯などの漢方薬もしばしば使用される。
ただし、つわりや妊娠悪阻の好発時期が胎児の器官形成期と一致するため、薬剤投与では催奇形を考慮する必要がある。

上記の経口剤も、比較的安全と考えられてはいるが、催奇形性などの胎児への影響が完全に否定されているわけではない。
したがって、投与が考慮されるのは重篤な妊娠悪阻のみであり、単なるつわりには、いかなる薬剤の投与も行うべきではない。

タチオンが妊娠悪阻に効く?

「妊娠悪阻」を適応にもつ薬にタチオンがある。
タチオンの適応症は、「薬物中毒、アセトン血性嘔吐症(自家中毒、周期性嘔吐症)、金属中毒、妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群」と、その解毒作用により中毒や吐き気に適応をもつ。

タチオン(グルタチオン)はシステイン残基のチオール基に様々な物質を結合するため、毒物や薬などを体外に排出する働きがある。

効能効果に「つわり」とある薬は、小半夏加茯苓湯などの漢方薬である。
漢方薬は妊婦によく処方されるが、タチオンが妊婦のつわりや妊娠悪阻に処方されているのを見たことは無い。

つわりはいつまで続く?

妊娠初期に起こるつわりの症状として、「食べ物のにおいに敏感になる」、「食欲がなくなる」、「吐き気」などの症状のほか、人によっては、倦怠感やイライラ、不眠、めまいなども伴うことがあります。

つわりの詳しい原因は不明ですが、体内でのホルモンの急激な変化によるものと考えられ、70〜85%の妊婦にみられます。

12週を過ぎるとほとんど治まりますが、16週頃まで続く人もいます。

嘔吐がひどい、水分が摂れない、体重減少があるなどの重度な症状を妊娠悪阻といい、入院治療が必要になることもあります。

つわりが起こる期間の食事の原則は、「食べられるときに、食べられるものを、食べられる量(満腹にならない量)だけ」が基本ですが、多少食事量が少なくても、この時期は胎児への影響はないといわれています。

つわりと栄養

つわりは一過性なので、この時期の栄養価は全く無視してよく、そのことによる母体や胎児への影響がほとんどないことを説明する。

このことを妊婦にしっかりと理解させ、不安を解消させることが重要である。

つわりの予防法

・2~3時間ごとに少量ずつ食べる。

・低脂肪蛋白食(脂肪の少ない肉、焼魚、魚の缶詰、皮のない鶏肉、卵、ゆでた豆など)や、消化のよい炭水化物(果実、果実のジュース、パン、穀物、米、パスタ、ポテトなど)をとる。
これらの食品は多くのビタミンBを含んでいるため、重要な栄養素であり、さらに吐き気を誘発する低血糖も予防する。

・スープやその他の飲み物を食間にとる。

・油の富んだ揚げ物などは消化が悪く、吐き気の原因になるので避ける。調理の際のにおいも吐き気を誘発する。

つわりの治療法

・頭を少し下げ、足を高くして寝る。

・炭酸飲料や炭酸水をゆっくりと飲む。

・新鮮な空気を吸う。少し歩いたり、窓を開けて休む。調理の際も窓を開け、匂いを排出させる。

・ハーブティー(スペアミント、ラズベリー、ペパーミントなど)を飲む。

参考書籍:日経DIクイズ2、調剤と情報2012.8

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