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SH基を持つ薬は低血糖を起こす?
公開. 更新. 投稿者:副作用/薬害.この記事は約5分56秒で読めます.
4,031 ビュー. カテゴリ:SH基と低血糖
SH基によりインスリンのジスルフィド結合(S-S結合)が切断されることをきっかけに、インスリンの自己抗体が出現すると考えられている。
この自己抗体は、インスリンの作用を中和するが、結合が弱いため、インスリンが容易に遊離し、これが低血糖を引き起こす。
SH基を持つ薬剤は、カプトプリル(カプトリル)、チアマゾール(メルカゾール)、チオプロニン(チオラ)など。
最近では、ダイエットに利用されているサプリメントの「α-リポ酸」での報告も多い。
α-リポ酸は、それ自身はSH基を持たないが、大量に摂取すると、還元されて一部がSH基を持つジヒドロリポ酸に変化し、これがインスリン抗体の産生につながるのではないかと考えられている。
メルカゾールで低血糖
チアマゾール(メルカゾール)による低血糖発作は、インスリン自己免疫症候群が原因となって生じると考えられている。
インスリン自己免疫症候群とは、インスリンに対する自己抗体が出現し、低血糖を来す疾患を指す。
インスリン自己免疫症候群の患者では、血中に大量のインスリンとインスリン自己抗体が存在し、かつ血中インスリンのほとんどが自己抗体と結合している。
本来インスリンは、自己抗体ができると、抗体に捕まって作用しなくなる。
その結果、血糖値は上昇するはずである。
しかし、インスリンと自己抗体の結合は緩く、可逆的であることから、自己抗体と結合していたインスリンが何らかの要因によって、自己抗体から解離することで、血中のインスリンが急激に増え、低血糖が生じると考えられている。
原因としては、チアマゾールなど構造式中にSH基を有する薬剤の使用が指摘されている。
チオプロニン(チオラ)、グルタチオン(タチオン)、カプトプリル(カプトリル)、ペニシラミン(メタルカプターゼ)などとの因果関係も報告されており、これらはいずれもSH基を含む。
チアマゾールの添付文書には、「重大な副作用」の欄に、インスリン自己免疫症候群が記載されている。
チアマゾールではSH基がインスリンA鎖分子中に埋もれた部分を表面化し、それをTリンパ球が認識することで、自己抗体が産生されると考えられている。
SH基を有さないプロピルチオウラシル(チウラジール、プロパジール)でも、添付文書の「その他の注意」の項に、「インスリン自己免疫症候群が発症したとの報告がある」と記載されている。
これは、1982年の添付文書改訂時に、1946年の自発報告を受けて書かれたもの。
その後、インスリン自己免疫症候群が発症したという追加の報告はないが、古い記載が現在も残っているという。
以上のことから、SH基を有する薬剤に比べて、その発症リスクは極めて低いと考えられる。
インスリン自己免疫症候群は、日本人における報告が欧米などに比べて圧倒的に多い。
その理由として、日本人に比較的多いヒト白血球型抗原(HLA)の遺伝子型が関連すると考えられている。
αリポ酸を摂取してインスリン自己免疫症候群を生じた患者の多くが、この遺伝子型を有していることも確認されている。
システインで低血糖?
シミや二日酔いに効くというLシステイン。
疲労にも効くという話ですが。
ハイチオール(Lシステイン)の効果はSH基によるもの。
SH酵素は、その活性部分にSH基を融資、三大栄養素(糖・蛋白・脂質)の代謝・エネルギー発生や、解毒反応・皮膚代謝などに深くかかわっている生体機能維持に大切な酵素とされています。
L-システインは、この大切なSH酵素にSH基を供給し、エネルギーの発生を促進することで全身倦怠に効果があります。
しかし、SH基をもつということは、低血糖を起こす可能性がある。
ハイチオールを飲んでも疲労感が抜けず、逆に異常な疲労感を起こすようなことがあったら要注意。
αリポ酸で低血糖?
αリポ酸がインスリン自己免疫症候群の誘因となるという報告があります。
このインスリン自己免疫症候群とは、体内でインスリンに対する抗体がつくられ、インスリンがこの抗体と結合してしまい、そのインスリンによって低血糖症状が引き起こされる、というものらしい。
?インスリンの抗体が作られるってことは、逆に高血糖になるんじゃないのか、と思いましたが、この抗体は、一旦結合したインスリンを再び遊離するため、それによって自発性の低血糖を惹き起こすのではないかと推測されているらしい。
このインスリン自己免疫症候群の発症には、SH基を持つ薬剤が関与しているらしく、バセドウ病治療薬のメチマゾールをはじめ、チオプロニン、グルタチオンなどが挙げられます。
そして、αリポ酸もまた、体内で還元されて2つのSH基を持つジヒドロリポ酸に変化します。
そのため、αリポ酸で低血糖になるというメカニズムです。
ダイエットや老化防止に効果があるとして広く使われているサプリメント「α(アルファ)リポ酸」で、震えや動悸(どうき)を引き起こす「自発性低血糖症」を招くケースが相次いでいる。
厚生労働省研究班(主任研究者・内潟安子東京女子医大糖尿病センター教授)がまとめた全国調査で、2007年から3年間で少なくとも17件起きていたことがわかり、注意を呼びかけている。
自発性低血糖症は、血糖値を下げる薬を使っているわけではないのに低血糖になるものをいう。重症になると、昏睡(こんすい)状態に陥る。
原因は様々だが、特定の白血球の型を持つ人が、SH基と呼ばれる構造を持つ薬やサプリメントを服用すると、発症しやすい。αリポ酸にもSH基がある。
この白血球の型を持つのは日本人の約8%だが、SH基のある薬やサプリメントによって自発性低血糖症が起きた患者は、9割以上がこの白血球の型を持っていた。
研究班によると、全国の主要病院207施設で、07年から3年間に自発性低血糖症と診断された患者187人のうち、サプリメントとの関連が報告されたのは19人で、うち17人がαリポ酸だった。摂取した量や期間は不明だが、服用を始めてから一、二か月で震えや動悸などの症状が出て、受診するケースが多いという。
内潟教授は「サプリメントは健康増進をうたっているが、使い方によって薬と同じような副作用が起こる恐れがある。異常が起きたらすぐ服用をやめ、受診の際はどんなサプリメントを服用しているかも医師に必ず伝えてほしい」と話す。
αリポ酸 ビタミンのように、体内で代謝を助ける働きを持つ補酵素の一つ。もともとは医薬品だが、2004年の基準改正でサプリメントとして売られるようになった。ダイエット効果の人気のサプリ、αリポ酸で低血糖症 ミックスニュース 大手小町 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
健康食品の副作用はなかなか発覚しないものです。
医療機関を受診したよりもっと多くの方が低血糖症状を起こしていると考えられます。
だるい、程度では病院に行かない。
参考書籍:日経DI2015.3
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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1 件のコメント
パンテチンとシリマリンにもSH基(チオール基)があるようなのですが、インスリン自己免疫症候群になりますか?
今は、服用を止めたのですが動悸、手足の痺れ、食後の眠気、寝汗が出始めました。
今も続いています。
以前に反応性低血糖症の診断を受けた事があります。