更新日:2016年2月23日.全記事数:3,094件

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褐色細胞腫による高血圧にβ遮断薬は禁忌?


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褐色細胞腫に禁忌の薬

カルデナリンなどのα遮断薬の効能効果に、
「高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症」
と記載されており、通常よりも多い量で処方される。

カルデナリンの用法は以下のようになっている。

通常、成人にはドキサゾシンとして1日1回0.5mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1~4mgに漸増し、1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は8mgまでとする。
ただし、褐色細胞腫による高血圧症に対しては1日最高投与量を16mgまでとする。

褐色細胞腫は、副腎髄質や傍神経節に発生するカテコールアミン産生腫瘍です。
カテコールアミン(カテコラミン)とはノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミンなどのことです。
なので、これらの神経伝達物質の作用を高めるような薬は、褐色細胞腫に禁忌です。

ドパミンのプロドラッグであるタナドーパや、ノルアドレナリンの作用を高めるリズミック、アドレナリンの働きで覚醒するようなリタリン、コンサータ、ストラテラ、α1受容体刺激薬のメトリジンなどは褐色細胞腫に禁忌です。

しかし、ノルアドレナリン、アドレナリンの作用をブロックするような、βブロッカーの禁忌にも、「未治療の褐色細胞腫の患者」という記載がある。

その理由として、
「褐色細胞腫の患者では、単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがあるので、α遮断薬で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断薬を併用すること。」とある。

α受容体は血管を収縮させる働きが、β受容体は血管を弛緩させる働きがある。
褐色細胞腫で血圧が上がるのは、カテコールアミンはα受容体の方に強く作用するので血管は収縮するから。
α遮断薬を使えば、カテコラミンはβ2受容体に作用するので、血管が拡張して血圧が降下する。
β遮断薬を使えば、カテコラミンはα受容体に作用するので、血管は収縮し血圧が上昇する。

降圧剤としても使われるβブロッカーが、血圧を上昇させてしまうという皮肉な話。

その他、褐色細胞腫に禁忌の薬として、プリンペランやドグマチールなどの抗ドパミン薬もある。
そこの理由はよくわからないので、また今度調べる。

褐色細胞腫は10%病?

カルデナリンやデタントール、ハイトラシン、バソメットなどのα1遮断薬の効能効果をみると、「褐色細胞腫による高血圧症」というのがある。
カルデナリンの場合、通常の高血圧(1日最高投与量8mg)よりも褐色細胞腫による高血圧だと高用量(1日最高投与量16mg)で処方できる。

褐色細胞腫というのはどういう病気なのか。
腫とつくからには腫瘍の仲間か。

褐色細胞腫は腫瘍組織型の1つで、副腎髄質や傍神経節から発生するカテコールアミン産生腫瘍。統計的理由から俗に10%病とも言い、症状から俗に5H病とも言う。
患者数は日本に約3000人ほどの稀な疾患。

統計的理由から俗に10%病とも言う。
副腎外発生が約10%
両側性発生が約10%
悪性腫瘍が約10%
家族内発生が約10%
小児発生が約10%

症状から俗に5H病とも言う。
高血圧(Hypertension)
代謝亢進(Hypermetabolism)
高血糖(Hyperglycemia)
頭痛(Headache)
発汗過多(Hyperhydrosis)

治療としては、腫瘍の摘出ということになる。

術前に十分量のα1遮断薬やβ遮断薬を投与し、血圧コントロールを行う。α1遮断薬を投与して血管拡張させ、不整脈や頻脈が生じたらβ遮断薬を投与する。β遮断薬の単独投与は血圧上昇を招くため禁忌。褐色細胞腫 – Wikipedia

腫瘍摘出までの間、カルデナリン等が処方されるわけだ。

アーチスト等βブロッカーの添付文書には、
「褐色細胞腫の患者では、単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがあるので、α遮断薬で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断薬を併用すること。」とある。
βブロッカー単独だと血圧が上昇してしまう恐れがあるらしい。なぜだろう。

褐色細胞腫は、副腎髄質や傍神経節に発生するカテコールアミン産生腫瘍である。
腫瘍細胞でカテコールアミンが産生され、過剰になることで各種症状が発症する。
カテコールアミンとは、ドパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンなどのことである。
褐色細胞腫では、カテコールアミンが血管を収縮させ、高血圧になるらしい。

学生時代に習ったアドレナリン反転現象を思い出した。
とにかく、アドレナリンにはβ2受容体刺激による血管拡張作用もあるが、α1受容体刺激作用による血管収縮作用のほうが強く出るらしい。

βブロッカー単独投与すると、カテコラミンはα受容体により作用し、血管収縮を助長してしまうことになる。
そのため、急激に血圧が上昇する恐れがある。
心拍出量の低下により、降圧作用も出るだろうけど、「血圧上昇の恐れがある」ということ。
αブロッカーを投与すると、カテコラミンはβ2受容体により作用し、血管拡張し降圧作用が期待できる。

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