更新日:2016年12月31日.全記事数:3,124件.

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アーチスト1日2回は心不全?


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アーチストは1日1回?1日2回?

血圧の薬の飲み方について最近、1日1回でも1日2回でもどうでもいいや、と思い始めている。
しかし、個別指導などを考えると、疑義照会の対象となるかならないか考えることが必要。

アーチスト(カルベジロール)は適応症によって用量も変わってくる薬で、ちょっと複雑。
アーチストの適応症と用法用量は以下のようになっている。

○本態性高血圧症(軽症~中等症)、腎実質性高血圧症
カルベジロールとして、通常、成人1 回10~20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

○狭心症
カルベジロールとして、通常、成人1 回20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

○虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
カルベジロールとして、通常、成人1 回1.25mg、1 日2 回食後経口投与から開始する。
1 回1.25mg、1 日2 回の用量に忍容性がある場合には、1 週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量し、忍容性がない場合は減量する。
用量の増減は必ず段階的に行い、1 回投与量は1.25mg、2.5mg、5 mg又は10mgのいずれかとし、いずれの用量においても、1 日2 回食後経口投与とする。
通常、維持量として1 回2.5~10mgを1 日2 回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により、開始用量はさらに低用量としてもよい。また、患者の本剤に対する反応性により、維持量は適宜増減する。

アーチストの用法は、高血圧でも狭心症でも1日1回という用法でした。
心不全の適応を取るまでは。

第一三共のHPに、

投与回数を1日2回としているのは、1回の投与量を減らし投与時の負荷を軽減し、心不全の悪化をきたさぬようにするためです。
また、国内における第Ⅰ相試験において、絶食下よりも食後投与のほうが血中濃度の立ち上がりが緩除でした。そのためその後の開発治験では食後投与を採用しました。その結果、有効性と安全性が確認されたため、1日2回食後投与としています。

とある。心不全では心臓の負担を軽くするために1日2回。

アーチストと同じく心不全に適応のあるβ遮断薬にメインテートがありますが、こちらの用法は、慢性心不全でも1日1回オンリーです。
これらのβ遮断薬は基本的に「1日1回」という頭でみたほうがいいかも。

じゃあ「アーチスト錠10mg 2錠分2」という処方は心不全なんだな、と勝手に解釈して「心臓が悪いんですか?」と患者に聞いてみると「別に」と返されたりする。
アムロジピンの1日2回のように、血中濃度を安定させ、降圧効果を持続させるために1日2回投与しているケースもある。
でも高血圧には1日1回なので適応外の用法になる。

アーチストの添付文書に、規格ごとの適応症が載っている。

効能又は効果錠1.25mg錠2.5mg錠10mg錠20mg
本態性高血圧症
(軽症~中等症)
腎実質性高血圧症
狭心症
虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
頻脈性心房細動

例えば、アーチスト錠10mg0.5錠の代わりに、アーチスト錠2.5㎎のジェネリックを2錠で調剤してよいものかどうか。
薬剤師的には、半割の調剤が面倒という理由と、半割することによるバラつきを防ぐ理由で、可能な限り割りたくないという気持ちはある。

2016年2月現在、アーチスト錠の薬価は以下のようになっている。
アーチスト錠10mg 65.9円
アーチスト錠20mg 127.6円
アーチスト錠1.25mg 16.9円
アーチスト錠2.5mg 28円

単純にアーチスト錠2.5㎎の薬価の4倍が10mgとはなっておらず、たとえ適応症が同じだとしても、薬価の高いほうに変えるような変更調剤は、個別指導などで何らかの指摘を受ける可能性もある。

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