更新日:2016年12月21日.全記事数:3,124件.

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抗てんかん薬で貧血になる?


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抗てんかん薬と貧血

抗てんかん薬で引き起こされる貧血は多い。
溶血性貧血、再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血(悪性貧血)など。

薬剤性貧血は機序が不明なものが多いが、機序が明らかなものに巨赤芽球性貧血がある。

抗てんかん薬と葉酸欠乏

抗てんかん薬による葉酸欠乏によって巨赤芽球性貧血が引き起こされる。
巨赤芽球性貧血とは、ビタミンB12または葉酸の欠乏によってDNAの合成が阻害され、正常な赤芽球が産生されず異常な巨赤芽球が産生される貧血です。

しかし、抗てんかん薬の中でも葉酸レベルの低下が他の抗てんかん薬よりも強く現れるフェニトイン(アレビアチン)の添付文書の副作用をみると、
重大な副作用の項目には、「再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、単球性白血病、血小板減少、溶血性貧血、赤芽球癆 」という記載がみられるが、巨赤芽球性貧血については、その他の副作用に頻度不明として載っているのみである。
抗てんかん薬による葉酸欠乏はよく知られていますが、それがそのまま巨赤芽球性貧血という副作用に直結するわけではないのかな。頻度は稀なようです。

むしろバクタ(ST合剤)のほうが重大な副作用にも書かれている。

葉酸欠乏又は代謝異常のある患者(既往に胃の摘出術を受けている患者,他の葉酸代謝拮抗剤を投与されている患者,分娩後,先天性葉酸代謝異常症等)[葉酸欠乏を悪化させ,巨赤芽球性貧血を起こすことがある。]

との記載もあるし、フォリアミン併用したほうが良いかも知れない。
葉酸代謝拮抗剤のリウマトレックスには巨赤芽球性貧血という記載も見られない。骨髄抑制にひっくるめられているのかも知れないけど。

巨赤芽球性貧血かどうかは、血液検査のMCVという数値でわかります。
MCVは平均赤血球容積で、赤血球1個の平均の大きさを表します。これが高値であれば巨赤芽球性貧血である可能性がある。

薬の副作用で貧血

薬の副作用で貧血を起こすこともある。
「だるい」という訴えは比較的軽視されがちですが、医薬品による血液障害は重篤なものが多いので、そのような訴えを見逃さず検査を勧めることも大切です。

抗癌剤であれば骨髄抑制による赤血球減少によって貧血を起こすことは予測できる。
しかし機序不明なものが多く存在するので、全ての医薬品で起こりうる可能性があると考慮したほうが良いかも知れない。
その中でも、多く報告されている医薬品については「だるい」という訴えに敏感になる必要がある。

・溶血性貧血を起こす薬剤
βラクタム系抗生物質(ペニシリン、セファロスポリン)
消化性潰瘍治療薬(プロトンポンプ阻害薬オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールなど、ヒスタミンH2 受容体拮抗薬ファモチジン)
抗ウイルス薬(リバビリン、ラミブジン、リン酸オセルタミビル)
プリンアナログ抗腫瘍薬(フルダラビン、クラドリビン)
抗てんかん薬(フェニトインなど)

・赤芽球癆を起こす薬剤
抗てんかん薬、(バルプロ酸ナトリウム、フェニトイン)

・鉄芽球性貧血を起こす薬剤
イソニアジド、フェナセチン、ピラジナミド

・巨赤芽球性貧血を起こす薬剤
フェニトイン、ST 合剤、メトトレキサート、レボドパ、シスプラチン

貧血の種類

貧血には、メジャーな鉄欠乏性貧血、マイナーな溶血性貧血、悪性貧血、腎性貧血、巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血などがある。

よくお目にかかる鉄欠乏性貧血には、鉄剤が処方されます。
出血による貧血も、間接的に、赤血球の産生に必要な鉄の貯蔵量の不足や欠乏が起こってしまうので、鉄欠乏性貧血というカテゴリーに含められる。
女性に多い、生理による貧血も鉄欠乏性貧血。
軽いものであれば、鉄剤の処方。重くなれば、造血剤、止血剤、輸血も考えられる。

貧血を整理すると、赤血球破壊の亢進によるものと、赤血球産生の障害によるものに分けられる。
赤血球破壊の亢進によるもの:溶血性貧血
赤血球産生の障害によるもの:鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血(悪性貧血)、腎性貧血、再生不良性貧血

鉄欠乏性貧血:鉄不足
巨赤芽球性貧血:ビタミンB12、葉酸不足
腎性貧血:エリスロポエチン産生低下
再生不良性貧血:骨髄異常

貧血とヘモグロビン

糖尿病患者を多く相手にしていると、「ヘモグロビンの数値が5だった」とか聞くと、HbA1cのことかと勘違いしてしまう。

貧血患者で「ヘモグロビンの数値が5」と言われたらかなり低い。

貧血(症)は、血液中のヘモグロビン濃度が正常の範囲以下に低下した状態です。血液検査によって、ヘモグロビンの濃度を測定することで診断することができます。ヘモグロビンの基準値(正常値)は男性で14~18 g/dL、女性で12~16 g/dLです。ヘモグロビンが以下に示すぐらいまで低下したときに、貧血と診断されます。

貧血の診断(ヘモグロビン濃度の単位 g/dL:グラム・パー・デシリットル)
成人男性 14 g/dL未満
成人女性 12 g/dL未満
妊娠中  11 g/dL未満
高齢者  11 g/dL未満貧血の知識と対策(2) -貧血の診断方法- No.02 貧血Ch

疾患にもよるようだが、ヘモグロビンの数値が6~7くらいになったら輸血をするらしい。

ヘモグロビンの点滴?

貧血のためにヘモグロビンの点滴を打ってきたという患者がいた。

ヘモグロビンだけを点滴するってことはあるのか。
輸血だとしたら、全血製剤、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤などあるが、ヘモグロビン製剤というのは聞いたことはない。

恐らく患者の勘違いだと思いますが、造血剤のフェジンの可能性が高いかな。

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