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ラミクタール、テグレトールは薬疹が出やすい?
公開. 更新. 投稿者:てんかん.この記事は約3分34秒で読めます.
3,362 ビュー. カテゴリ:ラミクタールの用法用量と副作用被害
ラミクタールには、重篤な皮膚障害のため、2015年2月に安全性情報(ブルーレター)が出されました。
そのためラミクタールの警告には、皮膚障害に対する注意喚起や用法用量を守る旨の注意が書かれています。
ラミクタールは薬疹の副作用が多い薬ですが、用法用量をきちんと守っていないケースが多く、そのため薬疹の治療に対して副作用被害救済制度からの支払いがされないという事案も発生しているようです。
ラミクタールの用法は単剤での使用の場合、デパケンとの併用の場合、その他の抗てんかん薬と併用する場合で、用法用量が違っていて複雑ですが、覚えておきましょう。
ラミクタールの作用機序
ラモトリギンは電位依存性ナトリウムチャネルを阻害することで神経細胞膜を安定化させ、シナプス前細胞から興奮性神経伝達物質(グルタミン酸など)が遊離するのを抑制すると考えられている。
ラミクタールの代謝
代謝経路は、主にグルクロン酸転移酵素(UG1A4など)によるグルクロン酸抱合を受け尿中に排泄される。
そのため、グルクロン酸抱合に影響を与える薬剤との併用には注意が必要である。
抗てんかん薬では、フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)やカルバマゼピン(テグレトール)、フェノバルビタール(フェノバール)、プリミドンなどがグルクロン酸抱合を誘導することが知られており、併用によってラモトリギンの血中濃度が低下することが判明している。
フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドンとそれぞれ併用した臨床試験では、単剤投与時と比較して、ラモトリギンの消失半減期は約2倍に、血中濃度半減期は約半分になるという報告がある。
このため、ラモトリギンでは、併用薬別に投与開始時の初回用量や漸増方法、維持量が細かく定められている。
カルバマゼピンとスティーブンス・ジョンソン症候群
スティーブンス・ジョンソン症候群をひとことで説明すれば、「薬疹の最悪状態」といえます。
抗てんかん薬に限った副作用ではありませんが、カルバマゼピンを原因とするスティーブンス・ジョンソン症候群の報告例は非常に多いのです。
症状は口唇、口腔、眼結膜、外陰部の粘膜に高度の発赤、びらん、特にひどい状態では出血します。
処置が遅れると死に至ることもあり、皮膚症状が落ち着いても、なかには呼吸器や眼に障害を残す場合もあり、副作用のなかでは重篤といえます。
原因は薬物へのアレルギー(Ⅲ型アレルギー)と考えられていますが、非常に個体差が大きく、発症の機序は解明されていません。
長年同じ量の抗てんかん薬を飲んでいても、血中濃度測定は必要?
血中濃度が治療において必要とされている薬剤では、処方が変わらなくなった時期(維持期)でも血中濃度を測定し続けます。
多くは、薬剤が症状をコントロールできているかどうかをチェックするため、そして中毒(過量)域になっていないかチェックするために行います。
抗てんかん薬の血中濃度を測定する意義は3つあります。
1.抗てんかん薬が、本当にてんかん発作をコントロールできているのかを確認するため(偶然発作が起きていないのではなく、抗てんかん薬の効果により発作が治まっていることを確認するため)。
2.中毒(過量)域になっていないかをチェックするため。
3.服用した量に対して血中濃度がいつも同程度の比率であるかをチェックするため(吸収や代謝に問題があると、比率が変化する)。
このような理由により、抗てんかん薬は血中濃度測定を継続する必要があるのです。
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