更新日:2017年1月1日.全記事数:3,124件.

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慢性胃炎にセディール?


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機能性胃腸症とセロトニン

機能性胃腸症(FD)の病態発生には、セロトニン(5HT)が重要な役割を果たすと考えられている。

消化管における5HT受容体は、主にコリン作動性神経と平滑筋上に存在する。
モサプリド(ガスモチン)は、消化管内在神経叢に存在し、5HT4受容体を選択的に刺激し、コリン作動性神経からのアセチルコリン遊離を促進する。
アセチルコリンの遊離が増加することで、上部・下部消化管の運動や胃排出が促進されて、FDの症状を改善する。

タンドスピロン(セディール)は、抗不安作用によりFDに影響している精神心理的影響を取り除く。
同薬はさらに、胃の適応性弛緩作用を促進することからも、FDの治療に応用されている。

六君子湯には、胃の排出促進作用、適応性弛緩促進作用、胃粘液増加作用、グレリン(胃で産生される食欲促進ホルモン)の分泌促進作用(5HT2受容体拮抗作用による)があると報告されている。
さらに、ストレスにより分泌が増加する副腎皮質ホルモン、コルチゾール、ニューロペプチドY(交感神経機能の指標)の上昇を抑制することから、抗ストレス作用およびストレス伴い生じる不安、抑うつを改善する作用が認められている。

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシア(FD)とは機能性胃腸症とも呼ばれますが、以前は慢性胃炎としてひっくるめて呼ばれていたカテゴリーの病気。

機能性ディスペプシアもIBSと同様にRomeIII診断基準に基づいて診断されます。その中でディスペプシア(上腹部愁訴)は、(1)心窩部痛、(2)心窩部灼熱感、(3)もたれ感、そして(4)早期飽満感の4つとして定義されます。これら4つのディスペプシア症状のうち1つ以上を慢性的に有しており、かつ上部消化管内視鏡検査などにより癌や消化性潰瘍などの器質的な異常が確認されない場合、機能性ディスペプシアと診断されます。
さらに詳細には、機能性ディスペプシアは、食後愁訴症候群(postprandial distress syndrome: PDS)と心窩部痛症候群(epigastric pain syndrome: EPS)の2つに分類されます。食後愁訴症候群は食後のもたれ感や摂取開始後すぐに満腹感を覚える早期飽満感を主症状にするものであり、一方、心窩部痛症候群は、排便などでは改善しない心窩部の痛みや灼熱感を主症状にします。機能性ディスペプシア 消化器領域 臨床試験事業 総合医科学研究所

心窩部痛(胃痛)、心窩部灼熱感(胸焼け)、もたれ感(胃もたれ)、早期飽満感(膨満感)などの愁訴があります。
胃の調子が悪いけど原因がはっきりしない患者につけられる病名。

明日の仕事のことを考えると胃が痛くなる私にセディールをください。

参考書籍:日経DI2015.4

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