2016年12月21日水曜更新.3,270記事.5,325,314文字.

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てんかんの原因はグルタミン酸とGABA?

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グルタミン酸とGABA

興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸と抑制性神経伝達物質であるγ – アミノ酪酸(GABA)は、中枢では互いにバランスをとり機能しているが、このバランスの破綻によりてんかんは発症すると考えられている。

グルタミン酸は、焦点発作を誘発する発現機構に重要な役割をもつ。
またGABA 受容体の活性化はCl −チャネルを開口させ、欠神発作の軽減をもたらす。

抗てんかん薬 – Wikipedia

主な抗てんかん薬のイオンチャネルへの作用としてはNaチャネル抑制、T型Caチャネル抑制、非T型Caチャネル抑制、GABA類似作用、グルタミン酸の抑制に大別される。

GABA類似作用をもつのは、フェノバルビタール、バルプロ酸、ベンゾジアゼピン系、ガバペンチン、トピラマートなど。

グルタミン酸の抑制作用をもつのは、フェノバルビタール、ゾニサミド、トピラマートなど。

てんかん発作

てんかん発作の発現の機序としては、脳内の神経細胞と神経線維の間に流れる通常は微小な電流が、突発的な強い電気的変化のため一時的にショートして、機能が遮断されるために起きると考えられます。

てんかんの場合はこうした発作が繰り返し起こります。

脳神経細胞には興奮系の神経と抑制系の神経があります。

これらの神経はそれぞれが、自動車のアクセルとブレーキに喩えられます。

興奮系の神経が普段より「少し活動亢進」した状態は、いわゆる「興奮」という状態で、自動車の運転ならばスピードの出し過ぎに該当します。

この状態に気づいている場合もあれば、知らずに超過している場合もありますが、いずれにせよブレーキをかけて減速しようとすればできるような状況を指します。

そしてそれがさらに亢進してしまい、電気的にある閾値を超えて「暴走」となった状態が、「てんかん発作」と考えられます。

これはアクセルを戻せなくなってさらに加速してしまう状態や、ブレーキ力が弱くなって減速できない状態、またはそれらが同時に起こっている状況といえます。

つまりてんかん発作は、①興奮系神経の機能が亢進したとき、②抑制系神経の機能が低下したとき(もちろん①と②が併存することもある)ということになります。

①がてんかんの原因として説明するものを「興奮系異常亢進仮説」、②を「抑制系脱抑制仮説」といいます。

このような電気的異常により、てんかん発作は発生しているわけですが、しかしその電気的異常が最初になぜ起こるのか、という原因についてはまだ解明されていないのです。

抗てんかん薬の作用機序

ヒトの脳における「興奮」を司る代表的な神経系は「グルタミン酸神経系」で、「抑制」を司る神経系は「GABA神経系」です。

てんかん発作を起こしたとき、グルタミン酸神経系では、グルタミン酸が過剰に放出され機能亢進を起こして興奮を増している状態であり、反対にGABA産生の低下が起こり神経系に対する抑制機能が低下した状態にあるといえます。

実際このようにてんかん発作が発現するのであれば、発作を抑えるには興奮系を抑えて、抑制系を増強すればよいわけですが、現在臨床で用いられるものは「抑制」系のGABA神経系のみに作用するものになっています。

それらはGABAの量を増加させたり、GABA機能を維持したり、減弱した機能を増強させたりして、てんかん発作を抑制する作用を発現しようとするものです。

現在、興奮系のグルタミン酸神経系を抑制する薬剤を開発中ですが、副作用が強いこと(特に細胞毒性の問題)や、BBB(血流脳関門)への移行(浸透)が悪いため困難を極めているようです。

全般発作は、「異常興奮」を周りの神経細胞に伝えないようにすることで、発作からの守りを固める必要があります。

細胞レベルの実験によれば、全般発作が起きて大きな電気的変化があるとき、隣り合わせになった細胞同士は、電気的均衡を保とうとプラスの電位を帯びたナトリウム(Na+)やカルシウム(Ca2+)の電解質を流入させて同様に興奮させようとすることがわかっています(ちょうどスポーツ観戦の応援で観客が次々とウェーブをするような感じです)。

全般発作の治療薬は、このような興奮伝達を抑えるために興奮性電解質チャンネルに作用して、普段のように閉じた(不活化)状態を維持するようにナトリウム(Na+)やカルシウム(Ca2+)の流入量をコントロールして神経細胞の細胞膜電位を安定化させるような作用機序をもっているのです。

ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬

抗てんかん薬は、神経細胞に存在するイオンチャネルなどに作用することで神経細胞の興奮性を低下させ、てんかん発作(神経細胞の異常興奮)を抑制します。

従来の抗てんかん薬はNa+チャネル、Ca2+チャネル、あるいはGABA受容体、グルタミン酸受容体のいずれか、あるいはその複数部位に作用する。

α、β、γ、σ、およびεの5つのサブユニットから構成されているGABAA受容体のアロステリックモジュレーターとして働くベンゾジアゼピン類やフェノバルビタールは、αサブユニットに結合すると、βサブユニットにGABAが結合して惹起され、ニューロンの過分極をさらに増大する。

この結果、発火閾値を上げることによりニューロンの群発発火を抑制する。

GABAA受容体(Cl-チャネル)のベンゾジアゼピン結合部位に結合して活性化させ(Cl-チャネルが開き)、神経細胞の膜電位を過分極させることで興奮性を下げます。

イミノスチルベン系抗てんかん薬

従来の抗てんかん薬はNa+チャネル、Ca2+チャネル、あるいはGABA受容体、グルタミン酸受容体のいずれか、あるいはその複数部位に作用する。

全般けいれん発作に有効なPHT、CBZ、ZNS、VPAなどはいずれもNa+チャネルを抑制する。

この場合、これらの薬物はNa+チャネルの非活性化過程を延長することにより、発作焦点の活動電位のうち、最初の活動電位には影響を与えず、頻回発火を抑制する。

同時に、活動電位の伝播を抑制することにより、発作波の伝播を抑制する。

この結果、神経伝達物質の放出も抑制されることからニューロン間の伝達が抑制される。

スクシミド系抗てんかん薬

従来の抗てんかん薬はNa+チャネル、Ca2+チャネル、あるいはGABA受容体、グルタミン酸受容体のいずれか、あるいはその複数部位に作用する。

Ca2+チャネルのうち低電位閾値のT型チャネルを抑制するESMとZNSは、Ca2+流入を抑制することにより緩徐脱分極を減少し、ニューロンの興奮性を低下させる。

T型チャネル抑制薬は脳波上の棘徐波複合を抑制する。

バルビツール酸系抗てんかん薬

従来の抗てんかん薬はNa+チャネル、Ca2+チャネル、あるいはGABA受容体、グルタミン酸受容体のいずれか、あるいはその複数部位に作用する。

α、β、γ、σ、およびεの5つのサブユニットから構成されているGABAA受容体のアロステリックモジュレーターとして働くベンゾジアゼピン類やフェノバルビタールは、αサブユニットに結合すると、βサブユニットにGABAが結合して惹起され、ニューロンの過分極をさらに増大する。

この結果、発火閾値を上げることによりニューロンの群発発火を抑制する。

ベンズイソキサゾール系抗てんかん薬

抗てんかん薬は、神経細胞に存在するイオンチャネルなどに作用することで神経細胞の興奮性を低下させ、てんかん発作(神経細胞の異常興奮)を抑制します。

T型Ca2+チャネルを抑制することで神経細胞の興奮性を下げます。

従来の抗てんかん薬はNa+チャネル、Ca2+チャネル、あるいはGABA受容体、グルタミン酸受容体のいずれか、あるいはその複数部位に作用する。

全般けいれん発作に有効なPHT、CBZ、ZNS、VPAなどはいずれもNa+チャネルを抑制する。

この場合、これらの薬物はNa+チャネルの非活性化過程を延長することにより、発作焦点の活動電位のうち、最初の活動電位には影響を与えず、頻回発火を抑制する。

同時に、活動電位の伝播を抑制することにより、発作波の伝播を抑制する。

この結果、神経伝達物質の放出も抑制されることからニューロン間の伝達が抑制される。

Ca2+チャネルのうち低電位閾値のT型チャネルを抑制するESMとZNSは、Ca2+流入を抑制することにより緩徐脱分極を減少し、ニューロンの興奮性を低下させる。

T型チャネル抑制薬は脳波上の棘徐波複合を抑制する。

分枝脂肪酸系抗てんかん薬

抑制性神経伝達物質であるGABAの分解酵素(GABAトランスアミナーゼ)を阻害し、シナプス間隙のGABA濃度を上昇させることでGABAA受容体を活性化させ、神経細胞の興奮性を下げます。

従来の抗てんかん薬はNa+チャネル、Ca2+チャネル、あるいはGABA受容体、グルタミン酸受容体のいずれか、あるいはその複数部位に作用する。

全般けいれん発作に有効なPHT、CBZ、ZNS、VPAなどはいずれもNa+チャネルを抑制する。

この場合、これらの薬物はNa+チャネルの非活性化過程を延長することにより、発作焦点の活動電位のうち、最初の活動電位には影響を与えず、頻回発火を抑制する。

同時に、活動電位の伝播を抑制することにより、発作波の伝播を抑制する。

この結果、神経伝達物質の放出も抑制されることからニューロン間の伝達が抑制される。

GABAの再取り込み阻害や代謝抑制を示すVPAやtiagabineなどはGABAの濃度を上昇させ、これによりニューロンの過分極を亢進し、ニューロンの群発発火を抑制する。

フェニトイン系抗てんかん薬

従来の抗てんかん薬はNa+チャネル、Ca2+チャネル、あるいはGABA受容体、グルタミン酸受容体のいずれか、あるいはその複数部位に作用する。

全般けいれん発作に有効なPHT、CBZ、ZNS、VPAなどはいずれもNa+チャネルを抑制する。

この場合、これらの薬物はNa+チャネルの非活性化過程を延長することにより、発作焦点の活動電位のうち、最初の活動電位には影響を与えず、頻回発火を抑制する。

同時に、活動電位の伝播を抑制することにより、発作波の伝播を抑制する。

この結果、神経伝達物質の放出も抑制されることからニューロン間の伝達が抑制される。

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コメント

  1. 抗てんかん薬の作用機序のところで

    実際このようにてんかん発作が発現するのであれば、発作を抑えるには興奮系を抑えて、抑制系を増強すればよいわけですが、現在臨床で用いられるものは「抑制」系のGABA神経系のみに作用するものになっています。

    とありますが、Na+イオンチャネル抑制やCa2+イオンチャネル抑制のお薬は興奮系神経に作用するものではないのですか?

    佐久間:2017/9/18

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