更新日:2016年11月2日.全記事数:3,190件.

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トレシーバとノボラピッドの合剤?


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ライゾデグの用法

トレシーバとノボラピッドの合剤で「ライゾデグ配合注 フレックスタッチ」というインスリン製剤が販売されている。
2つの有効成分を配合したインスリン製剤は世界初で、空腹時および食後血糖値の両方を改善します。

インスリン デグルデクがトレシーバで、基礎分泌を補充し、空腹時血糖値を低下させる。
インスリン アスパルトがノボラピッドで、追加分泌を補充し、食後の血糖値を低下させる。

ノボラピッドみたいな速効性のインスリンは毎食直後に使うものだと思ってましたが、ライゾデグの用法は以下のように1日1回OR1日2回となっている。

本剤は、超速効型インスリン(インスリン アスパルト)と持効型インスリン(インスリン デグルデク)を3:7のモル比で含有する溶解インスリン製剤である。通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日1~2回皮下注射する。1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、毎日一定とする。1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与する。投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。

ノボラピッド30ミックスとか1日1回で使うこともあるし、このインスリン デグルデク/インスリン アスパルトの合剤も1日1回で効果アリなのだろう。
単位数さえ調節すれば、1日3回という用法もできそうだけど、保険適応的にはNG。
あんまり注射剤の新薬出されると、デッドストックが気になる。

ライゾデグへの切り替え

ライゾデグ300単位の中身は、トレシーバ210単位とノボラピッド90単位です。
ノボラピッドが30%なので、ノボラピッド30ミックスに近い波形となっている。

ノボラピッド30ミックスからの切り替えは同単位数で問題ない。
トレシーバを使っている患者から切り替えたいときはどうすればいいだろう?

添付文書には、

1日1回又は1日2回投与の中間型又は持効型インスリン製剤あるいは混合製剤によるインスリン治療から本剤に変更する場合、患者の状態に応じて用量を決定するなど慎重に本剤の投与を開始すること。目安として1日投与量は前治療におけるインスリン製剤の1日投与量と同単位で投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性を考慮の上行うこと

となっているので、トレシーバからの切り替え時にも同じ単位数から始める。

ベーサルとベーサルボーラス

人間には2つのインスリン分泌のパターンがあります。
ひとつは24時間続けて分泌する基礎インスリン(Basalインスリン)で、もうひとつは毎食後に分泌される、追加インスリンと呼ばれるタイプのインスリンです。
インスリン治療では、正常な人のインスリンの体内分泌を再現することが理想であると考えられています。

そこで、正常な人のインスリン分泌を再現しようとする方法が基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)です。
つまり空腹時や毎食後の血糖値がコントロールできない場合、1日1~2回の基礎インスリンと、1日3回食事の前に追加インスリンを打つ方法です。
この基礎・追加インスリン療法は、人のインスリン分泌に近い分泌パターンを実現できるため、血糖値のコントロールを厳格に行えます。

 理由としては、十分量の基礎インスリンを補うことで内因性および外因性の追加インスリンを効率よく働かせることができること、Basalから開始した方がその適量を決めるのが容易なことを挙げた。その上で、日本ではインスリン療法はBolusで導入されることが多いが、良好な血糖コントロールが得らない場合にはBasalの導入を躊躇しないことも重要だと指摘した。インスリン治療はBasalで導入してBasal-Bolusに移行するのが望ましい:日経メディカル

トレシーバとかランタスとかレベミルみたいな持効型インスリンを基礎インスリンとしてまず投与して、そのあとノボラピッドとかアピドラみたいな超速効型を追加インスリンとして投与する。

追加インスリンは食事量とかにも左右されるし、適量を決めるのは難しい。
基礎インスリンを決めてから、追加インスリンを決めるほうが方法としてはやりやすい。

NPHインスリン製剤の問題点

ベーサルボーラス療法における基礎分泌の補充として多くの患者が使用していたNPHインスリン製剤は、主に眠前に注射される。
しかし、ベーサルボーラス療法における基礎分泌の補充には従来から問題点があった。
主な問題点を3つ挙げる。
①NPHインスリン製剤には作用に明らかなピークが存在するため、深夜に低血糖のリスクが生じる。
②十分な作用持続時間が得られずに、早朝に血糖上昇を招くことがある。
③懸濁製剤であるため、毎回の懸濁操作が不十分であるとインスリン注入量が変動し得る。
そこで、これらを解決する製剤の開発が望まれていた。
近年、ヒトインスリンのアミノ酸配列を修飾したインスリンアナログ製剤がいくつか開発された。
その1つである持効型溶解インスリンアナログのインスリングラルギン製剤(ランタス注)は前述3つの問題点を解決し得る製剤として用いられている。

参考書籍:調剤と情報2008.3

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