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カーボカウント法で血糖コントロール?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分14秒で読めます.
2,771 ビュー. カテゴリ:カーボカウント法
インスリンを使っている患者の多くは、例えばノボラピッドを朝昼夕食直前に10単位ずつ使うといった指示に従って使用している。
しかし、その場合、食事の量にも配慮する必要がある。多すぎれば十分に血糖値を下げることができないし、少なければ低血糖を起こすリスクが出る。
このようなインスリンの使用量に食事が縛られるのではなく、食事の量に応じたインスリンを投与する方法としてカーボカウント法というのがある。
カーボカウントのカーボとは、炭水化物のこと。炭水化物(糖質)は英語で「carbohydrates(カーボハイドレイト)」と呼びます。
食事中の炭水化物量を把握して、食後の血糖値を調整する方法をカーボカウント法といいます。
食べる炭水化物の量と、それを代謝するために必要なインスリンの量を知ることによって、食後の血糖値を安定させることができます。
アメリカでは1カーボを15gと設定していますが、日本の多くの施設では1カーボを10gとカウントしています。これは日本の食品交換表は1単位が80kcalであり、炭水化物20gに相当することから、こちらのほうが計算がしやすくなるためです。
インスリン/カーボ比
インスリン1単位でどれだけの糖質を処理できるかを示すのが、「インスリン/カーボ比」です。
ここが一番わかりづらいところで、「カーボ」の部分が、上記の1カーボ(炭水化物10g)を使用していたり、単純に炭水化物量で計算していたり、書物によって異なります。
300ルールや400ルールといった場合には、「g」で計算します。
インスリン/カーボ比=300÷1日総インスリン量(Total Daily Dose of insulin: TDD)
300ルールで1日インスリン使用量が30単位だとしたら、1単位で10gの炭水化物を処理できるという計算になります。
インスリン効果値
インスリン効果値とは 1 単位の超速効型インスリンで低下する血糖値を表します。
インスリン効果値30の人は1単位の超速効型インスリンの投与で約4時間後に血糖値が 30mg/dl 低下すると考えます。
1700ルールや1800ルールがあります。
1700ルールの場合、1700÷(1日の総インスリン量(TDD))=インスリン効果値
1日30単位使っている患者の場合、56.666… となり、1単位で50~60mg/dl下がる。 けっこう下がりますね。
このインスリン/カーボ比とインスリン効果値を使って、食前に血糖値を測り、どのくらいの食事量を摂るかを決め、必要なインスリン量を計算するという方法がカーボカウント法です。
簡単な方法
とにかくルールとか面倒なので、始めたいという人は、
インスリン/カーボ比:1.0、インスリン効果値:50
または
インスリン/カーボ比:0.5、インスリン効果値:100
から始めます。
まず、計算方法はさておき、このようなコントロール方法で、処方せん記載の使用単位数から逸脱した使い方をしている患者がいることを知っておこう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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