2024年4月19日更新.2,754記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

麻薬性鎮咳薬は喘息に禁忌?

【PR】

喘息と痰

麻薬性鎮咳薬は気道分泌を抑制して、痰の排出を抑えてしまうので、気管支喘息に使えない。

リン酸コデインの禁忌をみると、
「気管支喘息発作中の患者〔気道分泌を妨げる。〕」
という記載がある。

発作中じゃなきゃ使える。
その咳が喘息によるものでなければ、使用されることもありうる。
しかし、喘息発作には注意が必要です。

麻薬で咳が止まる

リン酸コデインとかリン酸ジヒドロコデインなどの麻薬は、麻薬性鎮咳薬として咳止めに使われます。
確かに麻薬です。連用すれば麻薬中毒にもなりましょう。
市販薬でも以前はリン酸コデインの入ったものがありました(今は無いかな?)。
ブロン液を1回1本飲む麻薬中毒者もいたようです。
咳止めとして使われる限りは、連用による中毒など心配する必要は無いでしょう。
リン酸コデインの1%ならただの劇薬、10%だと麻薬の指定になっています。リン酸コデイン錠20mgは麻薬ですが、錠5mgは麻薬でも劇薬でもありません。

中枢性麻薬性鎮咳薬

延髄の咳中枢を直接抑制することにより鎮咳作用を示す。
コデイン類は不適正な使用により薬剤依存を生じることがあるので医師の指示通りの用法・用量を守るよう指導する。
コデイン類は眠気、めまいを起こすことがあるので自動車の運転等には従事させない。

便秘等の抗コリン作用が発現した場合は医師に相談するよう指導する。
中枢性麻薬性鎮咳薬の副作用には依存性、呼吸抑制、気管支痙攣、麻痺性イレウス、眠気、悪心、嘔吐、便秘、排尿障害などがある。
重篤な呼吸抑制も起こりうるので喘息発作中、慢性肺疾患には用いない。
三環系抗うつ薬、β遮断薬、抗コリン薬の併用は注意する。

気管支喘息と鎮咳薬

咳は気道から異物を排除する防御反応のひとつです。
それを止めてしまうと異物が排除されなくなります。
そのため、咳止めによって細菌やウイルスを排除できなくなり、風邪症状が長引くことが考えられます。

喘息の患者さんでは痰の分泌が健康な人より多く、気道を塞いでしまい呼吸困難に陥ることがあります。
痰が絡んでいるような湿性の咳に咳止めを使うときは要注意です。

咳止めは1人1箱まで?

 厚生労働省医薬食品局は、リン酸コデインやリン酸ジヒドロコデインなどを含有する一般用鎮咳去痰薬について、患者への販売量を制限し、十分な服薬指導を行うことなどを求める通知を発出した。また、使用上の注意の「してはいけないこと」に、「過剰服用・長期連用しないこと」を追記することも指示した。
 これらの成分を含有する一般用鎮咳去痰薬については、液剤は従来から同様の取り扱いを行っていたが、錠剤や散剤などを含め、内用薬の販売方法を揃えることになる。
 今後、薬局・薬店は、販売量を原則として1人1包装単位にとどめ、大量使用者や長期連用者と思われる場合には、販売を控えなければならない。購入者から症状を聞いて、効能・効果に該当することを確認し、用法・用量などに関する十分な服薬指導を行うことも必要になる。また、中高生などの若年者が購入を希望した場合には、保護者による購入希望の事実確認や、氏名、身分証明書等による住所、年齢、学校名などの確認を行う。
 配置販売については、必要最低限量を配置し、配置先が大量使用者や長期連用者の場合は配置しない。また、消費者に対して効能・効果を十分に説明すると共に、配置先に用法・用量に関する服薬指導や、若年者が過量服用・長期連用しないよう、十分な説明を行うことが求められる。

【厚労省】リン酸コデインなど鎮咳去痰薬の販売量制限 薬事日報ウェブサイト

コデインの入ったOTCってどれくらいあるのかと思い、医薬品医療機器情報提供ホームページで検索したら571件ヒットしました。

結構ありますね。

全部第1類医薬品にしてしまえ。

【PR】
薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

【PR】

コメント

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


カテゴリ

本の紹介

yakuzaic
yakuzaic/著
2023年09月14日発売

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
SNS:X(旧ツイッター)
プライバシーポリシー
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

最新の記事


人気の記事

検索

【PR】