2018年10月16日更新.3,348記事.5,695,001文字.

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パーキンソン病と薬剤性パーキンソニズムの違いは?

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パーキンソン病と薬剤性パーキンソニズム

パーキンソン病の場合、初期症状は片側性の場合が多く、その進行は数ヶ月から年単位でゆっくりである。

しかし、薬剤性パーキンソニズムの場合、症状に左右差が少なく、初期症状がみられてからの進行がパーキンソン病に比べて数週から数ヶ月単位と速い。

決定的なのはL-ドパが有効であるか否かである。

また、患者の表情にも注意を払うとよい。

「このごろ、どうも無表情になってきたような気がする」という場合も錐体外路障害の可能性がある。

薬剤性パーキンソニズムであることが疑われた場合、速やかに医師と協議し、該当する可能性のある薬剤の中止や変更を検討する必要がある。

以下は、薬剤性パーキンソニズムの特徴であるが、絶対的なものではない。
1.進行が早い。
2.突進現象が少ない。
3.運動症状の左右差が少なく、左右対称性のことが多い。
4.姿勢時・動作時振戦が出現しやすい。
5.ジスキネジー・アカシジアを伴うことが多い。
6.抗パーキンソン薬の効果が少ない。

嗅覚検査で鑑別

パーキンソン病は、安静時振戦、無動・寡動、筋強剛、姿勢反射障害(体のバランスを取りにくい、転びやすい)など、特徴的な症状を呈する疾患である。
主に壮年期以降に表れやすく、自律神経症状や精神症状など非運動症状との関連も指摘されている。

パーキンソン病の診断基準としては、①経過が進行性である、②安静時振戦、動作緩慢、歩行障害のうち1つ以上の自覚症状がある、③神経所見で、前述の4症状(安静時振戦、無動・寡動、筋強剛、姿勢反射障害)のうち1つ以上の自覚症状がある、④抗パーキンソン病薬の投与により自覚症状、神経所見が改善する、⑤脳血管障害、薬剤性、その他の脳変性疾患が鑑別できる、などが提唱されている。

さらに、パーキンソン病は嗅覚障害を伴う神経変性疾患として知られ、パーキンソン病患者の9割以上に発現するとの報告もある。
一方で、進行性核上性麻痺、本態性振戦、薬剤性パーキンソニズムなどでは嗅覚障害を合併しないとされており、パーキンソン病か否かを診断する上で嗅覚検査は有用な手法とされる。
嗅覚検査には、米国ペンシルベニア大学のDotyらが開発したUPSIT(University of Pennsylvenia Smell Identification Test)という40種類の嗅素を用いた方法が、世界的に広く用いられている。
日本では、携帯性、保存性に優れた、においスティック検査(OSIT-J;Odor Stick Identification Test for Japanese)や、カード型の検査キットを用いた試験が広まっている。

薬剤性パーキンソニズムは治る?

薬が原因で起こる薬剤性パーキンソニズムの場合、ほとんどは原因薬物の投与中止により症状は可逆的に改善します。

ほとんどが中止から2~3ヵ月で症状が消失しますが、時に半年くらいかかることもあります。

しかし、ごくまれに不可逆性のこともあります。

薬が原因でパーキンソン病になってしまうということもあるので、注意が必要です。

パーキンソン病患者に抗精神病薬を使う場合

パーキンソン病患者の精神症状のコントロールのため、抗精神病薬の投与が必要な場合がある。

長期間継続投与してもパーキンソニズムを悪化させにくい抗精神病薬は、本邦ではクエチアピンのみである。

使用期間を制限すればリスペリドンでも治療が可能である。

第2世代の抗精神病薬のうちオランザピンあ、おそらく精神症状の改善なく運動症状を悪化させるので、パーキンソン病患者の精神症状の治療目的には使用しないことが勧められている。

抗精神病薬による薬剤性パーキンソニズム

第1世代の抗精神病薬(セレネース、コントミン等)は、高リスクに薬剤性パーキンソニズムを起こす。

第2世代の抗精神病薬(セロトニン・ドパミンアンタゴニスト、多元受容体標的化抗精神病薬およびドパミン・システムスタビライザー)は、第1世代抗精神病薬よりも薬剤性パーキンソニズムを起こしにくい。

第2世代抗精神病薬の薬剤性パーキンソニズム誘発のリスクは、リスペリドンは低から中等度リスク、オランザピン(ジプレキサ)は低リスク、クエチアピン(セロクエル)は超低リスクおよびアリピプラゾール(エビリファイ)は低リスクである。

統合失調症の治療は長期投与が原則として必要なことから、薬剤性パーキンソニズムの予防は困難なことが多い。

薬剤性パーキンソニンズムを合併した統合失調症の治療において、抗精神病薬の減量や中止が困難なときは、トリヘキシフェニジル等の抗コリン性の抗パーキンソン病薬が第1選択に選ばれる。

アマンタジンが第2選択薬または追加薬として使用されることもある。

高齢者の器質性疾患による精神症状やせん妄の治療目的で抗精神病薬を使用する場合は、精神症状のコントロールができてから4~5日程度で抗精神病薬を中止し、長期間の使用を避けることが望ましい。

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