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点眼後に目をパチパチしちゃダメ?
公開. 投稿者:眼/目薬/メガネ.この記事は約4分51秒で読めます.
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点眼後に目をパチパチしちゃダメ?
点眼後にまばたきをしたほうが効果が出ると思っている患者がいる。
目から鼻に落ちてきたほうが、広い範囲に行き渡っている感じがするようだ。
実際には、目頭を押さえて、鼻に落ちないようにしたほうが眼に効果的というわけだ。
あと、1滴さすよりも2滴さしたほうがより効くんじゃないかと思っている人もいる。
2滴さしても3滴さしても、涙嚢の中には1滴分しか入りません。
もったいないし、鼻から流れ落ちると、全身性の副作用の原因にもなるので止めましょう。
点眼後に目をパチパチ、小さい頃よくしていました。
目薬がよく行き届くようなイメージがありますが、目薬は目にだけ働かせればいいので、全身に行きとどかせる必要は無い。
鼻涙管からの排出
涙嚢から分泌された涙液は内眼角にある上下の涙点から吸引され、涙小管、涙嚢、鼻涙管を通り、鼻腔に達する。さらに咽頭、胃へと流れるものもある。
1回の瞬目で1.5~2.0μLの涙液が排出されるため、結膜嚢内の点眼薬も瞬目により速やかに排出される。
眼内への移行率を向上させるためには、点眼後に瞬目せず閉瞼して数分間安静にするとよい。鼻涙管から排出された点眼薬の一部は全身循環へ移行し、時に全身性の副作用を引き起こすことがある。
目薬の使い方は難しい
誰でも簡単に使える、と思われがちな目薬ですが、正しく点眼できている人はほとんどいないという話。きちんと効果を出すため、全身への副作用を回避するため、目頭を押さえることくらいは指導しましょう。
目薬の正しい使い方
・点眼前に手を洗う
・指で下まぶたを軽く引き、容器の先がまつ毛に触れないように注意する
・点眼は1回1滴とする
・点眼後は静かに目を閉じ、軽く目頭を押さえる
・目の周りに溢れた薬液は拭き取り、手についた薬液は洗い流す
・複数の点眼液を使う場合は、5分以上の間隔をあける
・決められた点眼時間と点眼回数を守る。
・目薬は他人と共用しない。
・開封してから1か月以上経った目薬は使用しない。
点眼方法のポイント
①眼瞼およびまつげに触れずに1滴点眼する。
②点眼後はまぶたを閉じるか、または涙嚢部を圧迫する。
③眼からあふれ出た液は拭き取る。
点眼は結膜嚢容量30μLと涙液量7μLに対して点眼液量50μLですので一滴であふれることになります。
ですので、点眼指導の際は一滴であふれることを前提に涙嚢部圧迫や閉眼を勧めます。
目薬の使い方はほとんどの人が間違っている?
目薬の使い方なんて適当でいいでしょ、というのが大体の人の考えでしょう。
多めに点眼したからといって、飲み薬ほど副作用が出るわけでもない。
花粉症シーズンで痒み止めに目薬がよく処方されますが、1回1~2滴なんて指示もあります。
多めに使って花粉を洗い流す、なんて医者の指示も。
「点眼後しばらくまぶたを閉じて目頭を軽く押さえる」という行動はほとんどできていないようなので、薬局でも啓蒙が必要。
目薬の命中率
目薬の容器が5mLで、1滴0.05mLとして計算すると、約100滴注せる。という計算のもと、残薬確認をしても、予想以上に減りの早い患者がいる。
話しを聞くと、けっこう失敗することが多いようだ。
「年のせいかしら」と、うなだれる姿を見ると、可哀そうになる。
そういう自分も、目薬を使ったのは10年以上前のことなので、うまく注す自信は無い。
ヒアレインとかカリーユニとか、安めの目薬なら失敗してもまたトライすればいいと思えますが、タリムス点眼液とか1本1万円近くする目薬失敗してたら、「1回100円ですよ。UFOキャッチャーよりもったいない。」と責め立てそう。
横になって点眼する
首が曲がらない、腕や肩が上がらないなどで、上手に点眼できない方は、「横になって、仰向け」で点眼すると注しやすい。
点眼補助具
ドラッグストアには、「らくらく点眼」などの点眼補助具が売っているので、試してみるのもよい。
日本アルコンのホームページに、点眼方法が書かれていた。
「両手点眼指差し法」と「げんこつ法」。
このように空いた手で固定する方法も、失敗を減らす良い方法である。
子どもの点眼方法
目薬をうまく注せない患者には、手元がぶれる高齢者以外にも、目薬が怖いという子どもがいる。
子どもに目薬を注す場合には、まず目頭の部分に目薬を滴下して、そのままの姿勢で目をパチパチさせると自然に目薬が入っていく。
赤ちゃんであれば、寝ているときに目頭に落として、眼を指で開く、という方法もある。
怖いなら、眼を閉じている間に注せばいいというわけです。
寝てる間に目薬?
寝てる間に目薬を注す。
もちろん自分ではできませんが。
子供に目薬を注すときに有効な方法だという。
起きているときに目薬を注そうとしても、怖がったり、目をつぶってしまったりと、なかなか難しい。
眼科の教科書には、正座した大人の太ももの間に子供の頭を固定して点眼する方法も載っているそうな。
かなり無理矢理ですね。
そこで勧められるのが、子どもが眠っている間に点眼する方法。
目頭に1~2滴垂らし、下まぶたをそっと下げて目の中に薬剤を流し込む。
昔は就寝前の点眼はよくないと言われていましたが、今の目薬は防腐剤も以前より少なく問題はない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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