更新日:2016年12月24日.全記事数:3,169件.

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SSRIとSNRIの違いは?


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SSRIとSNRIの違いは

SSRIとは選択的セロトニン再取り込み阻害薬のことで、SNRIとは選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬のことです。
名前のとおり、SSRIはセロトニンのみに作用しますがSNRIはセロトニンとアドレナリンに作用します。

SSRIは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬であり、セロトニントランスポーターに作用して、脳内の神経細胞内へのセロトニンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙のセロトニン濃度を高める薬剤とされています。

これに対してSNRIは選択的セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬で、セロトニンとともに、ノルアドレナリンの神経細胞内への再取り込みを阻害し、シナプス間隙のセロトニン、ノルアドレナリンの濃度を高めるとされています。
SNRIのほうが、一挙両得のような気がして効きそうですが、そういうわけでもないようです。

いずれの薬剤も、アセチルコリン、ヒスタミン、ドパミン受容体など、ほかの神経伝達物質受容体に対する親和性は示さないとされ、三環系抗うつ薬にみられるような抗コリン作用、抗ヒスタミン作用による副作用の問題がないことが特徴とされています。

SSRIとSNRIとの主な違いは、脳内のノルアドレナリン濃度の上昇の有無にあり、これが作用、副作用に多少の差をもたらしていると考えられています。

臨床上の効果については、明確なデータはないようですが、一般的にセロトニン濃度の上昇は、意欲の亢進に関与すると考えられており、不安感が強い、意欲の低下が見られるなどの個々の症状に応じて使い分けられていることもあるようです。

SSRI、SNRIの使い分け

うつの症状で、特徴的な2つの症状は“抑うつ気分”と“気力減退”ですが、これがそれぞれ セロトニンとノルアドレナリンが担当しているのです。

縫線核から発するセロトニン作動神経線維は、気分の制御、摂食行動、睡眠、性行動などの生命活動の根幹と深く関連した機能を調節する。その不調は、うつ、パニック、強迫、摂食などさまざまな精神症状にかかわる。
青斑核から発するノルアドレナリン作動神経線維は、身体の内外の環境変化を監視し、反応をどの順番で処理すればよいかという機能を司る。その不調は、呼吸困難、頻脈、冷汗、めまいなどの自律神経発作を惹起する。

“抑うつ気分”の症状が前面に出ている場合には「SSRI」を、“気力減退”の症状が前面に出ている場合には「SNRI」が選択されます。
両者が同じぐらいのときにはその他の症状のうち、不安について検討します。強迫的で被害的な内容を伴う不安がある場合には「SSRI」 を、衝動性を伴わない漠然とした不安の場合には 「SNRI」が選択されます。
しかし実際の臨床場面で、軽度なうつの場合は こうした症状が顕著に現れず、SSRIとSNRIの 選択に迷うこともあります。そんなときにはもっと大きなとらえ方で症状を把握するようにし、不安や余裕のなさがみられるときには「SSRI」 を、やる気のなさや億劫感が認められるときには 「SNRI」を、といった具合に選択していきます。

また、仮面うつといわれる、うつ症状よりも身 体症状などが著明な場合には、どちらかといえば「SNRI」を選択します。
ただ気をつけなければならないのは、自殺念慮や自殺企図につながるような兆候がみられた場合です。
基本的に外来でそうした危険性がみられた場合は入院治療が勧められることが多いのですが、 入院が選択できず、外来で治療せざるを得ない場合もあります。
そうした場合は、SSRIの使用は自殺のリスクが高いという報告がありますし、SNRIも同様に衝動性に変化をもたらす可能性があるので、両者とも積極的には選択しないようにします。

SNRIは選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬?

SNRIはSerotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitorの略であり、Selective Noradrenaline Reuptake Inhibitorの略ではありません。

Selective Noradrenaline Reuptake Inhibitor:選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬は、Selective NRIとよばれ、レボキシチンがありますが、国内では市販されていません。

サインバルタ

デュロキセチンはセロトニン再取込み阻害作用が強く効果が期待されるが、投与早期の胃腸症状に注意する。

用量調節しやすい。
投与早期の胃腸症状や不眠に注意。
肝障害患者への投与は控える。

ミルナシプランに引き続き、2010年1月に、わが国で2番目のSNRIとしてデュロキセチンが上市となった。
この薬剤はセロトニン再取り込み阻害作用およびノルアドレナリン再取り込み阻害作用が強力で、しかも両者のバランスの取れたSNRIである。

うつ病の症状のなかでも、精神運動抑制・意欲低下、倦怠感などに効果が期待できる薬剤である。

投与開始初期用量は20mgとし、その後、1週間以上の間隔をあけ、治療用量である40mgへ1ステップで増量できる1日1回朝食後投与の簡便な方法となっている。
効果不十分な場合は60mgまで増量できる。

この薬剤は肝臓に存在する酵素CYP1A2で代謝されるため、この酵素を阻害する薬剤との薬物相互作用には注意が必要である。

参考書籍:調剤と情報2007.4

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