2018年5月25日金曜更新.3,290記事.5,379,679文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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下剤を連用しちゃダメ?

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下剤の連用

下剤を連用すると、腸が刺激に慣れて服用量を増加しないと薬が効かなくなってしまいます。
一般的に、刺激性下剤は耐性が現れやすく、塩類下剤は耐性ができにくいと言われています。
塩類下剤をベースに飲んで便を出しやすくし、それでも出ない場合は刺激性下剤を頓服で使って排便を促すように、上手に使い分けるようにしましょう。

便秘の薬は便秘の治療には不可欠であり、基本的には副作用はほとんどなく、上手に使うことで、排便習慣の確立に役立つ。

ただし一般的に、急性腹症、器質的便秘、腸狭窄や閉塞などでは禁忌となる。
腸管穿孔の危険性がある。

同一製剤の長期連用は習慣性を生じるため種類を変えるか、または作用機序の異なるものを併用する。
正常の排便リズムが回復すれば薬剤は漸減、中止する。

大腸刺激薬は骨盤内充血をきたすので、痔疾患患者、骨盤内臓器の炎症、月経時には通常使用しない。
強力な下剤の連用による脱水、低K血症に注意する。

塩類下剤は習慣性が少ないので長期使用されるが、まれに高Mg血症がみられるので、とくに腎障害時には注意する、などの配慮が必要である。

マグミットは一包化に入れる?

便秘がちという方によく処方されるマグミット。
酸化マグネシウムは基本的に安全性は高い薬。連用してもほとんど副作用の心配はいらないだろう。

そんな酸化マグネシウムを含むマグミットやマグラックスの処方で、一包化を指示されてくることがある。
指示通りマグミットも朝昼夕に入れて渡すでしょうか。

これは薬剤師によって判断が分かれる事案かもしれませんが、私は必ず患者に確認してから一包化します。
基本的にはマグミットはシートのままお渡しする。
どうしても面倒だ、施設の人が管理しており自己調節が難しい、など患者サイドの要望があれば一包化に含めます。

大腸メラノーシス

刺激性の下剤を長年常用していると、大腸の粘膜に色素が沈着して黒くなってきます。これを大腸メラノーシスといいます。

内視鏡検査や手術時などに偶然発見されることが多い。
メラノーシス自体はただ、黒くなるだけで大腸癌の原因になったりということはありません。

しかし、下剤を長期連用しているという証拠なので、下剤が効きにくくなっている状況であることは想像がつきます。

原因としては、アントラキノン系下剤の連用、慢性便秘や消化管出血、慢性消耗性疾患、大腸癌などによる腸管通過障害などの状態において生じやすいと言われているが詳しい発生機序はわかっていない。

下剤による場合、色素沈着の程度が用量依存的で、服用期間が長いほど色素沈着も強い傾向があるとの報告もある。
女性に多いとも言われ、投与中止により、4~12ヶ月で色素沈着が消失すると言われている。

下剤の耐性と直腸型便秘

下剤使用時に特に問題とされるのは、大腸刺激性下剤の連用による耐性の発現で、ピコスルファートナトリウム以外の大腸刺激性下剤の添付文書には、「重要な基本的注意」の項に「連用による耐性増大等のため効果が減弱し、薬剤に頼りがちになることがあるので長期連用を避ける」旨が記載されています。

また、浣腸や坐剤の連用は、直腸を頻回に刺激することになり、粘膜が過敏となったり、逆に感受性が低下して、排便反射が得られず、直腸性便秘の原因となったりすることがあります。

下剤を頻回に使用しなければならない場合は、原則として、大腸刺激性下剤や坐剤などは避け、膨張性下剤、浸透圧性下剤をまず考慮することが望ましいとされていますが、膨張性下剤のカルメロースナトリウムは量が多くなると服用しにくく、大量の水分摂取が必要なこと、浸透圧性下剤のラクツロースは、小児の適応しか認められていないことなどの問題があり、これらの製剤が常用されることは多くありません。

塩類下剤は汎用されますが、効果が不十分な場合は、やはり大腸刺激性下剤が用いられ、服用が長期に及ぶ場合もしばしば見られます。

このような例に対しては、生活習慣の改善や食事療法を根気よくアドバイスし、薬剤が漸減できるようにサポートすることも大切と思われます。

下剤はクセになる?

下剤を長期に連用すると、腸の働きが鈍くなってきて、効果が無くなってくるといわれています。
しかし、下剤を大量に処方されて連用している患者さんは多いです。

「あまり使わないほうがいいですよ。」とか「生活習慣の改善が大切です。」などと薬剤師が言っても、余計なお世話と捉えられそうです。
患者さん本人が一番苦しんで、食生活や運動などできることはしているハズなので。

便秘も生活習慣病と考えたら、高血圧や糖尿病のように一生付き合っていく気持ちで対応しないとダメなのかも知れません。

浣腸はクセになる?

浣腸はクセになるとよく言われます。
下剤もクセになる、と言われる。

赤ちゃんの綿棒浣腸はクセにならない、とか育児本には書いてあります。

赤ちゃんの便秘と大人の便秘はまず違いますね。
赤ちゃんの便秘は離乳食の開始時期が多い。腸がミルクから離乳食に慣れるまでの一時的な便秘であることが多い。
だからクセにならない。

大人の便秘は生活習慣、食習慣によるもの。
なかなか変えられない。
薬がクセになっているのではなく、便秘がクセになっている、ということ。
だからなかなか止められない。

癖になりにくい下剤

酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム(以上、無機塩類)、カルメロース(CMC)やプランタゴオバタ、寒天、小麦ふすま(以上、膨潤性瀉下薬)、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS:糞便中の水分増量とぬめりを与える湿潤性瀉下薬)、マルツエキス(麦芽糖)が癖になりにくい下剤です。

便秘の解消には、食生活を改善することが重要で、瀉下薬(便秘薬・下剤)の使用は一時的にします。

特にセンナやダイオウ、アロエ、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなどの大腸を刺激する瀉下薬は、常用すると腸管の感受性が低下し、効果が弱くなりますので、常用は避けます。

瀉下薬は少量から開始し、効かない場合は少しずつ増量し、硬くも軟らかくもない便が排泄できるように適量を設定します。

就寝前に服用して、朝起きたときや朝食後に排便があるのが理想的です。

瀉下薬や浣腸を乱用すると効きが悪くなり、体内のカリウムイオンの喪失から下痢と便秘を繰り返し、直腸粘膜が正常に反応しなくなります。

食生活の改善

繊維を多く含む食品や乳製品、炭酸飲料、水分を多めに摂ることが大事です。

朝起きたときに牛乳や水をコップ一杯飲むことで大腸が刺激され、便意を催すことがあります。

できる限り朝食を摂るように心がけ、それに伴う排便反射があったときには我慢せず、すぐトイレに行くよう心がけます。

また、おなかをマッサージすることで便意を催すことがあります。

参考書籍:調剤と情報2012.9

下剤の空振り

下剤を飲んでも便が出ない、という人がいる。
よくいる。

それでも毎日下剤を使っている。
それはちょっと悪循環に陥っている。

どんなに下剤を飲んでも、その人のリズムを壊してまで出すことはできない。
たとえば便秘4日目に飲んで5日目に出たとしたら、効いているのは4日目に飲んだ下剤だけ。

それ以前の下剤は無駄に腸を動かして、便秘を悪化させているとも考えられます。
しかし、以前聞いた話で、センナが腸内細菌の作用でレインアンスロンに代謝されて瀉下作用を発揮しますが、センナを代謝する腸内細菌の数を増やすために、エサとしてセンナを与え続けるという話も聞いたことがある。

便秘じゃないのに下剤を飲む?

長期に下剤に依存していると「自分は便秘」と思い込んでいることが多く、実際は下剤による下痢が原因で排便周期が乱れているだけということもあります。

下剤

下剤はその機序から、腸内容物の容量を増加させ柔らかくし、排泄を容易にするなど物理的に働く機械的下剤と、腸の蠕動運動を亢進させる刺激性下剤の二つに大きく分けられる。

機械的下剤

塩類下剤:酸化マグネシウム、マグミット、マグラックス

糖類下剤:マルツエキス

膨張性下剤:バルコーゼ

浸潤性下剤:ビーマスS

刺激性下剤

小腸刺激性下剤:ヒマシ油

大腸刺激性下剤:テレミンソフト、ラキソベロン、アジャストA、アローゼン、セチロ、プルゼニド

下剤は、①機械性下剤(塩類下剤、糖類下剤、膨張性下剤、浸潤性下剤など)、②腸刺激性下剤(大腸および小腸)、③自律神経に作用する薬剤、④プロスタグランジン製剤、⑤坐薬や浣腸薬、⑥腸管洗浄剤などに分けられ、これらの作用・副作用の特質をよく認識して使用する必要がある。

一般的に、便秘の治療薬としては塩類下剤からはじめ、弛緩性常習性便秘で効果が乏しい場合には膨張性下剤、さらに刺激性下剤を使用する。

自律神経作動薬を併用することも勧められる。

同一薬剤の長期間投与(特に大腸刺激性下剤)は習慣性になり常用量の増加をもたらすので、下剤の種類や他の下剤との併用など工夫が必要であり、排便習慣が回復した場合には減量や中止を必ず考慮する。

また、特に高齢者の常習便秘では弛緩性と直腸性の合併が多く、その場合には積極的に坐薬・浣腸薬の併用を行うべきである。

刺激性下剤は常習性便秘に有効であるが、痙攣性便秘にはむしろ刺激性下剤は避け、塩類下剤に膨張性下剤を加え、また自律神経系に作動する薬物を併用するのがよいと考えられる。

・痙攣性便秘に関しては、塩類下剤や膨張性下剤を用い、また積極的に自律神経に作動する消化管運動機能調整薬を使用する。

・直腸性便秘は弛緩性便秘に合併している場合が多く、弛緩性便秘に対する処方に坐薬や浣腸薬を併用してもよい。

・いずれにせよ全身衰弱患者、高齢者、腹部手術後の患者には下剤の投与と投与量は慎重に考慮する。

大腸刺激性下剤

アントラキノン系誘導体:センナ、大黄、アロエなどの生薬類に含まれる配糖体であり、小腸より吸収されて血行性に、または直接大腸粘膜を刺激する。

アントラキノン系誘導体:アルカリ尿で赤色を呈し、連用すると大腸黒皮症をきたす。

ジフェノール誘導体:ピコスルファート(ラキソベロン)は腸内細菌叢由来のアリルスルファターゼにより発生するジフェノール体の大腸粘膜刺激によって下剤作用を現す。

ジフェノール誘導体:大腸検査の前処置には150mgと大量に用いる。

ジフェノール誘導体:液体のため量が調節しやすい、習慣性がないなどの利点があり、幼小児、高齢者でも頻用される。

ビサコジル(テレミンソフト)は大腸刺激性下剤に属し、大腸検査の前処置に頻用される。

新レシカルボンは直腸内で徐々にCO2を発生し、腸運動を亢進させるため直腸性便秘に使用する。

センナ、センナエキス、センノシドなどのアントラキノン誘導体、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなどがあります。

センナなどのアントラキノン誘導体はいずれも成分にセンノシドA、Bを含有し、これが大腸の腸内細菌の作用でレインアンスロンとなり、大腸のアウエルバッハ神経叢を刺激して、蠕動運動を亢進、水分、ナトリウムの吸収を抑制するといわれています。

配合剤の成分となっているダイオウ、カサンスラノールの成分もアントラキノン誘導体で、その作用はセンナと同様と考えられています。

ピコスルファートナトリウムも、大腸の腸内細菌由来の酵素であるアリルスルファターゼによる加水分解を受けて活性体のジフェノール体となり、大腸の蠕動運動の亢進、水分吸収阻害作用を示します。

これに対して、ビサコジルは、そのままの形で大腸粘膜に作用し、蠕動運動の促進、水分、ナトリウムの吸収抑制作用を発現します。

医療用の製剤は坐剤だけですが、OTC薬では内服薬もあり、胃や小腸に対する刺激作用を防ぐため腸溶性製剤となっています。

大腸刺激性下剤は、センナ・ダイオウなどのアントラキノン誘導体が主体となる。

大腸腸内細菌叢の作用で活性物質を生成し、大腸粘膜や腸壁の神経を刺激して腸運動を促進する。

・常習性弛緩性便秘に用い、痙攣性便秘に用いてはならない。

・腹痛を伴う場合、重症硬便、腸管や骨盤に炎症が存在する場合には原則禁忌。腹部手術後も慎重投与。

・妊婦や授乳中には禁忌。ただし、ラキソベロンは妊娠中でも有益性が危険性を上回る場合のみ投与可能。

・アントラキノン系薬剤、フェノールフタレイン系薬剤は尿が赤くなることがある。

・耐性が生じた場合は難治性となるので、可及的に連用を避ける。

・ラキソベロンやアントラキノン系薬剤は、併用薬や食物の吸収に影響する可能性がある。流動パラフィンは、脂溶性ビタミンの吸収障害を起こすことがある。

・フェノールフタレイン誘導体とアルカリ薬は配合禁忌。ビサコジルとアルカリ性制酸薬、牛乳との併用もよくない。

メラノーシスについて:アントラキノン系薬剤は長期に連用すると消耗色素が大腸粘膜に沈着して、内視鏡にて黒色の粘膜を呈する。色素は粘膜固有層のマクロファージに取り込まれたもので上皮
への沈着ではない。下剤中止後1年程度で正常化する可逆的で良性の病態であるが、長期に経過すると上皮細胞への障害や腸管神経叢の機能障害が生じる可能性も指摘されている。

刺激性下剤

OTCの便秘薬の多くに使われているセンナ、センノシド、アロエ、ダイオウなどは、腸内細菌の作用で活性体(レインアンスロン)に変化し、胆汁で加水分解され大腸粘膜を刺激する。

ピコスルファートナトリウム

アリルスルファターゼによって加水分解されて活性型のジフェノール体となって大腸粘膜を刺激する。

ビサコジル

ビサコジルは、医療用では坐薬のみであるが、OTCでは飲み薬として使われている。

腸粘膜の副交感神経末端に作用して蠕動運動の亢進、排便反射への刺激をもたらす。

また、直腸内の水分吸収を抑制し、便の容積を増大させる作用も示す。

プロスタグランジン製剤

プロスタグランジン製剤も強い腸管運動亢進作用を示すが、下剤としてでなく腸管運動障害に使用する。

・lubiprostoneは新しいタイプの薬剤であり、欧米では臨床応用が開始されている。プロスタグランジンE1の構造に由来した二環の脂肪酸である。これは、選択的にヒト胃腸管上皮細胞の絨毛膜に存在するCIC-2というクロライドチャネルを活性化し、クロールに富む分泌液を管腔に排出させる作用を有する。また、機序は不明であるが、小腸や大腸の通過時間も短縮させる。したがって、いままでの下剤と異なりユニークな作用機序を有することからその有用性が期待されている。主な副作用は嘔気で、通常の用量では心配される血清電解質の変化はみられないとされる。通常の特発性便秘のほかに、過敏性腸症候群の便秘型にも有効であったとの報告がみられる。

坐薬・浣腸薬

坐薬・浣腸薬は、直腸を局所的に刺激して排便反射を誘発する。

新レシカルボンは炭酸ガスを発生し、テレミンソフトはジフェニル体による刺激をもたらす。

・直腸性便秘に使用するが、連用は便意のリズムを乱し、閾値を高めるので可及的に避ける。

腸管洗浄剤

腸管洗浄剤はマグネシウム塩を含むマグコロールや、ポリエチレングリコールと電解質からなるニフレック、あるいはリン酸ナトリウム含有製剤のビジクリアなどがある。

主に注腸検査や大腸内視鏡検査の前処置に用いられ、機序的には浸透圧性下剤に分類される。

・マグコロール、ニフレックやビジクリアなどの腸管洗浄剤は、大腸検査や腹部外科手術の前処置以外は保険適応がない。また、重症の腸管感染症に使用してはならない。

・大量の水分を大腸に負荷するため、腸管内圧亢進による腸管穿孔や腸閉塞、虚血性大腸炎の発生が報告されており、重大な副作用として注意喚起されている。
特に高齢者での使用には注意すべきで、用量の変更や、他の下剤(ラキソベロン)との併用などの工夫も必要。

・飲用できない場合に、糖質を添加したりすると浸透圧が変化し、可燃性ガスの発生をみるので行ってはならない。

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