更新日:2016年12月31日.全記事数:3,190件.

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ザイロリックとユリノームの違いは?


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尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬の違いは?

高尿酸血症は尿酸産生過剰型(肝臓で尿酸が過剰に産生されるタイプ)と尿酸排泄低下型(腎臓で尿酸が排泄されにくいタイプ)と混合型(尿酸産生過剰型+尿酸排泄低下型)の3つのタイプに分類されます。

尿酸排泄低下型が約60%を占め、尿酸産生過剰型が10%で、混合型が30%程度です。

尿酸排泄低下型に対しては尿酸排泄促進薬を、尿酸産生過剰型に対しては尿酸生成抑制薬を使用することが推奨されています。

高尿酸血症は、尿酸排泄低下型と尿酸産生過剰型、両者の混合型の3つのタイプに大別され、ガイドラインの中では、排泄低下型60%、産生過剰型12%、混合型25%とするデータが紹介されています。

ザイロリック(アロプリノール)は尿酸の産生を抑制する薬剤であり、原則として尿酸産生過剰型に使用され、排泄低下型に対しては、ユリノーム(ベンズブロマロン)のような尿酸排泄促進薬が適応となります。

ただし、アロプリノールは尿酸排泄低下型に対しても効果があるとする報告があり、尿路結石やその既往がある場合は、尿酸排泄促進薬では尿中への尿酸排泄の増加により、結石を悪化させる危険性があるため、アロプリノールが使用されます。

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版(2010年)では、病型に沿って「尿酸排泄低下型」は尿酸排泄促進薬を、「尿酸産生過剰型」は尿酸生成抑制薬を選択するよう推奨しています。
しかし、検査の煩雑さから正確な病型診断はあまり行われていないのが実状です。

参考ですが、日本国内では尿酸排泄低下型60%、尿酸産生過剰型12%、混合型25%、正常型3%という報告があります2)。
このように高尿酸血症を示す日本人の中で尿酸排泄低下型が85%に達する一方、臨床現場における薬剤の処方実態は尿酸生成抑制薬が尿酸排泄促進薬を上回っています。そうだったのか!?高尿酸血症診療Q&A|ザイロリック【Zyloric】|GlaxoSmithKline

高尿酸血症の病型分類を調べるには、1日尿中尿酸排泄量、尿酸クリアランス、クレアチニンクリアランスなどを調べるために入院することが必要。
そこまでする医師はいないので、とりあえず尿酸降下薬を処方しますが、日本人に多い尿酸排泄低下型に効くユリノームを処方するほうが理に適っているはず。
しかし、尿路結石というデメリットを考えるとザイロリックやフェブリクのほうが安心して処方できるというわけだ。
でも、一定期間、尿酸生成抑制薬を投与して尿酸値の下げ幅が低いようであれば、尿酸排泄促進薬に切り替えたり、ザイロリックとユリノームを併用するという選択肢もある。腎機能に注意する必要はありますが。

尿酸産生過剰型と尿酸排泄促進型

高尿酸血症は、尿酸の産生量と排泄量のバランスが崩れることにより生じる病態であり、尿酸産生過剰型と尿酸排泄促進型の2つの病型に大別される。

尿酸産生過剰型はプリン体の過剰摂取やATPの大量消費などから尿酸の産生が過剰になっている病態である。

一方、尿酸排泄低下型は尿酸トランスポーターの遺伝子多型、インスリン抵抗性などによる尿酸トランスポーターの亢進、脱水などの要因により尿酸の排泄が低下している病態である。

本邦では、尿酸排泄低下型60%、尿酸産生過剰型12%、混合型25%であり、尿酸排泄低下型素因を持つ症例が多いと報告されている。

それに対し尿酸降下薬は尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬の2種類に分類され、その作用機序の違いに留意すべきである。

尿酸生成抑制薬は肝臓においてキサンチンオキシダーゼを阻害することにより尿酸の生成を抑制する薬剤である。

一方、尿酸排泄促進薬ベンズブロマロンは、腎臓の近位尿細管において尿酸トランスポーターURAT1を阻害することにより尿酸の再吸収を抑制し尿酸の排泄を促進する薬剤(URAT1阻害薬)である。

作用機序の観点から、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)」でも記載されている通り、患者の病型にあわせて適切な尿酸降下薬を選択すべきである。

すなわち、尿酸産生過剰型には尿酸生成抑制薬、尿酸排泄低下型には尿酸排泄促進薬を選択することが基本原則となる。

参考書籍:ファーマトリビューン2012.2

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