2018年12月14日更新.3,343記事.5,772,518文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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薬局製剤はPL法の対象?

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薬局製剤はPL法の対象?

薬局製剤は、製造物責任法(PL法)の対象となります。

これは製品の欠陥による消費者被害について被害者を保護するための法律で、薬剤師が治療費や場合によっては弁護士費用等に対して責任を負うことになります。
このような場合に備えて薬剤師賠償責任保険への加入が推奨されています。

薬局製剤とは?

薬局製剤は、薬局において「加工」されたと考えられるので「製造物」に当たります。

したがって、薬局製剤に欠陥があり、それが原因で患者に損害があった場合、薬局は、製造物責任法に基づく責任を負うことになります。

薬局製剤が原因で、仮に患者に損害があった場合には製造物責任を負うでしょう。

院内製剤はPL法の対象?

院内製剤については、院内製剤を調剤の前提行為と見れば調剤すなわち役務に含まれると考えられるので、後記の調剤薬と同様に製造物責任の対象にならないと考えられます。

一方で、院内製剤は実質的に見れば製造や加工にほかならないとして「製造物」に当たるという考え方もあります。

院内製剤は、個々の患者さんを特定してから作られるものではないという性質を考えると調剤薬と同列に考えることはできず、「製造物」に当たると考えるのが妥当であり、院内製剤も製造物責任法の適用があると考えられます。

調剤はPL法の対象外?

次に、薬局での処方せんに基づいて散剤などの混合(その他、液剤の調製、錠剤の粉砕など)を行ったが、その薬剤に欠陥があった場合はどうでしょか。

一般的には、薬剤師の調剤行為は役務であるので調剤薬は例え「加工」などがされたとしても「製造物」には当たらず、製造物責任法上の責任の対象にはならないと解されています。
この考え方によれば、調剤薬が原因で患者に健康被害が起きたとしても製造物責任法に基づく責任を薬剤師や薬局が負うことはありません。

もっとも、割烹料亭で調理した魚を食べ、その魚の毒素が原因で食中毒を起こしたお客さんが、料亭に対して製造物責任に基づく請求をした事例で請求を認容した裁判例があります。

この裁判例は、調理という役務の提供においての製造物責任を認めた事例とも考えられますので、調剤薬において絶対に製造物責任が問われないとは言い切れません

これは、今後の裁判に委ねられている問題だと言えますが、通常の範囲の調剤薬であれば、製造物責任が問われる可能性は低いと考えられます。

しかし、調剤薬に欠陥があった場合には、薬剤師の過失が認められる場合が多いと考えられ、その場合には、当然、不法行為責任や契約責任が発生しますので、ミスなどがないように注意しなければならないのは言うまでもありません。

院内製剤とは?

院内製剤とは、医療上必要と判断されたが市販されていない医薬品を、医師の求めに応じ病院の薬剤師が製造するもの。
2種の薬を混ぜるような単純なものから、試薬などを使い新たな薬を作る特殊なものまである。
保険がきかず、費用は病院負担となることが多い。

院内製剤は長年、医療現場で当たり前に行われ、問題点も認識されていたが、法的にグレーゾーンにあり、積み残されてきた。
それでも続いてきたのは、既存の薬だけでは不十分なことが現実にあるためだ。
企業は採算の合わない薬には及び腰だし、海外で効果が確認済みの薬でも、国内の承認に時間がかかるという問題もある。
院内製剤から市販化につながった医薬品もあり、医療に貢献している面も少なくない。

とはいえ、正規の医薬品でない以上、患者への情報開示や適切な使用、品質管理を徹底する仕組みは不可欠で、個々の病院の努力に任せるだけでは限界がある。
医薬品は通常、治験をして国の承認を受け、製薬会社が販売するが、院内製剤はこの手続きを経ない。
患者数の少ない病気の薬や、普通の薬では体質に合わない患者の薬など、治療に必要だが、販売されていない場合を補う苦肉の策だ。
しかし、薬事法に明確な規定がなく、医療機関の判断で作られるため、品質保証や安全性担保が明確でない。

院内製剤は、病院ごとに調製方法が異なることが珍しくない。
例えば、メトロニダゾール軟膏の場合、病院によって濃度に幅があり、基剤も親水軟膏(乳剤性基剤)やマクロゴール軟膏(水溶性基剤)など様々である。
このため院内製剤は一般に、調製方法によって効果が異なる可能性がある。
また、転院先で院内製剤が作られないために、治療の継続が困難になることもある。
また、院内製剤には、製造物責任法(PL法)が適用されない。
加えて、医薬品副作用被害救済制度の対象外である。
そのため、院内製剤を使用する際は、上記を含めた説明と患者の同意か必要となる。
場合によっては、院内の倫理委員会の承認も必要になる。
費用に関しては、日本病院薬剤師会の「院内製剤の調製及び使用に関する指針(Ver.1.0)」において、原料薬剤の適応症以外の目的で使用する場合、原則として患者から費用を徴収しないとする記載がある。
癌性皮膚潰瘍に対するメトロニダゾール軟膏の院内製剤はこれに該当する。
また医科診療報酬に院内製剤加算(入院42点、その他8点)があるが、これも原料薬剤の適応外で使用する場合は算定できない。

参考書籍:クレデンシャル2012.1、調剤と情報2013.6

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