2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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期限切れ医薬品を販売してはダメ?

期限切れ医薬品の販売禁止

平成25年の医薬品販売制度改正で、「使用の期限を超過した医薬品の販売等の禁止」が盛り込まれ、それまでは明記されていなかった使用期限切れ医薬品の販売が禁止とされました。

つまり平成25年までは期限切れ医薬品を販売しても良かったのです。良いということはありませんでしたが、取り締まる法律が無かったとのこと。

しかし、ネット上で医薬品の販売がされるようになったとともに、期限切れの医薬品を両者の合意のもと販売されるケースが出てきたので、法律が改定されたとのことです。

賞味期限切れの食品を販売することに罰則は無いようですが、食品の賞味期限と医薬品の使用期限とでは、そのリスクが全く異なる。

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」の第十五条の三、第百四十七条の四には以下のように書かれている。

(使用の期限を超過した医薬品の販売等の禁止)
第十五条の三 薬局開設者は、その直接の容器又は直接の被包に表示された使用の期限を超過した医薬品を、正当な理由なく、販売し、授与し、販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列し、又は広告してはならない。
(使用の期限を超過した医薬品の販売等の禁止)
第百四十七条の四 店舗販売業者は、その直接の容器又は直接の被包に表示された使用の期限を超過した医薬品を、正当な理由なく、販売し、授与し、販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列し、又は広告してはならない。

期限切れ医薬品の販売はダメです。
当たり前ですが。

しかし、期限切れに気づかずに、期限切れの医薬品が患者の手に渡ってしまうということもある。
調剤事故になります。
貼付剤や軟膏チューブ、PTPシートに期限が記載されている薬剤であれば、患者が気づくことができるが、期限の記載されていないシートの場合、あるいは混合した散剤、軟膏、一包化薬などでは、患者自身が気づくことはできない。

もし薬剤交付後に、期限切れが発覚した場合、連絡し交換に伺うかどうかは薬剤師の良心に委ねられている。

薬機法違反ですので、発覚した場合には、悪質な場合には営業停止などの行政処分が下る可能性もあります。気を付けましょう。

薬の期限はいつまで?

内服薬のシートには期限の記載が無いものが多いので、期限切迫品でも気にせず使える。

7月が有効期限の薬を7月中に調剤する、なんてことも意図してか意図せずしてかわからないが、行われているであろう。
長期処方の場合、その薬を期限が切れた後に使うことも想定されるが、「期限が切れてもすぐに効果が減弱するわけではないし」と開き直る薬剤師もいる。

注意すべき薬は、点眼薬や点鼻薬、吸入剤、シップなど、製品に有効期限が記載されているものだ。
これらを期限切れ間近に投薬してしまったら、患者とトラブルになる可能性が高い。

点眼薬や点鼻薬などはせめて、2~3か月の余裕は欲しいところだ。
メプチンエアーやサルタノールインヘラーなど、喘息の発作止めなどはせめて1年くらいの余裕は欲しいか。

そのほか、注意する薬として、ニトロペンやミオコールスプレーなどの硝酸剤がある。
これらの狭心症発作の薬は、一応持っておくけど、ほとんど使わない、という患者さんが多くいる。
無くなったから処方された、というよりも、期限が切れたから処方してもらった、というケースがほとんど。
そういう薬はとくに有効期限にシビアになると思われ、注意が必要。
せめて1年くらいの余裕は欲しいかな。

チェーン店で他の店舗に転送する場合は、早めの対応を。

悪魔のささやき

薬局が期限の切れた薬を調剤するわけがない。
という性善説。

食品の賞味期限とは違うけれど、賞味期限切れの食品でも食べる、という人は多い。
昔もらった、自宅に置いてある古い薬を使うというケースもあるだろう。
多少期限が切れても、薬の効果が無くなるわけではないし。

薬価の高い薬を捨てるのはもったいない。
経営者からグチグチ言われるのもいやだ。
バレなければ、問題ない。

・・・
という悪魔のささやき。

大手のチェーン薬局では、薬の管理はしっかりしており、期限切れの薬を使うなんてことはあり得ない。
なんてことはない。
結局、薬の期限を管理しているのは、薬剤師個人個人なのです。

一人薬剤師の薬局も多い。
外用薬には薬の期限が記載されているものが多く、患者にバレるけど、内服薬のシートには期限は書かれていない。

・・・

回転率の高い薬は、「先入れ先出し」を徹底することが難しい。
100錠1箱の薬を100錠ピッタリで調剤することはほとんど無い。

新しい箱を開けるときに、必ず古い箱のハンパ分も含めて調剤しているかどうか。
ハンパ分が多い場合、あまりバラバラになったシートを渡すと、それはそれで問題で、ハンパ分は2つまでとか規制している薬局もある。
そうなると、古い箱のハンパ分が余って、古い箱の期限を切り取って一緒に棚に置くのが一般的かと思いますが。

回転率が高い薬だと、「どうせ使うだろう」とサボってしまう薬剤師がいないとは限らない。
そんなこんなで、ハンパ分の期限管理が徹底されていないことも想定される。

・・・

そんなダメダメ薬剤師の悪意のつけ込む隙を与えないためには、箱出し調剤とかが良いのかなと思ったりする。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

1 件のコメント

  • 前期高齢者 のコメント
         

    仮に、月初にある一般用医薬品の使用期限が月末に来るような場合に販売価格を下げて、割引きして販売した場合には、違反になりますよ?

コメント


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プロフィール

yakuzaic
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