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ボタンを押さなくても注入されるオートインジェクションって?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分47秒で読めます.
9,766 ビュー. カテゴリ:オートインジェクター
知らぬ間にオートインジェクター製剤が増えています。オートインジェクターとは、薬液を自動的に注入する注射器です。
本体を皮膚に押し当てるだけで、注射針が患者の目に触れることなく自動的に皮膚に刺さり、薬液が注入されます。「針を見るのが怖い」という患者にとっては刺しやすくなります。
オートインジェクター製剤には以下のようなものがある。もっとあるかもしれないが、調べた限り。
医薬品名 | 効能効果 | 用法 |
---|---|---|
アクテムラ皮下注162mgオートインジェクター | 既存治療で効果不十分な下記疾患 関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) 高安動脈炎、巨細胞性動脈炎 | 2週間隔、1週間隔 |
エピペン注射液 | 蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る) | 1回 |
オゼンピック皮下注0.25mgSD/オゼンピック皮下注0.5mgSD/オゼンピック皮下注1.0mgSD | 2型糖尿病 | 週1回 |
オレンシア皮下注125mgオートインジェクター1mL | 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) | 週1回 |
ケブザラ皮下注150mgオートインジェクター /ケブザラ皮下注200mgオートインジェクター | 既存治療で効果不十分な関節リウマチ | 2週間隔 |
シンポニー皮下注50mgオートインジェクター | 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の改善及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る) | 4週に1回 |
テリボン皮下注28.2μgオートインジェクター | 骨折の危険性の高い骨粗鬆症 | 週に2回 |
トルツ皮下注80mgオートインジェクター | 既存治療で効果不十分な下記疾患 尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症 強直性脊椎炎 | 2週間隔、4週間隔 |
トルリシティ皮下注0.75mgアテオス | 2型糖尿病 | 週に1回 |
ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター | 既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス | 1週間の間隔 |
医薬品名に「オートインジェクター」と書いてあるのはわかりやすいが、「オゼンピック皮下注」とか「トルリシティ皮下注アテオス」とかはわかりづらい。
薬液の注入時間
自分で注入するのではなく、自動で注入される場合、気になるのが、薬液が注入しきったのかどうかがわかりづらいという点です。
そのため、注入し終わった後に「カチッ」と音が鳴りますが、聞こえづらいこともあります。
そのため、ボタンを押してから何秒くらいで薬液が注入し終わるのかという目安の時間があります。
アクテムラ:15秒
エピペン:数秒間
オゼンピック:6秒
オレンシア:15秒
ケブザラ:15秒
シンポニー:3~15秒
テリボン:5秒
トルツ:10秒以内
トルリシティ:10秒以内
ベンリスタ:3秒
レパーサ:約15秒間
患者さん向けの使い方説明書には上記のように書かれています。
シンポニーの3~15秒とか、差があり過ぎ。
途中で抜いちゃうと、薬液がピシューと出てきてしまう。
曖昧な時は、全て「15秒」と伝えておけば間違いない。
トルリシティ当て押す
トルリシティの投与には、「アテオス」という専用の注射器を用いる。投与部位に注射器を「当てて押す」ことから、アテオスと名付けられた。1回使い切りの製品で、インスリン製剤のような空打ちは不要である。針も内蔵されており、注入後は自動的に針が格納される構造となっている。
注射器のボタンを押すと「カチッ」という音がして注入が始まり、そのまま待つと2回目の「カチッ」という音がして注入が終わる。薬液の注入は遅くとも10秒以内には終わります。終わったと思って、早とちりして抜いてしまうと、薬液がこぼれてしまうので注意です。長めに当てておきましょう。
音が聞こえなかった場合は、注射筒の透明な部分にゴムピストンが現れているかどうかで注入完了を確認できる。なお、薬液の入っている筒はガラス製で、落下させると破損する恐れがあるため、取り扱いに注意する。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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