2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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頻尿にミニリンメルト?

ミニリンメルトの効能効果

ミニリンメルトの添付文書を調べてみたら、
ミニリンメルトOD錠25µg/ミニリンメルトOD錠50µg と、
ミニリンメルトOD錠60μg/ ミニリンメルトOD錠120μg/ ミニリンメルトOD錠240μgの2つが出てきた。

低用量と高用量バージョン。

何が違うのかと言うと、適応症が違う。
60μg/ 120μg/ 240μgの適応症は、「尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症」「中枢性尿崩症」
25µg/50µgの適応症は、「男性における夜間多尿による夜間頻尿」
である。

ミニリンメルトの低用量製剤は、子どものおねしょだけでなく、大人のおねしょにも使えるようになったわけである。
今までの高用量製剤でも大人に使えなかったわけではないのですが、水中毒、低ナトリウム血症などの副作用が高齢者によくみられたため、低用量製剤の販売となったのだろう。

しかし自分も昔に比べて、夜中の排尿頻度は増えているが、ミニリンメルト(デスモプレシン)使うというのは抵抗がある。

「効能又は効果に関連する注意」には、以下のように書かれている。

本剤投与は、以下の精査及び治療等を行った上でも、夜間多尿指数が33%以上、且つ夜間排尿回数が2回以上の場合にのみ考慮すること。

・夜間頻尿の原因には、夜間多尿の他に、前立腺肥大症、過活動膀胱等の膀胱蓄尿障害等があることから、夜間頻尿の原因が夜間多尿のみによることを確認すること。前立腺肥大症及び過活動膀胱で夜間頻尿の症状を呈する場合には当該疾患の治療を行うこと。その上で、夜間頻尿の症状が改善しない場合には、次に示す夜間多尿の精査及び治療を行った上で、本剤の投与の可否を考慮できる。

・夜間多尿の原因となる疾患(高血圧症、糖尿病、心不全、腎不全、肝胆道疾患、睡眠時無呼吸症候群など)があることに留意し、本剤投与前に血圧測定、心電図、血液・尿検査等の臨床検査や問診等を実施すること。これらの疾患が認められた場合は、当該疾患の治療を行うこと。

・飲水制限などの生活指導及び行動療法を行うこと。

最終手段的な感覚です。

利尿剤を服用している患者はもちろん禁忌なので、適応となる高齢者は少ないのかも知れませんが、恐らく、介護の現場などではニーズの高い薬なのだろう。

認知症+夜間頻尿などあれば、介護者にとってかなり負担になるでしょうし、褥瘡のリスクなども増える。

そう考えると、血圧コントロールや浮腫に利尿剤を使っている高齢者も多いが、夜間頻尿が介護者の負担になっていれば、処方の必要性を考慮することも大事なのだろう。

本人のためを思って利尿剤を処方していても、排尿に関するトラブルはデリケートで、問題を抱えていても口外しないケースもあるだろうし。どうしても医師は治療優先、薬剤師もコンプライアンス優先で話せば、本人あるいは介護者の判断で自己調節してしまうこともあるだろう。
本人よりも介護者優先で考えなければならないケースもあるかも知れない。

排尿トラブルは難しいと考える今日この頃でした。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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