更新日:2016年12月21日.全記事数:3,096件.今日の勉強

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五苓散の坐薬?


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五苓散の注腸?

小児の胃腸炎では、早期に嘔吐を伴うことが多い上、脱水症状を来しやすい。

ウイルス性の場合は、一般に制吐薬や整腸薬などの対症療法がメーンとなるが、嘔吐のため経口薬が飲めないことが少なくない。

そうした場合に、胃腸炎に対して薬剤を肛門から注入する治療法(注腸)を行う小児科が多い。

五苓散は、沢瀉、蒼朮、猪苓、茯苓、桂枝の5種類から構成される漢方薬である。

五苓散は体内の水分を調整する利水剤で、水毒(体内の水が過剰の状態)では尿量を増やして放出し、水虚(体内の水が不足している状態)では尿量を減らす作用がある。

適する症状としては、口渇、のどが渇くが吐いてしまい水分を摂取できない、尿量減少などで、胃腸かぜに見られる症状に当てはまる。

五苓散を注腸する場合は、5~20mLの微温湯(温めた生理食塩水でもよい)に五苓散のエキス剤を溶かし、患児の肛門から注入するといった方法がとられる。

薬効成分が直腸粘膜から吸収されて速やかに血流に入るため、静注したような即効性があると考えられている。

注腸以外に、坐薬を投与する方法もある。

エキス剤を粉末化したものを、融解した坐薬基剤と混合し、坐薬のコンテナ内で固化させる。

注腸も坐薬も効果は同じであるが、保存が可能である点や注腸のように用時調整する煩わしさがないことから、自家製剤の坐薬を使用するケースもある。

五苓散の注腸は、経口投与よりも効果が高いと判断する医師が多く、早いと注腸後15~30分程度で嘔吐が止まり、その後イオン飲料などを飲ませても吐かなくなる。

注腸による下痢の悪化も認められていない。

五苓散の特徴は?

体力中等度前後の人に用いられる。

口渇、尿量・排尿回数の減少を呈する。

嘔吐、口渇が激しく水を多量に飲むがすぐに吐いてしまうことが多い(乳児の吐乳なども同じ)。

これを「水逆」の嘔吐という。

嘔吐には冷やして少しずつ服用させるとよい。

また、下痢を呈する。

よく比較される猪苓湯証(陽明病時期)は、発熱して、汗が出るなど熱証が強く脱水症状が加わる。

五苓散証(太陽病時期)は、発熱があっても悪寒がして(熱証には適さない)汗は出ない。

なお、二日酔いなどの口渇は水分の吸収障害によるもので、本剤を服用することで、水分が有効に血中に入って口渇を癒すと考えられる。

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