更新日:2017年1月31日.全記事数:3,169件.

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ワーファリンとプラザキサの違いは?


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プラザキサと納豆

一番の違いは、プラザキサは納豆との相互作用が無いことです。
納豆好きな人にとっては朗報です。

しかし、このプラザキサ、吸湿性が高い。
一包化ができない。
脱カプセルなどもってのほか。
その点ではワーファリンのほうにまだ分がある感じ。

プラザキサとモニタリング

ワルファリンでは、ビタミンKを多く含む納豆や緑黄色野菜などの摂取制限が必要であり、肝臓で代謝酵素の影響を受けるため薬物相互作用が多いことや、薬効に個人差や変動がありプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)のモニタリングが必要などの制約があった。

しかし、ダビガトランではこれらの条件がなく、ワルファリンに比べると利便性が向上したといえる。

半減期と飲み忘れ

ワルファリンの半減期は約36時間なので、1日飲み忘れても大きな問題になりません。

さらに定期的にINRをモニタリングしているので服薬状態を確実に把握できます。

しかし、プラザキサは半減期が約12時間と短いので、1日飲み忘れるだけで効果がなくなります。

さらに、定期的な凝固能のモニタリングを行いませんから、服薬状況を把握することができません。

そこで、コンプライアンスの向上が非常に重要になってきます。

ワーファリンとプラザキサの違い

新しい抗凝固薬として、トロンビン阻害薬としてタビガトラン、Xa因子阻害薬として、リバロキサバン、アピキサバンの大規模臨床試験成績が発表され、新規抗凝固薬の臨床プロフィールが明らかになりつつある。
これまで、ワルファリンが唯一の経口抗凝固薬であったが、今後は、これらの新規抗凝固薬へのシフトが確実に生じるものと考えられる。

①食物相互作用がない、②薬物相互作用が少ない、③作用発現が迅速、④抗凝固モニタが不要、⑤用量の個体差が少ない、⑥有効性・安全性においてもワルファリンと同等か優れている、⑦頭蓋内出血を顕著に抑制する(ワルファリンに比し少ない)などの利点は、これまでワルファリンが抱えていた欠点を克服するものであり、臨床的有用性は明らかにされたものと考えられる。

しかし、一方で、①モニタできる的確なバイオマーカーがない、などの欠点を有しているのも事実である。

ワルファリンは肝臓に作用し、正常な第Ⅶ因子や第Ⅸ因子、第X因子、第II因子の合成を阻害し、不完全な各凝固因子を合成します。
一方、ダビガトランは血液凝固カスケードの鍵となっているトロンビンの活性を直接阻害します。

ダビガトランはワルファリンに比べ高用量では有効性において優位性を示しています。
また、抗凝固薬には生命を脅かす出血が副作用としてつきまといますが、大出血はダビガトラン高用量でもワルファリンと同等で、低用量では有意に減少しています。
ただ、ワルファリンによって出血傾向となった場合には、ビタミンKを桔抗薬として投与することで、速やかに対応することができますが、ダビガトランの場合にはそのような桔抗薬がありません。

また、ダビガトランの大部分は腎臓から排池されるため、高度腎障害がある場合は投与不可で、腎機能の低下している患者には減量するなど慎重な投与が求められています。

ワーファリンは、様々な薬品や食物との相互作用があることから、個々の患者により用量の設定を行う必要があります。
合併症などの治療目的で新しい薬剤が追加処方された際には、代謝・排泄の過程での薬物動態の変化に注意が必要です。
また、過量投与された場合はビタミンKにより拮抗させることができます。
安価で先発品と後発品で差がほぼありません。

ダビガトラン(プラザキサ)は半減期が短いことから1日2回の服用が必要となります。
手術などの前後の中止・再開は短期的に行うことができます。
トロンビン活性化部位との結合は可逆的ですが過量投与の場合の拮抗薬は現在ありません。
新規作用であり、1日あたりの薬価は約460~520円となります。

ワーファリンの特徴

作用機序:ビタミンK依存性血液凝固因子ⅡⅦⅨⅩの生合成を抑制

特徴:半減期60~133時間、一包化調剤・粉砕可、CYP関与の代謝で相互作用多数あり、納豆・ビタミンK含有食品摂取制限、個人差が大きく、PT-INRにより用量調節

ワルファリンの問題点

ワルファリンは、牧草(sweet clover)に含まれていた抗凝固成分を抽出したものであり、肝臓におけるビタミンKの代謝を抑制する(ビタミンK拮抗薬)ことによる、ビタミンK依存性の血液凝固因子である第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子を複合的に抑制する。

従って、その作用発現には時間がかかるのみならず、ワルファリンの代謝抑制酵素活性や体内のビタミンK濃度に影響を受けるため、代謝酵素活性の個体差以外に、代謝拮抗する他の薬剤との相互作用も無視できない。

このため、ワルファリンには次のような欠点が挙げられるが、これらの欠点は、新しい抗凝固薬の登場によってさらに浮き彫りにされてきた。
・効果に個体差が大きく、効果予測が困難
・治療域が狭いため、至適用量の設定が困難
・効果発現・消退が遅いため迅速な対応が困難
・食物との相互作用が強く、ビタミンKを多く含む納豆、クロレラ、青汁、緑色野菜の摂取によりワルファリンの効果が減弱
・薬物相互作用が強く、作用増強・作用減弱効果を有する薬物が多く存在
・至適維持量の設定後も定期的にPT-INRのモニターが必要

以上の欠点は広く知られた事実であるが、新しい抗凝固薬との比較試験で新たな事実もわかってきた。

これまでワルファリンが唯一の経口抗凝固薬であったため、ワルファリンの増量により血栓塞栓症は抑制できても出血が増加するのは避けられないと考えられてきた。

しかし、新しい抗凝固薬の臨床試験から、ワルファリンより、脳梗塞(血栓塞栓症)を抑え、かつ出血(重篤な出血)もワルファリン投与群よりも少ない薬剤が存在することが判明した。

特に、頭蓋内出血の頻度は、ダビガトラン、リバロキサバン、アピキサバンでいずれもワルファリンより少なく、新しい抗凝固薬の有用性が示されたが、逆に考えると、これまで、ゴールドスタンダードと考えられてきたワルファリンの頭蓋内出血を増加させる薬剤であることを示唆しているのかも知れない。

このメカニズムは不明であるが、脳には組織因子が多く、ワルファリンがTF-第Ⅶ因子結合体活性を抑制するため、凝固カスケードの上流で強い抑制がかかり、脳で出血が多くなるのではないかとの推察もある。

プラザキサの特徴

作用機序:トロンビン活性部位に、選択的競合的かつ可逆的に結合

特徴:半減期12~17時間、吸湿性の問題あり一包化調剤不可、P糖タンパク阻害剤・誘導剤の相互作用、腎機能・出血リスクで減量の必要性あり

プラザキサ(ダビガトラン)という薬について。
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中、全身性塞栓症の治療薬。
2011年10月に米国で50年以上ぶりの新規の経口抗凝固薬として承認されました。

血栓の形成プロセスで中心的な役割を果たすトロンビンの活性を特異的に阻害する新しい作用機序(直接トロンビン阻害剤)を持つ。

抗凝固薬といえばワーファリン。
ワーファリンより評価が高いようですね。

プラザキサ使用時の注意点

長年唯一の抗凝固薬として使用されてきたワルファリンは、優れた抗凝固薬であるが、有効量と中毒量の幅が狭く、過剰であると出血傾向を、不十分であると血栓予防が期待できないため適切な用量の調節が必要であった。
また、即効性に欠けることや、ビタミンKを多く含む緑黄色野菜・納豆などの食事の制限、PT-INRなどの定期的なモニタリングの必要性、薬物相互作用、薬剤抵抗性などの問題点があった。

ダビガトラン(プラザキサ)は肝薬物代謝酵素P450による代謝を受けないことから、薬物相互作用とその個人差が少ない利点がある。
用量-反応(効果)が安定しており、PT-INR等の血液凝固モニタリングを必要としない。
また、納豆などビタミンKの含有量の高い食品を食べても良い事、早期に効果が発現し半減期が短いことから、中止後比較的早期に効果が消失することなどの特徴がある。
一方、モニタリングの必要性がないため、指標等を参考にして抗凝固療法が効いているのかいないのかを判断しにくく、ワルファリンにおけるメナテトレノン注射液に相当する拮抗薬がないことも不安材料である。

ダビガトラン(プラザキサ)は心房細動症例が治療対象であり、使用するのは必然的に高齢者が多い。
高齢者は一般的に腎機能が低下しており、ダビガトランは投与量の85%が腎排泄されるため、血中濃度が上昇し出血の危険性が増大する恐れがある。
使用に当たっては、次の4点に注意する必要がある。

①投与する前に、必ず腎機能を確認する
e-GFRの値はクレアチニンクリアランスの値と必ずしも一致せず、特に低体重、高齢者ではそれらの値が乖離することが知られているため、投与前にクレアチニンクリアランスをCockcroft-Gault式で計算し確認する。
透析患者を含む高度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者は投与禁忌、中等度の腎障害(30 ~ 50mL/min)のある患者、70歳以上の高齢者は、1回110mg 1日2回投与を考慮する。

②投与する前に、出血や出血傾向、出血性素因がないことを確認する
貧血や下血、消化管出血等の出血、その他の出血傾向がないことを確認する。

③血小板凝集抑制剤,抗凝固剤との併用については,慎重に判断する
アスピリン,クロピドグレル硫酸塩等の血小板凝集抑制作用を有する薬剤,抗凝固剤との併用により,大出血の危険性が増大する。
市販直後調査期間中にダビガトランを使用し重篤な出血の有害事象が生じた139例中38例(27%)では抗血小板剤を併用しており,そのうち10例の死亡例が報告されている。やむを得ず併用する場合には,有益性と危険性を十分に考慮すること。

④投与中は,血液凝固に関する検査値のみならず,出血や貧血等の徴候を十分に観察する
ダビガトランの効果を評価する指標はないが,トラフ時(血中濃度が最も低い時)のaPTTが80秒を超えると大出血が多かったとの報告がある。出血部位の内訳では,消化管出血が6割を占めており,消化管出血が生じた場合,吐き気,嘔吐,腹痛,血便,黒色便,吐血などの症状があらわれることがある。
患者に対しても出血しやすくなることを説明し,徴候があった場合には直ちに医師に連絡するように指導する。
出血の有害事象が生じている例はワルファリンからダビガトランへの切り替え時にもみられていることから,PT-INRのコントロールが良好な症例を無理にダビガトランに変更する理由は見当たらない。
月に1度のPT-INRの測定が困難な症例などで,やむなくワルファリンからダビガトランへ変更する場合には,ワルファリンを減量・中止して,添付文書ではPT-INR<2.0未満になればダビガトランの投与は可能とされてはいるが,それ以下で投与開始しても出血した例が報告されているので慎重に投与する必要があると考えられる。

参考書籍;日本医薬品情報2012.7、日本薬剤師会雑誌2012.1

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名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
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